東大院試を外部受験で合格した私が解説する大学院外部受験のメリット・デメリットと合格するための戦略 - おすすめの大学・研究科も紹介
1. はじめに
この記事では、東京大学以外の大学の学部から東京大学大学院工学系研究科技術経営戦略学専攻(通称東大TMI)の院試を外部受験して合格した私が、東大院試を外部受験で合格した私が解説する大学院外部受験の概要と合格するための戦略について書きます。
特に、以下のような方々の役に立てればと思い書いております。
・大学院では外部受験をしたいと考えている
・大学院から専門を変えたい
・理系の勉強は好きだったけど、理系の研究職や技術職にはあまり魅力を感じない
・大学院進学後に就職活動を有利に進めたい
・就職に失敗したので大学院に行こうか迷っている
・いわゆる学歴ロンダをしようか考えている
2. プロフィール
読者の方が私の体験談を読んで役に立つかを判断してもらえるように、まず私自身の簡単なプロフィールについて紹介します。
本年度の実績
TOEFL ibt 95 点
東京大学 技術経営戦略学専攻 合格
某近畿圏国立医学部編入試験 最終合格
医学部については、具体的な学校名を伏せています。
経歴
偏差値67の中高一貫校 → 京都大学 理学部です。
3. 大学院外部受験の概要
まず、大学院外部受験とは一般に、自分の所属する大学・学部とは異なる大学院を受けることから研究室を変えることまでを指します。
この記事では、主に自分の所属する大学・学部とは異なる大学院を受ける場合について書きます。
イメージしやすいように、今回の記事に関連するよくある具体的なケースをいくつか紹介します。
ケース1: 地方国公立大学 → 東京大学大学院
ケース2: 京都大学工学部電気電子工学科 → 京都大学大学院情報学研究科
ケース3: 京都大学法学部 → 京都大学公共政策大学院
ケース1, 2はイメージしやすいですが、公共政策大学院、MBA(経営修士)、MOT(技術経営)などの専門職大学院を受ける場合も直属の学部がないため外部受験の一種と言えます。
4. 大学院外部受験のメリット・デメリット
ここではメリット・デメリットについて詳しく書きます。
メリット
・就職がかなり有利になるケースがある
これはかなり大きなメリットです。いまだに日本は学歴が重要で東大・京大生の肩書は書類審査において有利に働きます。例えば、地方大学から東大院に進めば難関企業の就職活動の際の書類選考を容易に突破できるようになります。
また、文系就職(例: 外銀、戦コンなど)を考えている東大・京大の理系学生も東大のtmiや京大MBAなどを外部受験することは一考の余地があります。理系の大学院はコアタイムが設定されていたり研究にフルコミットすることを要求される研究室が多く、面接やインターンで時間がとられる文系就職はほぼ不可能です。いまだに、大学教授は理系院生が研究職・技術職以外に行くのはけしからんと思っていたり、就活の早期化を知らずに就活はM2から始めればよいと思っていたりしてまるで話が通じないことが多いです。
生涯年収の観点を考えると、上で挙げた2ケースのいずれにおいても投資する価値があると言えます。
まず、日本では難関企業ほど給与水準が高く、新卒で入った企業で勤め続ける場合はもちろん、転職の際にも前職の給与が参照され給与が決定されます。このことから新卒の就活の結果は人生における最重要事項と言え、そのプロセスを有利進められるようになるために大学院からでも東大・京大の大学院にすすむことは理にかなっていると言えます。
また、東大・京大の理系の学生についても、今いる専攻が一般的に言う稼げない分野(例: 生物学、物理学など)の場合に、生涯年収などを少しでも考えるならば大学院から稼げる専攻に変えた方がいいと言えます。
その理由としては、日本はほとんどの分野で理系の研究職・技術職の給与水準が低いことがあります。また、理系の大学院にそのまま進んで年収の高い業界(例: コンサル)に文系就職することを考える場合、上で書いたような理系の研究室の風習の都合上、希望通りの場所に行くのはほぼ不可能であることもあります。したがって、大学院で社会人になるまで2年間投資する価値があるかは慎重に考えるべきです。
この記事の後半(有料部分)では、主にこのような趣旨で大学院外部受験をされる方に向けて戦略やおすすめの大学院・研究科について書きます。
・本当に興味のあることを大学院で研究できる
日本の大学の大学の多くは、入試時点では高校範囲の試験だけで合否を決定するにもかかわらず、入学時点で学部・学科を決めさせます。これにより、自分の入った学部の勉強や研究に全く興味を持てないという学生が一定数存在します。そのような学生におすすめなのが、大学院から専攻を変えるという選択肢です。
その理由として、大学院入試は学部入試と異なり、研究科であつかう分野に興味を持っている人なら容易に解けるようなベーシックな問題しか出題されない場合が多く、試験対策が用意であるということがあります。特に、京大院の物理・数学のような内部生優遇が全くない研究科においては、点数さえ取れれば合格が確実に可能で不確定要素もないです。
また、他の専門を変える選択肢としては、転学部、再受験、編入がありますが、単位の関係でこれらはいずれも大学卒業までに1年以上余分にかかる場合が多いため、大学院が合格できそうな場合などにはおすすめしません。
デメリット
・合格に不利になる場合がある
外部受験生の合格が難しい大学・研究科も存在しており、これらの大学・研究科をどうしても受験したい場合には不利に扱われることを覚悟する必要があります。内部進学者を露骨に優遇している疑惑がある大学・研究科としては大〇大学や東京〇業大学の工学系が挙げられます。外部生が不利そうかどうかは、大学が公表している内部生と外部受験生の合格率などのデータを見るのが良いと思います。
たとえば、東大の工学系研究科は専攻ごとに、内部生と外部生を分けた志願者数・合格者数を公表しています。
・入学後の研究がスムーズに進まない場合がある
これは、大学と大学院で研究室を変えることによるデメリットです。研究室を変えると分野が同じでも、研究対象や使う装置などが異なるという事情により研究がスムーズに進まない場合が多いです。
また、内部進学の場合は、卒業前から入学までを研究の準備に充てることもできますが、外部入学の場合はできないため修論までの準備期間が短くなります。
5. 大学院外部受験でおすすめの大学・研究科 5選
ここでは大学院外部受験でおすすめの大学・研究科をいくつか紹介します。また、次の部分で主にこれらの大学・研究科を受ける方に向けた戦略を書きます。
ここで紹介する大学・研究科の基準は主に就職の良さと受けやすさをで選んでいます。また、ここで紹介する大学同士は併願がしやすくなっています。
東京大学工学系研究科技術経営戦略学専攻
いきなり私が合格した所で恐縮ですが、この専攻が外部受験で最もおすすめです。その理由として
・専門が情報と経済・経営をメインとしており、その関係上就職を有利に進めやすい
・授業で会計や経営などについても学べて、学んだ知識が就職活動から就職後まで役に立つ
・実際に就職実績も東大院の中でも頭一つ抜けて良い
・就職活動がしやすいスケジュールになっている
・扱う研究対象が広いので研究に興味が全く持てないリスクが小さい
・試験科目がTOEFLと大学教養レベルの数学(微分・積分、微分方程式、線形代数、確率統計)と小論文だけで外部受験生にやさしい
・内部生と外部生の区別・差別がない
というものがあります。これらの理由を考えると就職目的などで外部受験を考える人にとって受けない理由がない神専攻と言えます。
考慮しておくべきこととしては、同じ工学系研究科内での複数の専攻の併願が不可能であるということと倍率がかなり高いことがあります。このデメリットについても、戦略の部分で解決策を提示します。
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?