夏休みの宿題
中学生になって初めての夏休み
ほとんど部活で潰れたけど、新しく出来た友達と遊んだりしてて割と充実してた。
でも僕は敢えて宿題を最後にまとめてやるタイプだったので後半の数日は地獄だった。
最近は夏休み途中の出校日に宿題提出とかもあるみたいだね。その方が不幸な人を出さないからいいと僕も心の底から思う。
多分なんとかやり切って提出したんだと思う。怒られた記憶はないから
自由研究とか何したかは全く覚えてない
そして、音楽にも宿題があって、【リコーダーで1曲演奏する】って内容だった。演奏する曲はなんでも良かった。
先生は南原清に似た女性の先生で、普段はめちゃくちゃ優しいんだけど怒ったら鬼のように怖かった。
みんな授業前に一生懸命練習して、エーデルワイスとかなんかそういうの演奏してた。もちろん僕も。
みんな順調に宿題披露していく中、1人の女の子が俯いていた。
どうやらリコーダーを忘れたらしい。
僕は演奏終わってたから余裕で、あんまりパッとしない内気な女の子がどうすんのかなーってボーッと見てた。
そしたらその女の子の番になって
「○○さんは何を演奏する?」
って先生が聞いた。リコーダー持ってない時点でナンチャンも気づいてたはずなのに、ちょっと意地悪だよね。
俯いたままの女の子は
「・・・・ます」
と呟いた
「ん?なんて言ったの?」
先生が聞き返すと
「踊ります・・・」
と言った
みんなびっくりして一瞬静かになったけど、そのあとクラス中に笑いが起きた。
先生も予想外の返答がきたから
「あーあーうん。何を?」
って本来のリコーダーの演奏って主旨から外れているはずのダンスを認めてしまった。
「・・・んぷです」
「ん?」
「EE JUMPです」
クラス中が爆笑につつまれた
年代バレそうだね笑
先生はかなりびっくりしていたけど、その女の子は自分で歌って踊った
正直、上手ではなかったけど、もちろん宿題はクリア扱いになって、クラスもめっちゃ盛り上がった。
一時期その女の子がヒーローになったのは言うまでもない笑
今も元気なのかな
出来ればあの時の心境を聞いてみたい笑
つづく