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人生を豊かに彩ってくれている想い出と、その続き。
韓国に友人がいます。
韓国人の友人です。私は高校生のころ、留学してみたくて、社会人になってからも外国に行ってみたくて、ワーキングホリデーとか見ていた時期がありました。
というわりには、学生時代少し英語が得意だった以外、取り立てて英語が話せるわけではなく、他の言語も特に勉強したこともなく。笑
当時の私にとっては、外国に行くこと=背伸びして外の世界や価値観に触れてみたい、ということだったような気がします。
新卒で働き始め、ワーキングホリデーについても調べていた記憶がありますが、仕事を辞める必要があったり、お金もかかる。どうしようかな…と考えた時に思いついたのが「日本に来ている外国人と友達になる」でした。
これなら外国に行かなくても新しい体験や出会いがある。
そして23歳の私は、当時住んでいた街にあった国際交流センターに行きました。
そこでは、その街に来ていた外国人とその街の人を繋ぐための掲示板があって、留学生やインターン生が友達になりましょう、とか英語教えますよ(バイト探し)など、たくさんの張り紙がありました。
私は特に「英語」にこだわっていなくて、できれば同じ年代の人がいいなぁと思い目に留まったのが韓国から来た人の友人募集の張り紙。韓国は小学生のころ少年の船で一度行ったことがあって馴染みも感じ、会ってみることにしました。
歳も近くとても話しやすい優しい男の子で、その人から「紹介したい人がいる!」と言われ繋げてもらったのが、今も繋がりのあるこの友人です。
その子はインターンで韓国からきていて、私と誕生日が2か月しか違わない女の子で、働きながら日本語の勉強をしているとのことでした。お互いにお互いの国の言葉が分からず、当時はまだスマホもないので電子辞書でなんとか会話をしました。
電子辞書で会話しながらの夜ご飯がはじめまして、だったけど、初めてな感じがしなかったし、国籍関係なくめっちゃ仲良くなる人とは時間はかからない、ってこういうことだなと今でも思います。
その子とは、彼女が帰国するまでの半年間、本当によく会いました。
ミスドで、1杯のコーヒーで小学校1年生の教科書を使ってお互いに日本語・韓国語を教え合いました。
色々なところに遊びに行って、ご飯も食べて、寮にもお邪魔し、私の地元を案内したりもしました。
言葉を教え合う、だけの関係ではなくて、恋愛の話や将来の話、考えていることをたくさん交換しました。
ハウステンボスに行った時、可愛い建物の前で彼女は「絵本作家になりたい」という話をしていました。その時はまだインターンが終わった後どうしよう、とか、私も今の職場は辛いけどどうしようかな、とかそういうことを話していた頃でした。
その時の「将来やりたいこと」は、「いつかやりたいけど形になるかどうかわからない夢の話」でした。
彼女が韓国に帰ってから、私は2度韓国に行きました。
一度は釜山。一度はソウル。
釜山の時はフェリーで行ったけど船酔いでほんっと辛かった。笑
もう一人の友人の実家に泊まらせてもらって、簡単な韓国語でお母さんともお話できました。
ソウルは飛行機で。年末年始のカウントダウンを過ごしました。帰りの飛行機を航空会社の都合でなぜかビジネスクラスにアップグレードしてもらえて、カスビールを飲みながら帰国しました。笑
彼女も何度も日本に来ました。
別の年の三が日にUSJに行ったり、私の地元のお祭りに遊びに来てくれたり。
手紙やメールでやりとりをしながら、私たちはお互いに1,2回転職したり、勉強したりして、20代を過ごしました。
時には、実家からかと勘違いするほど、食料品の入った荷物を送ってくれたりも!
それからだんだんと、30代に入るころからお互いに仕事が忙しかったり、ライフスタイルが変わって会う機会は減りました。
忙しい日々に目の前しか見えなくなっていた時期が私にはあったように思います。
一度、「仕事を辞めて絵を描いてみる」と手紙をもらいました。
その後、「やっぱり大変で難しかった」とも連絡をもらって、その後どうしただろう…、タイミングが合わず…最後に会ったのはいつだろう。
そう思って、久しぶりに連絡をしました。
前は国際電話で10分で1,000円くらいかかって、時間を気にしながら惜しみながら30分くらいの電話をしていたけれど、
今は、LINEやkakao talkでやりとりができます。
でもアナログで始まった関係だからか、そんなに頻繁なやりとりはしていなかったんです。
「おはよう!
韓国、COVID-19大変そうだけど、仕事や体調はだいじょうぶ??」
やりとりは、インターンの後、日本と貿易をする会社に勤めていた彼女に甘えていつも日本語です。笑
「かずみ~~久しぶり~~元気??」
とお返事は返ってきました。
「貿易の仕事は4年前に辞めて今は子ども本の作家になって本をつくっている。」「今書いているのは絵本じゃなくて小説。実は去年新人コンテストで賞をとった。これ私が出たネットニュース。」
と!!
おぉ~~~~~~~~!!!
おめでとう!!すごい、夢が叶ったね!!
と、感無量でお返事をしました。
ハウステンボスで、自分の中で芽吹いてイメージして持っていたものが、15年かけて、届いて、形になったこと。その文脈を共有してきたことに想いを馳せずにいられない気持ち。
同じ時間軸で、私も自分がどうしていくかについて悩み、考え、上手くいかなかったりチャレンジしたり。その時々を、数年に1度会うその時に報告しあってまた数年経って。
その時間と気持ちを、思い返しました。
今年の末に彼女は本を出すそうで、その時に本を送ってくれるそうです。
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映画にでもなりそうな!
またひとつ増えた、人生で大切に持っておきたい1シーン。
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