メントール受容体TRPM8:アイスクリームとミントがもたらす二重の冷たさ
アイスクリームにミントの葉が載っているのは、ミントに含まれる成分「メントール」が関与しています。
TRPM8とメントール
メントールは、TRPM8(トリップMエイト)というイオンチャネルを活性化させることで、冷たさを感じる神経細胞に作用します。TRPM8は、低温やメントールなどの化合物に反応して開くチャネルで、カルシウムやナトリウムなどの陽イオンを透過させます。これによって神経細胞の電位が変化し、冷たさの信号が脳に伝わります。
アイスクリームとミントの組み合わせ
アイスクリーム自体も冷たいので、TRPM8は二重に刺激されることになります。そのため、ミントが載っているアイスクリームは、載っていないものよりも冷たく感じられるのです。
この興味深い話題を聞いたのは、岡崎市の生理学研究所で10月28日に開催された一般公開でした。
ノーベル賞受賞
驚くべきことに、この研究が2021年のノーベル生理学・医学賞を受賞したという事実!
この受賞は、David JuliusとArdem Patapoutianが温度と触覚の受容体を発見したことに対して授与されました。
これは科学の力と可能性を改めて感じさせてくれます。