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早稲田大学前の『ぷらんたん』に行くと思い出す恥ずかしい話

ども。たいろーです。皆さん、今日も急成長してますか?

今日は、僕のプライベートについて書いてみようと思います。大したことじゃないのですが、定期購読マガジンは「役に立たない事を書く」と公言しているのでお許し下さいね。

つい先日、ある用事で母校である早稲田大学に行ってきたんです。

最近はコロナ禍でどこの大学にも学生の姿がなく、大学らしい活気がなくて寂しかったのですが、ようやく2回目の緊急事態宣言も明け、この日の早稲田付近は学生街としての活気を取り戻しているように見えました。

喫茶店『ぷらんたん』

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例えばこの上の写真、左側にある喫茶店『ぷらんたん』。早稲田大学の学生なら誰でも知っている老舗の喫茶店なのですが。

最近はコロナの影響で学生がパッタリこなくなり、他の苦しい飲食店と同様ぷらんたんも存続の危機に陥ってたみたいなんですよね。

しかし、苦境を知った学生たちがクラウドファンディングを立ち上げ、目標500万円に対して 753万円を集めてプロジェクトを見事成立させたらしいんです。

「70年間、早稲田の街でともし続けてきた店の灯を絶やしたくない」

そんな思いで、この一年は何とかしのいできましたが、いよいよ限界が近いです。

このクラウドファンディングを通して、ぷらんたんをご支援いただけないでしょうか。

目標金額は500万円です。

いただいたお金は、返礼品の手数料、発送料を差し引いたうえで、残りの金額を今後の運転資金と建物の維持管理費、ローン返済費に充てさせていただきます。

せっかくいただいた、皆様の思いです。

損失を十分に補えるほど支援金をいただいた場合には、一部をコロナ収束後の存続のための新たな施策(改修費, 設備投資, ホームページ制作費等)に充てさせていただきます。

先行きが見通せないコロナ禍のなか、学生街に店舗を構える飲食店として、今後も末永くご利用いただくための基盤を整えさせていただきたいと思います。

想像するに、現役学生以上に大学OBからの協力が大きかったのではないかと思います。

「ぷらんたんは青春の思い出だ、なくなるのは寂しい」
「お店を残すために支援できるならお金を出そう」


そんな人たちが大勢いたのではないかなと。

彼らは短期間でお金を集めたのですが、本当にすごいことです。インターネットとSNSがあって初めて可能になる事だし、30年前だったら不可能だったはずです。

そして、彼らが救ってくれたこの『ぷらんたん』には、僕も忘れられない恥ずかしい思い出があるんです。

大学受験の頃の話なのですが、僕は当時「超ヘタレ」でして...。

あれは忘れもしない、第一志望だった早稲田大学商学部の合格発表日。

張り切って大学キャンパスに発表を見に行くのかと思いきや、なんと僕は...「どうせ落ちたから見に行くだけムダ」と、ふてくされて家にいたんです。TVゲームやってました。

そして、そんな僕を見かねた母が「じゃあ、私が見に行ってくるよ」と言って、なんと息子の代わりに合格発表を見に行ったんです。

とんでもない息子ですよね。一体どこの世界に、親に合格発表を代わりに見に行ってもらう浪人生がいますか。今思い出しても我ながら「チキン野郎」だなと思います。

そしてここからは、あの日に母がどういう体験をしたのか、当日の様子をイメージしながら、後から聞いた話も織り交ぜて書いてみます。

母が息子の代わりにした体験

母はおそらく、下記の動画のようなルートで本部キャンパス側面の入り口から、商学部の合格発表がある場所まで歩いて行ったはずです。

キャンパス最奥、商学部前の掲示板に到着すると、そこには人だかりが出来ていたはずで、自分の番号を見つけて喜ぶ人もいれば、今年もダメだったとうなだれて帰る人もいる。その場はまさに、歓喜と落胆が入り交じる「人生の分岐点」といった様相だったのではないかなと。

母はそこでおもむろに受験番号票を取り出し、大学の掲示板に、目を向けたはずなのです。

恐る恐る、順番に、掲示板の番号を、目で追って、追って、追って。

追っていったその先に、ようやく僕の番号らしきものを見つけたのですが、間違っていたらいけないので何度も確認したそうです。しかし、何度確認しても、手元の受験番号は確かにその掲示板にあった。

ようやく合格を確信した母は、瞬間、嬉しさのあまり「受かったぁぁ!!」と叫んでしまったそうです。

すると、それを見ていた周りの人達が母に「おめでとうございます!」「春から大学生ですね!」と一緒に喜んでくれたのだとか。早稲田では稀に年配の方でも志をもって受験される方がいるらしいのですが、そういう「年配になってから受験したら合格したパターン」だと思われたのでしょう。

受かったのは母ではなく、息子なんですけどね(笑)でも母は、若い頃に家が貧しくて高校にも行かせて貰えなかった苦労人なので、この日、まるで自分が受験生として大学に受かったかのような気持ちになれて、本当に嬉しかったそうです。

母はその場で、合格している旨を僕に電話で伝えてくれたのですが、それでも半信半疑な僕は「自分も早稲田に向かってこの目で確かめる」と言って、母には待ってもらうようお願いしました。

そこで、僕が早稲田に到着するまでの間、母が珈琲を飲みながら待っていたのが、そう。この喫茶店『ぷらんたん』なのです。

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母はお店に入り、2F席に座ったそうです。息子の志望校合格の喜びを一人静かに噛み締めていたんでしょうね。

しかし、ぷらんたんの店主は、その様子を見て「あれはきっと早稲田に落ちたんだ」と勘違いし、なんと店内に流れていた早稲田の校歌を別の曲に変更してくれたらしくて。

そして、後から僕が『ぷらんたん』に到着して母と共に喜びを分かち合う姿を見て、ようやく「あれ?落ちたんじゃなくて、合格したみたいだ」と安堵し、店内ミュージックを元に戻したのだとか。(お会計の時にお店の方から聞いた話です)

勘違いとはいえ、そんな風に配慮してくれるのが、本当に嬉しかったです。

ちなみに後から聞いた話ですが、家でふてくされている息子に代わって合格発表を見ようと出掛けた母は、箱根湯本から新宿へ向かうロマンスカーの車内で印象的な光景を目にしたそうです。

それは、車窓の向こうに白く輝く大きな富士山

この日はひときわ空気が済んでいて天気もよく、富士山が本当に綺麗に見えたのだとか。そして、それを見た時に母は「これはどうやら合格したな」と、なんとなく直感したそうです。

その後、キャンパス周辺を飽きるまで散歩して帰路につきました。この日はちょっとヘンテコな合格発表日でしたが、今でも僕の人生最良の日のうちの一つです。

ということで、今日も長文、読んで頂きありがとうございました。

ではまた。

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