常滑市議会政治倫理審査会の審査結果報告書のずさんさを徹底解説!開催されていない第7回の記録や「虚為?」の間違いなど
審査結果報告書には内容や作成過程に多くの問題点
本記事では、常滑市議会の政治倫理審査会の審査結果報告書について、その内容や作成過程に多くの問題点があることを指摘します。
常滑市議会の政治倫理審査会の報告書にはずさんな誤りがありす。
具体的には、開催されていない会議の記載があるという問題が発覚しました。また名誉毀損の「毀損」と「棄損」が混在したり、「虚偽の事実」が「虚為の事実」と漢字が間違っていたり、主語が存在せず、文として成り立たなかったり、能動態であるべきが、受動態であったり、文法上の未熟さが目立ちます。
これは、審査結果報告書の内容を確認するという審査会の責務を果たしていないことを示しています。
しかし、これだけではありません。審査結果報告書は、審査対象議員に対して、政治倫理基準に違反する行為があったと認定し、文書による厳重注意を決定しました。しかし、審査結果報告書は、井上議員の発言の真偽や法的根拠について、具体的な証拠や分析を示していないばかりか、井上議員の政治的な主張や見解に対する不快感や反発を反映していると言えます。
このような審査結果報告書は、市民の信頼を損なうものであり、政治倫理審査会の趣旨や目的に沿っていないと言えます。
この記事では、審査結果報告書の問題点を詳しく分析します。
1.開催されていない回の記載がある
先日、常滑市議会の政治倫理審査会の審査結果報告書を入手したところ、驚くべきことに、開催されていないはずの「第7回」の記載がありました。
これは明らかに事実と異なる記述であり、市議会事務局も私からの指摘でこの間違いに気づいたということです(2023年12月27日議会事務局へ指摘し確認)。
コピペを誤って第7回まで
どうやら、政治倫理審査会が作成した審査結果報告書は、実際には6回までしか開催されていない回について、コピペを誤って第7回までしてしまったようです。
これは単なるミスかもしれませんが、それにしても、審査結果報告書という重要な文書において、こんなに大きな誤りがあることは許されるべきではありません。
2.審査結果の事後の内容が含まれている。
報告書は、政治倫理審査会の審査結果を反映するものであるべきです。12月19日付の審査結果報告書であるにもかかわらず、報告の事後の2023年12月20日の協議会や通知などの内容は、政治倫理審査会の範囲を超えています。政治倫理審査会の報告書は、政治倫理審査会の開催日時、審査の経過、審査の結果、政治倫理審査会の意見などを明確に記載する必要があります。これらの誤りは、政治倫理審査会の手続きや信頼性に疑問を投げかけるものです。
3.名誉毀損の「毀損」と「棄損」が混在
常滑市議会政治倫理審査会の審査結果報告書です。名誉毀損は法律や行政では毀損の方の漢字を使うのに、常滑市議会では「棄損」の漢字を使っていて、変だと思っていました。政治倫理条例では「毀損」の方が使われています。審査結果報告書では混在して使っていました。会長、副会長、委員8名、議会事務局もいて、間違いに気づいていないのでしょう。恥ずかしいレベルです。
4「虚偽」と書くべきが「虚為」と書かれている
「虚偽」と書くべきところが「虚為」と書かれている。この一字の間違いが、政治倫理審査会の審査結果報告書のずさんさを象徴している。
審査結果報告書4頁です。名誉毀損は法律や行政では毀損の方の漢字を使うのに、常滑市議会では「棄損」の漢字を使っていて、変だと思っていました。政治倫理条例では「毀損」の方が使われています。審査結果報告書では混在して使っていました。
この報告書を読んで、筆者は夜も眠れないほど憤りを感じている。
6 主語が不明で文法上の未熟さが目立つ
審査結果報告書を読んでみると、驚くべきことに、文法上の誤りや不明瞭な表現が多く含まれていることがわかりました。
(1)
この一文は主語が省略されています。「学校給食で子供たちが病む」と言われたのは誰なのか、「公式の場で発言された」のは誰なのか、「証明議員に書面にて確認にした」のは誰なのか、「虚偽であることが判明した。」のは誰なのか、明確にされていません。
仮に主語が審査対象議員であるとすれば、「公式の場で発言された」と受動態ではなく、「公式の場で発言した」と能動態で書くべきです。
「証明議員に書面にて確認にした」と「虚偽であることが判明した。」との主語が政治倫理審査会だとすると、この一文は文法的に成り立ちません。
また、「証明議員」という用語は、一般的には使われないものであり、その意味や役割が不明です。この用語を使う場合は、その定義や背景を説明する必要があります。
さらに、「議員の虚偽であることが判明した」という表現は、不自然で、「虚偽であったことが判明しました」と過去形にするべきです。
(2)
この一文でも主語が省略されています。「訂正しなければ議場で決着をつける」と言われたのは誰なのか、「公式の場で発言された」のは誰なのか、明確にする必要があります。仮に審査対象議員であるとすれば、受動態ではなく能動態にして、「「訂正しなければ議場で決着をつける」と言い」「公式の場で発言した」と書くべきです。
また、「証明議員」や「虚偽であることが判明した」という表現については、前述のセンテンスと同様の問題点があります。
(3)
この一文でも、主語が省略されています。「話された」のは誰なのか、明確でありません。仮に井審査対象議員であるとすれば、「話された」と受動態ではなく「話した」と能動態にして書くべきです。
また、「虚偽であることが判明した」という表現については、前述のセンテンスと同様の問題点があります。
(4)
この一文でも、主語が省略されています。「事実関係調査委員会に書面にて確認にした」のは誰なのか、「虚偽であることが判明した。」のは誰なのか、明確にする必要があります。
また、「確認にした」というのは、格助詞の使い方が間違っています。
公人としての自覚不足が報告書の文法上の誤りの原因
政治倫理審査会が主語を省略したのは、議会運営を巡って井上議員から実名で非難された議員らが、自分たちが市議会議員という公人である自覚を忘れて、実名が出ることを嫌がったためだと推測されます。政治倫理審査会の委員らは、公人としての自覚を持ち、市民に対して責任を持って、明確な審査結果報告書を作成することが求められます。
7 報告書の重要性とその内容
政治倫理審査会の報告書は、常滑市議会議員政治倫理条例施行規程第8条第2項により、審査の結果及び意見を記載したものであり、議長に提出しなければなりません。その報告書は、政治倫理審査会の審査結果を反映するものであるべきであり、事後の協議会や通知などの内容は、政治倫理審査会の範囲を超えています。審査会の報告書は、審査会の開催日時、審査の経過、審査の結果、審査会の意見などを明確に記載する必要があります。
8 審査報告書には会長の記名が、審査結果報告書に8名の記名があった
審査報告書には会長 稲葉民治の記名がされています。
さらに、審査結果報告書には、政治倫理審査会の稲葉民治(会長) 伊奈利信(副会長)、他各会派からの全8名の委員の記名がありました。
これは、彼らが審査結果報告書の内容について確認し、同意したことを示すものです。
しかし、審査結果報告書には開催されていない審査会の記載があったり、「虚為」と漢字が間違っていたり、「毀損」と「毀損」が混在していたり、することは、彼らが審査結果報告書の内容を確認していなかったことを意味します。
責任のある会長、副会長、委員ら8名は加減な審査を行っていた
つまり、政治倫理の審査に責任のある会長、副会長、委員は、ずさんでいい加減な審査を行っていたことが明らかになります。
誤りの訂正と信頼性の確保
審査会の報告書に誤りがある場合は、審査会の責任で訂正するべきです。審査会の報告書は、市民の信頼を得るためにも、正確で公正であることが求められます。審査会の報告書に不備があると、審査会の審査結果にも疑義が生じる可能性があります。審査会の報告書は、審査会の活動の最終成果であり、審査会の責務を果たすためにも、誤りのないものでなければなりません。これらの点を踏まえ、審査会の報告書の正確性と信頼性の確保が求められます。
政治倫理規定違反の認定要件と審査結果報告書の問題点
政治倫理規定では、「公人としての発言又は情報発信は、確たる事実に基づいて行うこととし、虚偽の事実を適示することによって他人の名誉を毀損する行為」(常滑市議会議員政治倫理条例第3条第6項)が違反とされています。その違反を認定するには、次の三つの要件が必要です。
発言や情報発信が虚偽であること
発言や情報発信が他人の名誉を毀損すること
発言や情報発信が公人としての責務に反すること
しかし、政治倫理審査会の審査結果報告書では、調査結果と称して、「議員の虚偽が判明した」と1番目の要件についての認定を述べたです。残り二つの要件「発言や情報発信が他人の名誉を毀損すること」「発言や情報発信が公人としての責務に反すること」については審査結果報告書では全く検証していません。
審査結果報告書の証拠は市民に非公開
もう一つの問題点は、審査結果報告書の証拠資料が市民に公開されていないことです。
政治倫理審査会は、市議会の議員に対する政治倫理の遵守状況を調査し、審査する機関です。
その審査結果は、市民の知る権利を尊重し、透明性を確保するために、公開されるべきものです。
常滑市議会の政治倫理審査会の審査結果報告書は事実関係調査委員会の報告書を根拠としていますが、その根拠となった証拠資料は、非公開であり、市民は見ることができません。
常滑市議会議長は、これらに対する開示請求に対して、2023年12月25日に不開示決定書をし、27日に伝えてきました。
審査結果報告書の内容に自信がないか、市民に知られたくない
これは、審査結果報告書の内容に自信がないか、
市民に知られたくないかのどちらかであると推測されます。
証拠開示を拒むことは、市民の信頼を失う
どちらにしても、審査結果報告書の根拠となった事実関係調査委員会の報告書の証拠の公開を拒むことは、市民の信頼を失うことにつながります。
審査結果報告書は審査対象議員に対して不当な認定をした
審査結果報告書は、審査対象議員に対して、政治倫理基準に違反する行為があったと認定し、文書による厳重注意を決定しました。
その根拠として、審査対象議員が自身の Facebook で、他の議員の名前を公表し、虚偽の事実を摘示し、名誉を毀損したり、告訴を示唆したりしたという事実関係調査委員会の報告書を引用しました。
しかし、この審査結果報告書には、いくつかの問題点があります。
以下に挙げます。
1. 事実関係調査委員会の報告書は、井上議員の発言の真偽や根拠について、具体的な証拠や分析を一切示していません。
2. 井上議員の発言が虚偽であるという認定は、事実関係調査委員会の主観的な判断に基づいていると言えます。また、井上議員の発言が他の議員の名誉を毀損したり、告訴を示唆したりしたという認定も、法的な観点から見て正しいかどうか疑問が残ります。
3. 事実関係調査委員会の報告書は、井上議員の発言に対する他の議員の反応や感想を多く引用しています。
しかし、これらの引用は、井上議員の発言の真偽や根拠を検証するものではなく、井上議員の発言に対する批判や反論であると考えられます。
これらの引用は、政治倫理審査会の審査事項とは関係がないと言えます。
4. 事実関係調査委員会の報告書は、井上議員の発言について、政治倫理審査会の審査事項とは関係がないと思われる内容についても、虚偽や名誉毀損と認定しています。
例えば、井上議員が学校給食の安全性について発言したことや、井上議員が信頼している弁護士との会話を公にしたことなどです。
これらの内容は、井上議員が市民の代表として、重要な事業や法的な手段に対して意見を述べることを示しており、それ自体は政治倫理に反するものではないと考えられます。
以上のように、審査結果報告書は、井上議員の発言に対して、事実関係調査委員会の主観的な判断や批判をもとに、虚偽や名誉毀損と認定し、政治倫理基準に違反する行為があったと結論づけています。
しかし、この結論は、具体的な証拠や分析、法的な観点に基づいていないと言えます。
また、この結論は、井上議員の政治的な主張や見解に対する不快感や反発を反映しているとも言えます。
したがって、審査結果報告書は、井上議員の政治倫理の違反事項に関するものではなく、井上議員の政治的な立場や活動に対する攻撃や妨害であると考えられます。
このような審査結果報告書は、市民の信頼を損なうものであり、政治倫理審査会の趣旨や目的に沿っていないと言えます。
審査結果報告書の改善のための提案
以上の点を踏まえて、私は審査結果報告書に対して、以下のように提案します。
1. 事実関係調査委員会の報告書を撤回し、井上議員の発言の真偽や根拠について、具体的な証拠や分析を示すこと。
2. 井上議員の発言が他の議員の名誉を毀損したり、告訴を示唆したりしたという認定を見直し、法的な観点から見て正しいかどうかを検討すること。
3. 井上議員の発言に対する他の議員の反応や感想を引用するのをやめ、政治倫理審査会の審査事項とは関係がない内容については、虚偽や名誉毀損と認定しないこと。
4.井上議員に対する文書による厳重注意を取り消し、井上議員に対する謝罪と信頼回復のための措置を講じること。
私は、これらの提案が実行されることで、常滑市議会の政治倫理審査会の審査結果報告書が、より公正で透明で信頼できるものになると期待します。
また、これらの提案が実行されることで、常滑市議会の議員間の関係や市民との信頼関係が改善されると期待します。
最後に、常滑市議会の議員の皆様におかれましては、市民の福祉の向上と常滑市の発展のために、政治倫理の確保と議会の活性化に努められることを願っています。