看護計画テーマ「産婦人科 正常新生児の標準看護計画」
勉強お疲れ様です。
今回のテーマは、新生児になります。
患者様は非常に不安を感じている方が多いかと思います。
この不安を払拭できるのは、患者様家族と看護師なので、しっかりまとめていきましょう。
正常新生児の標準看護計画
新生児とは
出生直後から子宮外での生活への生理的適応過程が終了するまでの期間の児を新生児といい、一般に生後28日未満を新生児期という。なかでも出生直後は特に重要な時期で、さまざまな異常が起こりやすいため、生後7日未満を早期新生児期としている。
新生児は出生体重、在胎週数、出生児体重基準曲線により分類され、正常新生児とは、出生体重は2500g以上4000g未満、在胎37週以上42週未満、身長・体重ともに10パーセンタイル以上90パーセンタイル未満で生理的適応状態を逸脱しない新生児のことをいう。
状態
1.形態・成熟度
分娩の影響により、児頭の応形機能および頭蓋骨の骨重積がみられる。変形の差は骨の硬さと各骨の連結の強弱に左右される。児の成熟度は在胎週数、出生体重、外表的特徴、神経学的特徴から判断するが、正常新生児は胎外生活に適応しうる成熟徴候を備える。新生児は上肢はW字、下肢はM字の形の自然な形をとる。
2.呼吸
出生と同時に呼吸を開始する。呼吸数は毎分30〜60回で不規則になりやすく、胸腹式呼吸である。また新生児は肺の発育が十分でないため、瀕数で浅く不整な事が多い。
3. 循環
胎児循環から新生児循環へと劇的な変化をしなければならない。心拍数は毎分120〜160回と不安定であるが、約10日間で毎分120〜140回と安定してくる。ただし、啼泣、授乳、睡眠時などによっては異なる。生後一週間以内では、循環系の無害な心雑音が聞かれることがあるが、やがて消失する。しかし先天的心疾患の場合もあるため注意しなければならない。
4.体温
新生児は体表面積が大きく、皮膚も薄い。また熱産生機能も乏しいため低体温になりやすい。出生直後〜8時間の新生児の体温は不安定で環境の影響を受けやすい。6〜12時間で直腸温は安定してくる。正常直腸温は36.8〜37.2度である。
5.消化・吸収
新生児の胃の用量は30mlと小さい上に胃底形成が不完全で噴門部の開閉機構も未発達であるために吐乳や溢乳を起こしやすい。初回排尿・排便は24時間以内に95%の児に見られる。便は生後2〜3日では羊水、腸管内分泌物、胆汁色素からなる暗緑色、、粘調、無臭の胎便をし、やがて黄色の便が混じった移行便となり3〜5日で通常の黄色い便となる。
6.皮膚
成熟した新生児では皮下脂肪は厚く産毛は少なく、爪は指頭を超えている。生後2〜3日のうちに皮膚は乾燥して、細かく薄皮が剥げる(新生児落屑)。生後2〜3日から黄疸を呈し始め、5〜6日頃にピークをむかえ徐々に軽快していく(新生児黄疸)。新生児の黄疸は生理的なものが多いが、血中のビリルビン濃度が基準値以上の場合は治療を要する。
7.体重
乳汁摂取量より排泄(便・尿)や不感蒸泄が多いため、生後2〜3日に体重減少がみられる。体重減少の割合は出生体重の5〜10%未満である。その後体重は徐々に出生時体重に戻る(生理的体重減少)。体重増加量は1日に25〜30g前後である。
8.免疫
免疫グロブリン産生能は胎生期より認められるが新生児期の抗体産生量は低い。血清グロブリンのほとんどは母親由来の受動IgGで、IgM、IgA、IgEは低値である。IgGは感染防御の役割を果たすが、IgM、IgAが高値の場合は胎内感染が疑われる。
9.反射
モロー反射、把握反射、手掌・口反射、吸啜反射、自動歩行、交互性進展反射、非対称性緊張性頸反射、探索反射などがある。
10.睡眠・覚醒状態
睡眠・覚醒は30〜60分の周期で24時間のうちに何回も繰り返される。覚醒している間は開眼、瞬目、四肢の運動、不規則な呼吸・啼泣、などの行動が見られる。日中は比較的周期的に睡眠に入り、夜は活発である。
検査と処置
血糖・必要時採血
動脈血酸素分圧(SpO2)
ミノルタ黄疸計による測定、必要時ビリルビン(Bil)値・ヘマトクリット(Ht)値
ガスリー採血
身体計測(体重、身長、頭位、胸囲など)
経過と管理
1.呼吸管理
出生直後は呼吸状態が安定するまでに数時間を要すため、特に呼吸状態(呼吸数、無呼吸の有無、肺音)、チアノーゼの有無に注意が必要である。 呼吸に異常がある場合には多呼吸(1分間61回以上)、陥没呼吸、呻吟呼吸(呼気時にうなり声を出す)、シーソー呼吸(胸部と腹部が反対の動きをする)などの症状が出やすい。
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