静岡県袋井市の未来を育む学校給食:地場産農産物活用と17軒の農家との直接連携
袋井市教育委員会おいしい給食課中部学校給食センターの視察報告
視察日
2025年5月15日(水)
視察場所
袋井市教育委員会おいしい給食課中部学校給食センター
参加者
視察者数:12名(当初13名予定) 内訳:岡崎、西尾、豊田、知多、安城の住民、名古屋市教育委員会職員1名、愛知県議秘書1名
はじめに
この度は、袋井市教育委員会おいしい給食課の中部学校給食センターの視察を行いました。以下にその詳細を報告いたします。
視察の目的
袋井市教育委員会おいしい給食課中部学校給食センターでは、地場産農産物の活用として、農家からの直接買い付けを行っています。これは、地元の農家を支援し、中間マージンを含めずに低価格で新鮮で健康的な食材を学校給食に提供することを可能にします。また、数量確保のために保管庫を整備し、地元の農業振興と子供たちの健康増進を目指しています。今回の視察では、地元農産物の活用状況、農家との連携方法、衛生管理、地域活性化への貢献について理解を深めることを目的としました。
視察の概要
袋井市教育委員会おいしい給食課課長から挨拶。袋井市教育委員会おいしい給食課栄養士塩原さん、おいしい給食推進係長石塚浩司さんからの説明や質疑。給食の試食。保管庫見学。
視察の詳細
4.1 地場産農産物の活用
中部学校給食センターでは、年間約3,389万円の地場産農産物を給食に使用しています。
これは、平成24年度の約10倍の金額です。
地場産農産物は、主に以下の方法で購入しています。農家からの直接買い付け(17軒)、JAの直売所、ファーマーズマーケット。
地場産農産物を使用することで、以下のメリットがあります。
新鮮で安全な食材を子供たちに提供できる。
地元農家を支援できる。
食育に繋がる。
4.2 主な購入品目
野菜;キャベツ、玉ねぎ、トマト、ピーマン、ナス、ほうれん草、小松菜、大根、など、果物;イチゴ、ミカン、ぶどう、柿など、米;コシヒカリ
4.3 農家からの直接買い付け
中部学校給食センターでは、農家から直接野菜や果物などを購入しています。直接買い付けすることで、以下のメリットがあります。
中間マージンをカットできる。
農家と直接やり取りすることで、必要な食材を確保できる。
農家のニーズを把握できる。
17軒の農家から直接購入。数量確保は課題であるが、農家には全量購入を約束せず、複数農家から購入する体制を構築。周知には時間がかかったが、町内会の回覧板等を活用して情報発信。
4.4 衛生管理
消毒には、電解水を使用(次亜塩素酸ナトリウムは不使用)。残留物がないことがメリット。30ppm PH5.6希塩酸、イオン水(OH)。電解水生成装置:導入当時100万円
4.5 保管庫
中部学校給食センターでは、JAの倉庫を2箇所借りて、保管庫として使用しています。農家に鍵を渡す。夏休み中の給食のない時期に採れた作物などを保管することができます。玉ねぎなど
4.6 規格外野菜
袋井市の学校給食の調理場では、規格外の野菜を無駄にしないために、以下のような方法で利用しています。大根:切り干し大根にします。これにより、保存性が向上し、さまざまな料理に使用できます。トマト:トマトピューレにします。これはスープやソースのベースとして使用できます。玉ねぎ:炒め玉ねぎにします。これは多くの料理に風味を加えるために使用できます。ジャガイモ:じゃがいも甘辛煮にします。これはそのままサイドディッシュとして提供することができます。乾燥器で乾燥させたにんじんやたまねぎのレシピ開発を進めています。
視察の結果
今回の視察を通して、袋井市教育委員会おいしい給食課中部学校給食センターが、以下の点に力を入れていることがわかりました。地場産農産物の積極的な活用、農家との連携、安全・衛生管理、子供たちが喜ぶ献立づくり。中部学校給食センターの取り組みは、子供たちに安全で美味しい給食を提供すると同時に、地元の農業を支援し、地域活性化に貢献していると言えるでしょう。
結論と提言
袋井市教育委員会おいしい給食課中部学校給食センターの取り組みは、地元農業の活性化と子供たちの健全な成長を両立する優れたモデルと言えます。
他の地域でも同様の取り組みを推進することを強く推奨します。
謝辞
本視察にあたり、ご多忙の中、丁寧なご説明とご案内を賜りました袋井市教育委員会おいしい給食課の皆様に厚く御礼申し上げます。
以上、袋井市教育委員会おいしい給食課中部学校給食センターの視察報告を終わります。ご確認いただき、ご意見やご感想をお聞かせいただければ幸いです。よろしくお願いいたします。