フリーランスはクライアントワークに依存しているのか。
フリーランスはクライアントワークに依存していると思われていることがありますが、実際はむしろフリーランスこそ自主製作を存分にできると思っています。大事なのはそのバランスです。
実際に、プロダクトデザイナーの多くがクライアントワークとは別に自主製作で作品を作っています。そして作家性を持つデザイナーも年々増えています。ものづくりの現場を間近で見る職業だからこそ、自分でも物を作りたくなるんだと思います。
作家性はクライアントワークでも活かされる
本来、商品にとってデザイナーの個性や作家性には必要ないという認識が古くからありますが、近年は作家性はクライアントワークでも活かされる場面が増えてきたと感じます。
表に出る商品と同じように、本来裏方であるデザイナーにも注目が集まるようになり、ユーザーにとって、デザイナーの持つ作家性や世界観が商品を購入する理由の一つになりました。そうなると、仕事を頼むクライアントとしても、作家性をもつデザイナーに仕事を頼むようになってきています。
そのため、デザイナー自身の表現したい思いや世界観が重要になり、そのデザイナー「らしさ」というものを表現する必要になりました。この「らしさ」を作家性と呼ぶことが多く、個性ともなり得るものです。
クライアントワークと自主製作は両方やった方が良い
大事なのは、そのバランスだと考えています。
クライアントワークは実績になり直接的にお金を稼ぎ、生活する上でも欠かせないもの。自主製作は自分がやりたいことを実現するもので、自由に進めていくもの。そして作家性は自主製作から生まれてくるものだと思っています。
性質がそもそも違うけど、どっちもフリーランスのデザイナーにとって必要だから、両方やった方が良いと思っています。その仕事に上も下もなく、どっちが偉いとかもありません。
クライアントワークだけでは自分の表現したいことややりたい仕事はできないかもしれません。自主製作だけでは食べていくことができないかもしれません。ただ基本的には自主製作から作家性は生まれてくるものだと思っています。
クライアントワークにも自主製作にも依存することなく、どちらも楽しみながらやっていくのがフリーランスにとって大事なことなのかもしれません。
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