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1人1000億円時代に備えて僕がSolomaker.devをつくった理由

巷では、何年か前から個人開発、IndieHackingが流行ってきている

とはいえ、それらは穏やかな集中力を持ちながら激しいコダワリによって目覚めた伝説のスーパーフルスタック人だけが楽しむ高尚な限界バトルのようなものであった

し、しかし…
生成AIによってプロダクト開発の民主化が急速に進んだ結果、コードが書けなくてもアプリやWebサービスが開発できるというAIネイティブと呼ばれるニューエイジが覚醒...

エンジニアのオラはヒヤヒヤしながらワクワクしつつも静観するわけにもいかず、このビッグウェーブを楽しみたいのであった...

ワタシは...

元々シリコンバレーでスタートアップを創業してCTOをやってた。その前には留学したり、現地で結婚して妻の家族親族はアメリカに散らばってて自分の半分くらいのアイデンティティは移民気味のただのアメリカかぶれです。
今回の記事は若干自分語りがウザいけど、ここ10年くらい全く表に出ずに
「は?エンジニアのくせにブログ書いたりツイッタランドしてるんやったらコード書けや」
って感じで尖り散らかしてたから自分の話を書き出すと長いんすよスンマセン

スタートアップ≠イノベーション?

20代の頃はスタートアップへの憧れがハンパなかった
ジョブズの本を読んで感化されて、毎日何時間も興味もない教授のボソボソ講義に時間とお金を溶かしてるのがバカらしくなった
気付いたら大学を休学して、親のガラケーをスマホに買い替えてもらったキャッシュバックで最安値のMacBook Airを買って、関西のど田舎から住む家も決めずに、東京にインターン先を探しに上京した

とりあえずアプリが作れるようになりたかった

周りには大学生やのにアプリが作れるオタクっぽい人がいて、中には自分でスタートアップをしてる人がいて、焦った
初めて下宿(6畳6人)して友達にもらったチャリで表参道から西新宿まで最低時給のインターンしててめちゃくちゃ楽しかった
とにかく世界を変えるぞ!って言ってるスタートアップってカッコ良すぎて毎日イベント参加してタダ飯漁って夢のようやった

でもテレビやYoutubeで見るような革新的なイノベーションは東京にもなかった。理由はわからんかったけど、世界も見てみたくなった

その後、トビタテに採択されて現代版岩倉具視使節団としてインドのバンガロールとシリコンバレーに1年送り込まれたのであった

エンジニアはアイドル! in シリコンバレー

エンジニア、ものづくりが好きな人にとってサンフランシスコは天国であった

毎日新しいプロダクトがローンチされてお祭り騒ぎ、プログラミングを習い始めたような高校生が有名な投資家と対等に交渉したりするような狂った環境

そこでY Combinatorに採択されたスタートアップでプログラミングのインストラクターとして働いてみたり、普通の大学生にしては結構楽しい経験になった

現OpenAIのCEOのサムアルトマンやみんな大好きProduct HuntのCEOのRayan Hooverにもパーティとかで会って、世界の狭さを感じれた

シリコンバレーではエンジニアや起業家はアイドルよりアイドルであった
本物見たらめっちゃテンションあがる

普段はヒッピーすぎて危険なエリアにあるNoiseBridgeっていう施設にに入り浸ってコーラとドリトスを主食にハード、ソフト問わずいろんなモノを作りまくってた
そこも有名なハッカーや起業家の寄付金で成り立っててそのエコシステムの上をフリーライドしながら貧乏学生たちで毎日高速wifiを貪った

ソロプレナーの時代が来る

1人で1000億円の評価額の会社を作るニュータイプが誕生するって富、名声、力、この世の全てを手に入れた男OpenAIのCEOサムアルトマンが言ってから世界が本当にそっちに動き出したように見える

国内では個人開発者で年間戦闘力数億円は多分いないけど、グローバルIndie Hackerったちの中には1人ユニコーンを達成するレースが始まっている
有名な戦士でいうとIndieHackerの始祖の巨人こと@levelsio、ガチリアルポートレート生成に命をかける巨匠@dannypostmaa、半分コメディアンの@marc_louvionとか
意外にもアメリカ人じゃない人が多い。みんな英語は話すけどネイティブではない。3~5年くらい海外住んだらこれくらいになるよなーってレベルの英語力なのでグローバルで個人開発成功して戦闘力億超えは難しいんじゃ...とかは思わなくて良い。目指せば手が届くもの。

暗黒の没個性型社会

昔はそれぞれの町や村に家族経営の定食屋、呉服屋、駄菓子屋などがあって普通にみんなが起業家で、自分で自分の生活に必要なお金を稼ぐ能力があった

稼ぎの総量は少ないけど、家族との時間があり、商店街などの地域のコミュニティで支え合って、理由もなく集まって、友達になれる暖かい時代だった

しかし、高度経済成長で安定した給料、年功序列、終身雇用というドラッグが蔓延し、それに手を出すとやめられなくなり、働かされすぎて自律神経のバランスが乱れ、いくら優秀であったとしても最悪命を絶ってしまうような狂った世界になってしまった

家族との時間はなくなり、離婚率も上昇、子供も生まれないディストピア

人は幸せになるために生まれてくる。それぞれ一人一人に確実に唯一無二の才能があるはずで、それを見つけて磨くために教育が存在するが、今の日本の学校はサラリーマンズという軍隊に入隊するために個性を消して周りと同じになれるように訓練するために週5日行くような機関に落魄れた

世の中腐ってる!!!

もはやチェーンのファミレスやユニクロが強すぎて個人で普通のお店を町に出店して、生活していくメリットがない世界になってしまった
よくフィリピンの親族に会いにフラッと行くんやけど、フィリピンって暑すぎて日中マジでショッピングモール行くくらいしかやることないんよね\
そこに入ってるのは6割アメリカのスタバやGAPなど、2割はヨーロッパの高級ブランド、2割は日本のレストランなどで実質的には資本主義で合法化した植民地支配である

別に全部が悪いことではないけど強者と弱者のパワーバランスが悪すぎる資本主義の仕組み上オリジナリティやマイノリティは光の速さで淘汰され、気付いたらどこの国に行ってもアメリカやスペイン、日本と変わらない雰囲気の地域が結構ある

没個性は退屈だ

もっとスープを啜っただけで唸ったり感動したりするラーメンのような、個人のこだわりが結晶になったようなモノにお金を払いたい

Japan "was" モノづくり大国

過去形である。

特にソフトウェアに関しては発展途上国にさえ負けてるどうしようもない状況で、正直エンジニアとしては居心地が良くない

でも最近ついに8月からXをはじめてみたり、オフラインでイベントを主催してみたりしはじめた\
するとモノづくり大国の末裔で、個人として職人のような魂を持つナウいエンジニア、デザイナーがたくさんいることが発覚した

日本のスタートアップ界隈は国際的に見たときに規模としてスタートアップの土俵にすら立ってないし、狙ってるマーケットや取り組んでる課題やクリエイティビティで推し量ったとしてもシリコンバレーのみならずヨーロッパやシンガポール、中国にすら相手にされないようなものが9割やと思う

自分も雑魚すぎておこがましいけど、「それって本当にスタートアップと呼べるのか?」と感じることが大半で複雑な気持ちになる

「成功」とは...?

でも個人開発はスタートアップのようにmore is betterな世界ではない
大きければ強者、小さければ弱者という世界ではない

面白いのは勝ち方にこだわれるところである
さらには成功というものはそもそも自分で定義するものである

いくら多くの利益を上げていようが、働きすぎて体を壊してドロップアウトするような環境はよくないし、普通の人は家族や友人との何気ない時間を大切にするべきである

そこのバランスを第三者からのプレッシャーを受けずにピュアに自分で理想を追い求めることが許されるのがIndie Hackerである

熱狂のエコシステムの構築

スタートアップのエコシステムにはお金、人材、施設、教育、法律…などがある

僕はもうちょいソフトなエネルギーである、憧れ、感動、熱狂みたいなものが循環、熟成、共有、バイラルする仕組みが日本にはもっと必要やと思う

開発者自身の狂った熱量がもっと色んなところに伝播していくべきで、それに触れた人が感動して憧れたりするともっと世の中が楽しくなるはず
最近ありがちな小賢ぶってる人がいちいち脊髄反射で「マネタイズはどうするんですか」みたいなダルいテンプレ質問が正当化される雰囲気も面白くない
もちろん優れた世界観のサービスはマネタイズも成功してほしいけど、まずはそこじゃない
それって面白いよねってちゃんと味わって、リスペクトして意図やストーリーを理解して、反芻して、手を差し伸べて、応援し、協力し合う雰囲気づくりが大事だとおもう
シリコンバレーの真の強さであり、日本、特に東京にかけてるのは「Like minded」な雰囲気だと思った

でも個人開発者に関してはそれがすごい優れた人が多い。産みの苦労を知ってる。お互いにリスペクトしてる。
だからもっとそれが広まれば、面白いんじゃないかなと思って勢いでこのサービスを作った

taishiyade

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