見出し画像

普段運動なし・根性なし・練習ソコソコの僕が「びわ100」を完歩できた理由と記録

2024年10月19日〜10月20日に開催された
第10回びわ湖チャリティー100km歩行大会 FINAL」通称:びわ100を完歩で締めくくることができました。

25時間40分でゴールする計画でしたが、結果は27時間44分58秒
制限時間が28時間のため、ギリギリの結果でしたが、完歩出来た自分を褒めたい。

びわサポのみなさん、そして支えてくれた人たちに感謝!



びわ100とは、びわ湖の外周の半分、長浜市 豊公園から、大津市雄琴のおごと温泉観光公園までを寝ずに歩くという、見る人が見れば狂ったイベントなのです。

100kmというと、滋賀→名古屋くらいがだいたい100km。それを歩くのですから、クレイジーとしか言いようがないですね。

今回の第10回が最終回ということで、「これは歩かねば!」とエントリー。
というのも第9回も出場していたのですが、80km地点でタイムが間に合わずリタイア・・・という結果でした。

1年間リベンジの機会をうかがい、エントリーはしたものの、

  • 練習ができない(長距離歩行の時間がとれなかった)

  • 根性ナシタイプ(昔から長距離走とかマラソンとかニガテ)

  • 普段運動していない(ドア to ドアの車生活で歩くことがない)

  • リタイアの記憶が強い(足の強烈な痛み、雨の寒さ)

これらの理由で、大会開始2ヶ月前くらいから徐々に「本当に歩けるのかな」という心配がありました。
そこで、まとまった時間はとれなかったため、歩行練習以外のアプローチで色々対策を練りました。

本記事では、自分がまた100kmウォーク系のイベントに出場するときの記録用。また、同じようなタイプの方へ参考になればと思っています。

タイムとスコア

1kmごとのペースを表したグラフ

タイム:27時間44分58秒
平均ペース(時速):4.23km/h(休憩を含む)
平均ペース(分):15.42分/km(休憩を含む)

という結果でした。

(ぶっちゃけ、超がつくほど遅いタイム)

赤い矢印が第1〜4チェックポイントと、エイドと呼ばれる休憩ポイントの大休憩をしたポイントを表しています。だいたい同じくらい休憩を出来ていますね。

序盤(1-17km)は比較的安定しており、平均して5-6 km/h程度を維持していましたが、終盤(80km以降)は疲労により平均速度が落ち、3-4 km/h程度までペースダウンしました。

逆に言うとこんなに遅くても完歩可能ということ。


歩行計画をガッツリ作った

まず、第9回のリタイアにつながった要因を振り返ると、以下が思い浮かびました。

  • 20km以降から根性論フェーズに入ることを知らなかった

  • タイムスケジュールを作らず、無計画だった

  • 雨対策ができていなかった

  • ちゃんと休憩ができなかった

  • シャリバテ

  • ロキソニンの飲み過ぎ(体温低下)

そこで、いつ休憩して、いつ歩き出すのか、いつ食べるのか、事細かく計画をしました。

その際、この方の記事を非常に参考にしました:

スプレッドシートで歩行計画を立てる

平均時速4.5km、小休憩10分、大休憩35分で計算

上記のnoteで公開されているシュミレートシートで、歩行計画を立てました。このシートでは、各チェックポイントに間に合うかどうかに重きを置いて計算をしています。

また、日の出の時間も考慮しています。前回大会時に朝日のパワーというのを思い知り、「こんなにパワーが出るんだ!」と感動をしました。

こうして計画をすると意外に「こんなに休んでもいいんだ」と数値で一目瞭然ですから、休憩時も焦って休む感じがなく、気持ちもしっかり休まりました。

この時点では25時間40分でのゴールを計画していましたが、結果は先述したとおり27時間44分。80km以降の平均ペースを落としたことに起因しますが、余裕を持って計画段階では24~26時間で計画するといいかもしれない。

Googleカレンダーに予定をすべて書く

シートで立てた計画をもとに、Googleカレンダーにも書き写しました。本番歩行中には思考が止まるので、スプレッドシートを見て確認はできないだろうと判断したためです。

余談ですが、思考能力が止まってしまって「14km-9km=5km」の計算が暗算で出来ず、iPhoneの計算機で「14-9=5」をしました。僕史上最もIQが下がった瞬間だったと思います。

また、Apple Watchをつけていると通知が来るので、
行動食や休憩の時間、後述する保護クリームを塗布するタイミングがわかりやすいのがGoodでした。

本番に行ったこと

常に自分のペースを把握する

歩行計画を通りに歩けるように、自分のペースをアプリで常に監視していました。
使ったアプリは「adidas Running by Runtastic」

どれだけ時間が経っているか、今どれだけの速度で歩いているか、1km区間ごとの速度はどれくらいだったか、心拍数はどれだけかという項目がApple Watch上で一目でわかり、ペースが乱れにくくなります。

歩行計画通りに歩けるスピードなのかを把握するのに非常に役立ちました。

雨対策(靴)

2024/10/19-20が本番で1週間前から毎日天気予報を見ていましたが、ずっと19日が雨予報。結果、スタート時にはもう小雨が降り始め、20km-30km地点でゲリラ豪雨に見舞われました。

雨が降るのは確定だったので、雨対策として、Amazonでシューズカバーを購入。

また、妻に替えの靴を渡し、第1チェックポイントに届けてもらいました。チート技ですが、第1CPはファミリーマートだったので、事前に靴を送りつけておいて、CP到着時に受け取り、履き替えで再現可能です。

雨対策(鞄の中身)

バックパックにカバーをつけておられる方を散見しましたが、僕は防水性のバックパックを家族から譲り受けて使用しました。

カバーを外して、中のモノを取り出すという手順は「100kmを歩く」という現代の人間の遺伝子に全く組み込まれていない行為において、非常に面倒です。

また防水性のバックパックに甘んじず、すべての荷物をジップロックにいれました。靴下で1つ、着替えで1つ、財布で1つ、行動食で1つという風にジャンルでわけてあげると、疲労困憊の中で思考が止まりつつある中でも快適にカバンの中身を取り出せました。

お腹が空いて無くてもとにかく食べる

シャリバテ・ハンガーノックという概念を知ったのは前回大会をリタイアしたあとでした。
前回大会では空腹感がなく、ほとんど食べていなかったことに気づきました。空腹感がないだけで、身体は飢餓状態であり、ピタリと動きが止まってしまうことがありました。

そこで、本番当日の朝は、特大おにぎり3つとお味噌汁を食べ、さながらボディビルの世界のカーボローディングのように糖質をぶち込みました。

また、びわ100の2日間でウィダーinゼリーを15本近く飲みました。疲労と痛みで空腹感がなくても、とにかく流し込めるゼリーは最高でした。

Apple Watch Ultra 2

僕は普段からApple Watch Ultra 2を着用していますが、バッテリーが長く持つ上に画面が大きめなので、びわ100での利用体験は素晴らしいものがありました。

計画での通知やadidas Running by Runtasticのペース管理など、Apple Watchがないと、iPhoneをいちいちポケットから出さないといけないため、なくては出来なかっただろうと思います。

ちなみに27時間のうちにGPSを使っていたので1度バッテリー切れを起こしています。adidas RunningのアプリはGPSをiPhone側で取得するのがいいかもしれない。


買ったもの

アンダーシャツやスポーツタイツなどの持っていたもの以外で、
今大会のために新たに買ったモノだけをピックアップ

ALTRA OLYMPUS 6:

僕は両足の扁平足・外反母趾に生まれてこの方ずっと悩まされていて、前回大会で履いた靴があまりにも痛くて、途中ペースが落ちてしまいました。
一度そのペースになるとなかなかペースアップはできないもので、前回同様そのままリタイア・・・という失敗は二度と犯したくなかったので

滋賀県大津市の「中山スポーツ」さんで購入させていただきました。
自分専用のインソールもあわせて作ってもらいました。

適度なクッション感と、ALTRA FootShapeという広いフットボックス形状で外反母趾と幅広の僕でも靴と足が干渉しすぎず、痛みが出ません。

ALTRA FootShapeの図解

本番中あまりにもビショビショになったので一度ALTRAから履き替えをしまた関係で、本番環境で図らずも他の靴との比較検証ができました。

そうすると、やはり他メーカーの靴はフットボックスが狭く、すぐに小指に肉刺ができてしまい、「早くALTRAに戻したい!」ということで家族に頼んで乾燥機をかけてもらいました(ほぼチート技)

100kmも歩けば必ず足が痛くなるので、「痛くない靴」はこの世に存在しないと思います。
ですが、ALTRA+専用インソールは僕のような扁平足・外反母趾の方にとってはトラブルが極めて少なく済む靴です。

Tabio レーシングプロ 5本指ソックス:

5本指で滑り止めがついているモノがいいよ!とのことで、こちらをチョイスしました。汗ムレで湿らない感じが最高でした。

プロテクト J1(全歩行者買うべき):

ワセリンの上位互換みたいなクリームで、これは本当に感動しました。足の裏がずっとつるつるで歩けます。
スタート地点の受付で売ってほしいレベル。

OpenRun Pro2

Shokzの骨伝導イヤホンのフラッグシップモデル。今大会内でもつけている人を大勢見ました。びわ100のために買ったというわけではないのですが、防水で外れず、外部の音が聞こえるという特徴がびわ100で使うイヤホンとしてのニーズにピッタリ。

詳しくは以下の記事をご覧ください

まとめ

根性ナシタイプと自覚があった僕。前回大会をリタイアしたことでその自覚に拍車がかかるような想いでしたが、今回完歩できたことで少し払拭できたような気がします。

また、前回大会のリタイアはまさに「尊い月謝」であったと思い知らされました。リタイアしていなかったらここまで準備しなかっただろうし、歩けていなかったような気がします。

人間の限界は自分の思っているより先にありました。

また何らかの形でびわ100が復活したら、これを読み返してもう一度歩く・・・かもしれない。

再度になりますが、びわサポのみなさん、支えてくれた家族、そして他の参加者の方々、2日間本当にありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?