老犬との暮らし/シッポの無い柴犬
我が家の柴犬
ちび丸 御年17歳の男の子
17年前、警察署に迷い犬🐶として保護された
シッポが無い柴犬の子ども
生後半年くらい
シッポが無いため、業者が商品価値がないと河原に捨てたのだと思う
当時、警察署では3日くらいしか預かれなかった
その間に飼い主が見つからないと保健所送りになる
殺処分の対象になるのだ
警察署裏のゴミ箱の上に乗って無邪気にピョンピョン跳ねていた
かわいい
まだ、生まれて数か月
殺処分されるかもしれないと思うと会計課に話をし、飼い主が見つかるまで預かると申し出た
自転車の前カゴに乗せ家に帰ると、妻はおかんむり
子供たちは喜び、すぐ、名前を考え始めた
結局3か月過ぎても飼い主は現れず我が家の家族になったのである
当時、娘は大学に通い始めていた
バイクで通っていた
夕方、娘が帰って来る時間になると玄関先で出迎える
帰って来る数分前に
バイクの音はまだしないのに、耳がいいのか、わかるみたい
娘は膝に入れて、たいそう可愛がった
若い女の子が好きだ
散歩の途中、近くの病院の数人の看護師さんに会う
すると、数十メートル手前から伏せをして待つのだ
看護師さんから、「かわいい」と言われるとまんざらでもない顔をしている
助平な犬だ
柴犬というのは、自己主張が強い犬だ
新品の犬小屋を用意したが、一度も中に入らなかった
気にいらないのだ
歯が生えかわる頃、歯が痒いのか、やたら噛みたがった
仕方ないので、軍手をはめて噛ませた
甘噛みして来る
ボール遊びが好きだ
公園で子供たちがサッカーをしていると、飛び入りで参加してボールを取ってしまう
犬との生活は楽しかった
散歩に行くと、見知らぬ人から「あら、シッポがないのね」とよく言われる
柴犬だから、クルッと巻いたシッポが当たり前と世間では思われているのだろう
人間の固定観念
男は男であるべき、女は女であるべきと同じ
シッポが無くても、柴犬は柴犬だ
あまり吠えない犬だ
ところが、遠吠えはする
家の前を救急車が通ると、決まって遠吠えをした
今はすっかり年老いてしまった
目もあまり見えない、音も聞こえないようだ
1日のほとんどを寝ている
散歩も行けず、家の庭をふらつきながら歩くのがやっと
体重もかなり減った
獣医さん曰く、枯れ木が枯れるように、段々衰えていくと、
今年いっぱい生きられるか
命を全うしてほしい
追伸
7月20日
17歳8か月で永眠致しました
#ペッとの暮らし