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スポーツ自転車からブロンプトンに乗り換えた理由

そこそこ走れて、ちいさく畳めるママチャリがほしい。

これがブロンプトンに乗り換えた理由です。

以前の記事にも書いたとおり、スピード感あふれるスポーツ的な走りや、汗臭いツーリングが楽しめません。トレーニングはしたくない、野宿は怖い。それらを乗り越えるほどのモチベーションはありません。

いっぽうで、自転車にまたがり日々の買い物をする、そんな暮らしのなかのサイクリングは性に合っているようです。以前から乗っていたピストバイクに前カゴを付けて、街乗り仕様にカスタムをしていました。

自転車はがんばらなくていい、と勇気を出して認めてから、自転車に求めることも変化しました。

オフロードを走るために2.1インチ幅のブロックタイヤを履けるフレームを。
空気抵抗を減らすためにドロップハンドルの自転車を。

以前はこんなことを考えていました。

ですが今は違います。

ママチャリのように食料や日用品を買い込める積載力を。ママチャリよりスピードを。折りたたんで輪行を。

これがいまの僕が求める自転車像です。

平たく言うと、走って畳めるママチャリです。

田舎在住ですので、よく通う大きなスーパーまでは自転車で1時間弱かかります。たとえロードバイクであったとしても、日常的にこの道のりを走るのはめんどうです。つまり暮らしに必要なものをまとめて買い込むことができる積載力が必要です。

またこの距離を鈍重な自転車で走りたくありません。ロードバイクほどの走行性能は必要ありませんが、ママチャリでは物足りない。

ここまでなら、ランドナーのようなツーリング系自転車が向いているように思います。ママチャリより遥かに走り、前後左右に4つのパニアバッグを取り付ければママチャリ以上の積載力になるでしょう。

ブロンプトンではじめての輪行

ただ、輪行は難しい。

マウンテンバイクやピストバイクで輪行をしたことがあります。分解して輪行袋に収納し、分解したとてなお巨大な自転車を持って車内で過ごすなんてことは、面倒くさがりで小心者の僕には難しい。

もっとも厳しかったのは、トイレ事情です。

昔から、トイレに行けない状況になるとお腹が痛くなる、という体質です。授業が始まった途端にトイレに駆け込みます。あまりに辛いので、「先生、トイレ行ってきてもいいですか?」と言いやすいキャラになりきった時代もあります。

電車に乗るというだけでも黄信号なのに、置き場に困る自転車を持っていたらそれはもう赤信号。お腹から甲高いサイレンが鳴り響きます。実際、過去に5回ほど輪行をしましたが、すべて緊急事態に陥りました。

そんなリスクを犯してまで自転車に乗りたくありません。

とはいえ、輪行を諦めたくないのも事実。
トレーニングをしないため、自走で行ける範囲は限られています。すると同じ場所ばかり走ることになり、だんだんつまらなくなってきます。だから輪行を活用して、楽に少しばかりの遠出をしたい。

僕にはかんたんに小さく折り畳める自転車が必要なのです。
面倒くさがりでも準備がかんたんで、車内でこころの負担になりにくい小ささを持った自転車が。

そこでブロンプトンでした。

ほかの折りたたみ自転車も考えました。ダホンやキャリーミー、STRIDAなど。
しかしダホンはちょうどリコールがあったばかりで、日常的に乗るには事故が怖い。キャリーミーやSTRIDAは走行性能と積載能力が物足りません。

日々の買い物に使うための走行性能と積載能力と耐久性、そして唯一無二の折りたたみ機構を持ったブロンプトンしかないと思いました。

日々の買い物用にランドナー、輪行用に折りたたみ自転車という贅沢な2台体制はありえませんでした。自転車の使い分けができる性格ではないからです。

自転車好きな人であれば、今日はどちらで出かけようかな、とわくわくできるのかもしれません。ですが、僕はそうやって悩むことが大嫌いです。なにも考えずにパッと飛び出してしまいたい。

服は好きですが、服に気分を左右されるのが嫌です。毎日同じ服を着て過ごしています。こんな人間ですから、自転車を使い分けるなんて、とてもとても。

また、最近折りたたみ自転車に乗ってないから動かさなきゃ、と心理的負担になることも目に見えています。気分で1軍と2軍が生まれ、最近かまっていない2軍に後ろめたさを感じてしまいます。1軍贔屓をしないためにも、自転車は1台に絞りたいのです。

ブロンプトン1台にすることで、諦めざるを得ないことも出てきます。

以前は、未舗装路のサイクリングが主でした。ブロンプトンでフラットダートを走れるとは言え、走りの限界は低いです。
また、舗装路40kmほどのコースをたまに走っていました。ブロンプトンだと40kmでも疲労が大きくなるでしょう。億劫になり、もっと短い距離でしか乗らなくなるかもしれません。

思い切って、これらをズバッと諦めてみることにしました。

そもそも自転車好きではないので、本音では技術の向上にも興味がありません。走行テクニックなんてどうでもよく、そもそもライダーの限界が低いのです。
40kmを走っていたのだって、ある程度まとまった距離を走らなければいけない気がして走っていただけです。ただの義務感です。

しかし未舗装路を攻めたり、まとまった距離を走れたりといった選択肢は手放し難いことでした。もしかしたら山道をかっ飛ばしたくなるかもしれない、なんてつい思ってしまいます。

この気持ちは、部屋の片付けに似ています。

来年使うかもしれないからこのズボンは念のため置いておこう。高かったからなんとか活用しよう。もったいなくて捨てられない。

けど、こんな気持ちでモノを蓄えても良いことはないと知っています。そしてこんなときは、未来の自分ではなく、過去の自分に聞いたほうが良いアドバイスをもらえます。

今回も同じことだと思いました。

来年は未舗装路を攻めたくなるかも。100km走りたくなるかも。過去5年でならなかったから大丈夫。なったら、そのときまた自転車を買えばいい。手放すことをおそれないで。

そう考えながら、ブロンプトンを購入しました。

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