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生きづらさを柔らかく。

6月半ばからの2か月ちょっと、会社員からフリーランスになると決めた。
私はずっと精神保健福祉士や人事担当として、よりよく生きたい、働きたいと思っている方のキャリア支援を行ってきたけど、図らずとも今回は人生で2番目に大きな私自身の転機になった。(人生で1番目のキャリアの転機はまた別途書きたいな)

急だったこと、状況が急展開で自分で自分の思考回路を整理するのは、今回は難しいと思い、日常的にいつも相談している方以外にもたくさん相談もさせてもらった。

そこでたくさんアドバイスをいただき、
自覚したことは、私のアイデンティティは
「メンタルヘルスソーシャルワーカーである」ことで、

「ソーシャルワーク」とは「どんな環境にいても、誰でも、自分自身が自らの人生の主人公になって、やりがいが生きがいを感じながら豊かな人生を送ることができるように支援すること」だということだった。

国際ソーシャルワーカー連盟(IFSW)のソーシャルワークの定義
ソーシャルワーク専門職は、人間の福利(ウェルビーイング)の増進を目指して、社会の変革を進め、人間関係における問題解決を図り、人びとのエンパワーメントと解放を促していく。ソーシャルワークは、人間の行動と社会システムに関する理論を利用して、人びとがその環境と相互に影響し合う接点に介入する。人権と社会正義の原理は、ソーシャルワークの拠り所とする基盤である。

日本では、何かしらの困り感がある高齢者や児童、障害のある方に向けて「社会福祉士」や「精神保健福祉士」というソーシャルワーカーが病院や行政、社会施設の中で働いていて、私も精神保健福祉士として主に精神障害や発達障害のある方の就労支援、また採用人事担当として障害者雇用・社内で働く乳幼児を持つママのサポートを行ってきた。

でも支援をすればするほど何か違うんじゃないかと思うことが多くなってきて、それは「かなり多くの普通の人が、生きづらさを抱えている」ことだった。そこに障害の有無は関係なく。


なぜ人にはソーシャルワークが必要なのか?

それは、人が「社会的存在」だから。誰でもたった1人で生きているということはなく、人から生まれ、依存して育ち、大人になってからも誰かがどこかで生産したモノを使ったり食べたりしながら生きていて、そして自分自身も社会の中で生活したり働いたりして何らかの影響を社会に及ぼしている。

病気や障害のある方は、その社会の中での相互作用が何かしらの部分でスムーズにいかなくなっていて、社会に対して発揮できる自分の力がうまく働かなくなっている。

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病気や障害があるから自己実現が難しいわけではなく、社会の側との相互作用がうまくいかないから働けない、などの困り感が出てくるということ。例えば足を骨折してうごけなくても車いすがあれば移動ができるし、スムーズに移動できるエレベーターなどの環境があれば仕事にも行けて、他者とのかかわりが持てたり所得が得られる。結果として自分の力が発揮できてQOL(人生の質)があがっていく。

実際に、就労支援で行っていくのは、仕事ができるようにクライエントにビジネススキルなどの訓練することだけではなくて、
どんな環境が合うかとか、こういう道具を使ってはどうか、普段の生活や習慣、人間関係、ありとあらゆることを総合的に調整していって、あぁ、この微調整の仕方だね、このあたりが一番心地よく生きていけるやり方だね、とクライエントと一緒に試行錯誤していくことだったりする。

時には、自分ってそもそも何だっけ、と存在意義みたいな部分で悲しい気持ちやもやもやを共有することも多くて、しかもすぐに解決することが難しいこともあるけど、そこにも寄り添い続けることができるのもソーシャルワーカーの役割だと思う。

一番得られることは、そこでうまくいった、という結果ではなくて、その過程で試行錯誤して自分を知り、その先も自分主導で人生のことを考えられるようになることだ、と実感することがすごく多かった。

みんな不安を抱えて生きている

さらに現代社会はとっても複雑化している。
家族の単位が小さくなり単身世帯や未婚の方が増えているのもそうだし、基本的にはお金で困難を解決することが多くなっていて、人を頼らずにある程度乗り越えられてしまい、結果孤独を感じやすい。情報も多くて、かつ価値観も多様化していてシンプルな正解はなくて、アイデンティティが確立にしくい。

悩んで当たり前だと思うんですよね。

ほんとはもっとみんな自分に軸を持っていいと思うし、不安になりすぎないくらいには自分を捉えられるくらいの時間や心の余裕が必要。だけど社会の仕組みや既存の価値観、流れるスピードが速いし、ネットでは自分よりうまくいってる他者のエピソードも溢れていて不安になりやすい。

うまくいっている状態、バランスがとれた状態、ちょっとしんどい状態、かなりきつい状態、休まなければならない状態、
それはグラデーションでどこの誰にいつ起こってもおかしくなくなっている。

ただ、それを弱音としてアウトプットしていくのはなかなか勇気がいる。下手したらワイドショーみたいに批判されるかもしれない。本来の意図が伝わらないかもしれない。だから一旦我慢する。その小さくても地味でも嫌なストレスが続くとだんだんほんとの辛さになっていってしまう。

あぁ、なんだかもうソーシャルワークは、誰にとってもあったほうがよくて、知っておいた方がよくて、一度ちゃんと知ればその先の変化が大きい人生の中でも誰でも自分らしく生きていけるヒントにたどり着けるんじゃないか。そう感じるようになった。

私がフリーランスでやりたいこと

私がやりたいことは、
生きづらさを柔らかくする方法があることを伝えること。
その人自身が自分の人生を豊かにできる力があることを伝えること。

単なるキャリア相談ではなくて、
その人自身が、人生を捉えなおして自分に対して温かい気持ちで生きていける後押しをすること。

全然整理できてないところからでもいくらでもスタートできること。
そしてそこに伴走できる人が存在すること。
人は依存先が多いことで本当の意味で自立できること。

そんな人が増えることで今よりもっと柔らかくて優しい社会に近づくといいなと思って、これからもメンタルヘルスソーシャルワーカーで居続けたいなと思う。

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かずみ|Mental Health Socialworker
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