みんなで予防技術検定を受けよう!
今回はマニアックな資格の話です。
その名も「予防技術検定」
現役消防士の方には予防技術検定を受けるメリットを、一般の方には、「こんな世界もあるんだな」といった内容をお届けできればと思います。
予防技術資格者になるための試験
予防技術検定は予防技術資格者になるための試験です。
では、予防技術資格者とは何かというと、
「消防士の中で予防分野の専門家」を証明する資格です。
消防士の仕事は現場活動だけでなく、建物に立ち入り、法律に合っているかを確認し、火災を未然に防ぐ予防業務という仕事があります。
この、予防業務がなかなかマニアックで消防法という法律を理解することが求められます。
例えば、消火器は何本必要で何メートルごとに配置する。スプリンクラー設備には水源が何立米必要。といった具合に細かく決まっています。
こうした仕事をするには、専門性の高い知識が求められます。そして、各消防本部には「高い知識をもつ人材を規模に応じて何名確保しなさい。」と
国からの指針で示されています。
この高い知識をもつ人材というのが、予防技術資格者なのです。
そして、予防技術資格者になるためには予防技術検定の合格が必須条件になります。
検定内容や概要については青木防災さんが書かれた記事が分かりやすくまとまってますので、下記リンク先を参照してみてください。
予防技術検定を受けるメリットとは
これに尽きると思います。
正直、検定に受かったからといって、予防業務ができるようにはなりません。
他の資格試験も同じだと思いますが、資格があったからといって実務に直結しないのが、リアルなところだと思います。
しかし、それでも私は予防技術検定の受検を勧めます!
その理由は、法律を体系的に一度理解した経験が、後の実務の土台として大きな力を発揮するからです。
消防士の仕事は消防法という法律を根拠に行われます。特に予防業務においては、そのウエイトは大きいです。
そして、業務をこなしていく上で、法律を体系的に理解できていると、圧倒的に仕事の理解度が変わってくるのです。
体系的に理解することが、知識の棚になり、そこに業務で得た知識や経験が収納されていくイメージです。
こうした理由で私は予防技術検定の受検をオススメしています。
予防技術検定の勉強方法は
これに関しては賛否両論あるかと思いますが、私がオススメする方法をお伝えします。
一応、私も予防技術資格者で検定科目の三種(防火査察、消防用設備、危険物)に合格していますので、信ぴょう性の担保としてお伝えしときます!
勉強方法ですが、次の考え方を軸にしました。
・法文ベースで理解する
・出題範囲をしっかり押さえること
・過去問は出題の傾向を掴むのみ
・過去問で理解しようとしない
この、法文ベースで理解することが最も重要になります。
というのも、検定の設問自体が、「第〇条〇項の〜について」という形式で出題されるパターンが多いので、法文でピンとこないと正答することが難しくなります。
また、目的は予防業務に知識を活かすことであり、検定に合格することではありません。
検定合格はあくまで、通過点
本質は予防業務への反映なので、法文をベースに理解していくことが何より重要なのです。
点数を取ることだけに、フォーカスして枝葉の知識を付けても、幹となる法体系を掴んでないと実践に活かすことができません。
つまり、使えない資格になりかねないのです。
それと、当たり前のことですが、試験範囲をしっかり抑えておく必要があります。
検定要領には「第〇条から第〇〇条まで」といった形で試験範囲が明記されているので、該当する条文を必ず読むこと。
これも、法文ベースの考えと繋がるのですが、めちゃくちゃ重要です。
意外とこれをやらずに、やみくもに過去問と向き合う人もいるので、気をつけたほうがいいです。
過去問はあくまで出題傾向を掴むために使うものと捉え、法文ベースの理解をオススメします。
最後に
予防技術検定の資格について「そんなの受けても意味ないよ。実践あるのみ。」と言う方々もいます。
しかし、私自身は予防業務に関わる人であれば、是非とも受けてもらいたい検定です。
予防畑で頑張りたい人にとっては登竜門的な存在であるこの検定
今年度の合格発表は令和5年1月11日
受検された皆さんの朗報を期待しています。
記事を読んでくださりありがとうございました!