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変動相場制の国と固定相場制の国では外貨を稼ぐ意味が違う

 日本は変動相場制の国です。その日本が輸出に力を入れて日本企業が外貨を稼ぐことに注力すれば、円高圧力が高まります。円高になれば国産品の価格競争力が低下しますので外貨を稼ぐことが難しくなります。つまり外貨を稼げば稼ぐほど稼ぐことが困難になります。
 逆に稼ぐことに注力しなければ円安圧力が高まります。円安になれば国産品の価格競争力が高まりますので外貨を稼ぐことが容易になります。つまり外貨を稼がないほど稼ぐことが簡単になります。

 これに対し、固定相場制の国が外貨を稼ぐことに注力すればより為替レートを維持できるようになり、注力せずにあまり外貨を稼がなければ為替レートの維持が困難になります。
 また外貨を稼ぐことで為替レートが変動することもありませんので、稼げば稼ぐほど稼ぐことが困難になることもありません(稼ぎすぎると国際問題化して規制を強化されるなどといった可能性はありますがそれはまた別の話です)。

 そして、日本が外貨を稼ぐことに注力するということは、日本人が財を生産して外国人に分配することに注力するということです。

 ここで、日本にとって以下2つのどちらがいいでしょうか?

(1) 日本人に分配する財を生産することに注力し、その結果円安になって外貨を稼ぎやすくなる
(2) 外国人に分配する財を生産することに注力し、その結果円高になって外貨を稼ぎにくくなる

 普通に考えて(1)の方がいいと思います。(2)は「どんだけマゾなんだ?」という気がします。

 変動相場制で自国通貨建て国債しか発行してない日本が輸出に力を入れて外貨を稼ぐことに注力するのは愚かではないかと思います。
 勘違いしないでいただきたいのは、「外貨を稼ぐ必要はない」と言っているわけでなく「力の入れ所を間違ってるのではないか?もっと優先順位が高いことが他にあるのではないか?」ということです。

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