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『法句経』ダンマパダ - ブッダ 真理のことば【 第1章 ひと組みずつ 】①
【 第1章 ひと組みずつ 】
1 ものごとは心にもとづき、心を主とし、心によってつくり出される。もしも汚れた心で話したり行ったりするならば、苦しみはその人につき従う。──車をひく(牛)の足跡に車輪がついて行くように。
2 ものごとは心にもとづき、心を主とし、心によってつくり出される。もしも清らかな心で話したり行ったりするならば、福楽はその人につき従う。──影がそのからだから離れないように。
(岩波文庫:ブッダの真理のことば 感興のことば 中村元訳より引用)
1.私たちの周りで起きるものごとは心に基づいて起きており、心が主導し、心によって作り出されると述べられています。
つまり、私たちの考えや感情が私たちの行動や結果に影響を与えることを示しています。
もしも汚れた心で話したり行動したりすると、それによって苦しみが生じるとされています。
この教えは、私たちが自分の内面に注意を払い、清らかな心を保つことの重要性を教えてくれます。
例えば、車を引く牛の足跡に車輪がついて行くように、私たちの行動や結果も私たちの心の状態によって形作られるということを象徴的に表現しています。
私たちが心を清らかに保ち、善良な考えや感情を持つことで、より良い結果を生み出すことができるという教えが込められています。
この教えは、日常生活においても大きな意味を持ちます。
私たちが他者や自分自身に対して持つ考えや感情が、その後の行動や結果に影響を与えることを理解することで、より良い人間関係や幸福な生活を築くことができるでしょう。
心を清らかに保ち、善良な思考を持つことが、結果的に、私たちの幸福と平和な心の維持につながるという教えは、古代から現代まで変わることなく受け継がれてきました。
『法句経』ダンマパダの第1章は、心の清浄さと重要性について深く考えさせられる箇所であり、私たちの日常生活においても心を大切にし、清らかに保つことがいかに重要かを教えてくれる貴重な教えであると言えます。