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感謝の言葉「在り難う」〜とても大切な哲学の話〜

 みなさんは「哲学」という学問に対して、どのような印象を持っているだろうか?

 難しそう?役に立たない?いろんな意見があるでだろう。

 僕の哲学に対する印象を言ってしまうと、
それは「難しい」学問であり、「役に立つ」学問であると思っている。

 自分自身、哲学に関連する書籍はそれほど読んでないだけども、勉強すれば理解が進んで簡単に感じる様になるかも、と思って少しばかりの関連書籍を読んでいた。

 しかし、読めば読むほどその難しさは増すばかり。

 他の学問を勉強して、知れば知るほど、無知であることを認識するという様なことはよく感じていたけど、哲学に関してはそれとは少し違う感覚で、おそらく哲学という学問は、難しいことをずっと考えるつづけている学問なんだろうと思う。

 科学的な手続きを適応することが難しく、誰にも分かりようがないことを考えて、答えらしきものを、その本質を考え続けている学問だと感じる。

 だから、難しいの当たり前で、おそらくいつまで経っても難しいんだろうと思う。

 哲学とは「考える」学問なんだろうと思う。物事の本質を洞察するべく。

 本記事の中で「哲学とは?」みたいなことを記述していくつもりはないが、興味がある方は一度触れてみることをおすすめしたい。

 僕自身は、日常的に体験するさまざまな物事に対して、自身の振る舞い方や心のありようが変化していく様に感じ、穏やかに過ごせる様になった気がする。また、様々な学問に取り組む上でも、哲学はその本質を求める学問だから、その他の学問のベースとなる「前提」を提供してくれる。

 これが、「役に立つ」といった理由である。

 今回は「哲学」に関連する書籍をご紹介しようと思う。

 タイトルから分かるように、14歳の中学生に向けた内容であり、「考えること」の大切さについて教えてくれる本。  

 14歳くらいの少年に向けた内容なので、文章はそのような感じの表現をされているが、哲学の難しさ、複雑さに関してはぶれることなくありのままに伝えている。

 哲学を中学生にも分かる様に簡単に伝えている本ではない。哲学という難しい学問を、難しい学問として伝えている。そして、「考えなさい」と、考え続けることの大切さを伝えていくれる良書。子供を、決して子供扱いしない誠実さを感じる。

 大人になって読んでもとてもいい。人間の営みというのは、科学的に解明されている部分はもちろんあるけれど、その根幹にある問い(人間って何?自分と他者の違いって何?思いって何?思っているのは本当に私?なぜ家族が存在する?)、わかりようがない問いに対して考えること、それが自分の在り方全般に影響する。この本を読んで、その様に感じる。

 現代は科学の発展とともに、多様な「意見」に溢れている。それゆえに生じる対立は現代社会の重大なストレス要因になっていると感じる。その様なストレスに耐えることに限界を感じている人は、ぜひ手に取ってほしい。

 この本の内容全てを理解することは、僕には困難だった。理解を促す様に書かれていないから。全て読み終わった後、すっきり理解できずになんか「もやっと」する。

 それは、「考えなさい」という著者からのメッセージである様に思う。(僕はその様に解釈した)この本を読んで「考えること」始めることができたなら、十分に利益を得ているだろう。そして、しばらくしてもう一度読んでみるといい。また違った発見があるはずだから。本棚にずっと置いておきたい。そんな本です。

 この本の中で、感謝の言葉「ありがとう」に関する記述があった。ちょっと長いですが以下に引用します。

 感謝という感情があるね。君は、人に何かをしてもらった時、感謝して「ありがとう」と言うね。あの「ありがとう」とは、もともとは、この奇跡の感情を言うものなんだ。ある理由のないものがなぜか在る。この驚きに発するものなんだ。だから、存在への驚きを知る人や敬虔な信仰を持つ人は、苦しみにすら感謝して、「在り難う」と言うだろう。苦しみや、むろんのこと喜びという経験を、この身に経験することができるのは、宇宙が、自分が、なぜか存在するからこそだ。やっぱりこれはものすごく在り難いことだと思わないか。
池田晶子『14歳からの哲学 考えるための教科書』トランスビュー(2003)

 ここで書かれていることは全体のほんの一部だけれど、読み終わった後とても印象に残った文章の一つ。

 僕たち人間の存在、自分や親や友人の存在、宇宙の存在は結局のところ「なぜかそこに在るもの」で、考え続けてもまだ誰もわからない。でも、なぜだかそこに在るものなんだ。これを、本書に表現されている通り「奇跡」と表現するならば、自分や自分の周りの他者の存在、偶然起こった出来事に対して、それはとても「ありがたい」ことだと感じる。

 なぜだか存在する、大切な人、物事。それを、「奇跡」を、ちゃんと認識できたなら、感謝の気持ちを持って、穏やかに、日々を大切に生きていける気がする。そして「奇跡」の存在について、「考え続けること」が大切なんだと思う。それは、「認識し続けること」と言ってもいいかも知れない。

「在り難う」

そこに在る理由もわからない存在に感謝する言葉。

 在り難や
 在り難や 

【紹介した本】


※本記事は、あくまで私が書籍を読んだ上で咀嚼し、私というフィルターを通して表現しているものになります。よって、基本的には私の個人的見解を多く含んだ内容になります。その点ご了承いただいた上で、ご興味を持っていただけたのであれば、是非、参考書籍を手に取っていただければと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。        はましょー

※私はAmazonアソシエイトメンバーです。



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