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意外と知られていない 消防署勤務と消防本部勤務の違い

一般の方がイメージする消防の仕事いえば火災や救急・救助といった現場活動がメインだと思います。そして、これらの仕事は主に「消防署」が担っています。

しかし、消防署は消防組織の中の一部署に過ぎません。実は消防には他にも様々な部署があるんですね。

今回はその中でも、「消防本部勤務」についてピックアップしていきたいと思います。この記事で謎に包まれた本部勤務について知ることができます。


消防本部勤務って何?

世間のイメージではおそらく消防本部には複数の消防署があり、それらが集まって一つの消防組織を構成しているとお考えの方も多いかと思います。

これは、半分正解ですが半分間違いです。
消防署は救急活動や警防・救助活動さらに予防査察など現場対応をメインで行う機関です。

では、本部勤務とは何か⁈
端的にいえば「現場活動の方針を決めたり、外部との調整を行う中枢機関」です。

現場で活動を行う上では即断即決を求められることも多いかもしれません。しかし、組織運営のためには、中長期的な目線で活動のマネジメントをしていく必要もあります。

この中長期的な組織のマネジメントや外部との調整を行うのが本部の仕事なのです。

たとえば、救急隊が現場活動を行う上での指針となる救急活動マニュアルや防火査察の年間実施計画を作成したりするのも消防本部の仕事です。

また、国や県との調整など外部機関とやり取りをし、組織運営に反映させていくことも本部勤務の仕事です。

さらに、市議会への対応(議員への質問取り等)も本部が担っています。

消防組織を体で例えるなら、消防署は実際に活動を行う手や足
消防本部は指示を出したり、作戦を考える頭
といったイメージです。

本部ではどんな人が勤務しているのか?

では、消防本部で勤務する人たちはどんな人たちなのでしょうか。
一つ大きな違いとしていえることは、消防署のトップは消防署長ですが、消防本部のトップは消防長だということです。

何のことかいまいち分からないかと思いますので、ご説明します。

消防署長はひとつの消防署のトップですが、消防長はその消防組織全体のトップです。例えば、行政でいうところの区長と市長の関係性に似ているかもしれません。

区長は市長から任命され管轄区の事務を行うことと同じように、消防署長もも消防長から任命され管轄エリアを統括するのです。

そして、消防署長クラスの階級の人がゴロゴロいることも本部の特徴のひとつです。本部には総務課・警防課・予防課・企画課などの部署がありますが、各部署の課長は消防署長と同じ階級であることが多いです。

そのため、一つのフロアに消防署長クラスの方々が勢ぞろいしているといったイメージです。

とにかく偉い人が多いので、若手の職員は「本部に行くのは緊張する。」と言う人も少なくありません。

また、逆に若手職員の割合は署と比べると少ないです。(私が所属する本部予防課では私が最若手。消防11年目の中堅職員ですが😅)

基本的に若手職員は消防学校を卒業した後、各消防署に配置されます。そして、数年現場活動を経験し、その後、救助隊や救急隊といったそれぞれの専門性を高めていくことになります。

したがって、消防学校を卒業してすぐの職員でいきなり本部勤務ということはかなり稀です。

ただ、数年現場を経験した後に若手職員が本部に引っ張られるというケースはあります。

いわゆる人事の「一本釣り」ってやつです。
将来性のある若手職員に組織の中枢での勤務を経験させるといった狙いがあるのでしょうか。

そのあたりは私の推測でしかありませんが、本部に配属される若手職員に優秀な人材が多いのは確かだと思います。

本部勤務のメリット・デメリット

私は現在本部勤務になり、5年目ですが勤務する中で感じたメリット・デメリットを上げると次のとおりです。
○メリット
・組織の動きがダイレクトにわかる
 (幹部との接点が多い)
・自分の仕事の組織に与える影響力が大きい
・外部研修や出張等消防以外の色んな人と絡める

○デメリット
・責任が大きい
(本来の階級より1階級上の仕事をするイメージ)
・部署によるが比較的多忙

メリットとデメリット挙げましたが、ガツガツ仕事をしていきたい人にとってはメリットしかないのかなと感じています。

私自身、たまに疲れるなあ。と思うことはありますが、成長した部分のほうが大きいので本部で働かせてもらってよかったな。といった感想です。

まとめ

本部勤務は世間がイメージする消防士の仕事とはかけ離れていてデスクワークがメインの仕事です。

「現場で人を助けるために消防士になったんだ。」という方はやりがいを見出すのに少し時間がかかったり、しんどいかもしれません。

しかし、組織の中枢で仕事をすることは中長期的に見たとき間違いなく自身のキャリアにプラスの
影響を与えてくれると確信しています。

中には本部勤務をずっと希望しているけど、なかなか叶わないという方もおられます。

現在、本部勤務をされている方は「選ばれてそこにいる」ということを認識して働くべきだと思います。

また、これから消防士を目指す方々は本部勤務というキャリアもあるということを知っていただければ幸いです。

最後まで記事を読んでくださりありがとうございます。





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