ウクレレの弦って色々あるんだなぁ。初心者が知っておくべき弦の基礎知識
「相田みつを」の様な言い回しのタイトルで始まりましたが、ウクレレの弦って色々な種類があるので、お持ちのウクレレにどんな音色が合うのか、弦交換の度に試してみると面白いかもしれません。
ちなみに現在販売されているウクレレの弦は、大きく分類すると以下の３種類に分ける事ができます。
・ナイロン弦
・フロロカーボン弦
・ナイルガット弦
これらの弦について、特徴や合うウクレレの材質、注意事項等をご紹介していきますね。
■ナイロン弦
初心者向けの押さえやすい弦で、少し優しい柔らかい音色が特徴です。クリアタイプとブラックタイプの２種類が存在し、通常はクリアタイプですが低音が少し欲しい時はブラックタイプを選択するのが良いでしょう。
写真はFamusのアランフェス弦（ナイロン弦）です。Black String Setと記載がある通り、ブラックタイプの弦なのでクリアタイプよりも少し低音が出ます。少し弦が太めなので、ウクレレによってはナットに弦が入らない場合があり注意が必要です。
■フロロカーボン弦
ナイロン弦よりも硬く伸びにくいの特徴で、プロの人からも愛用される弦です。硬いという事はナイロン弦よりも押さえる時に力が必要になりますので、中級者以上が対象ではないでしょうか。こちらはクリアタイプ、ブラックタイプ、ブラウンタイプと３種類ほどが市場に出回っています。
写真はKIWAYAのフロロカーボン弦です。ナイロン弦に比べてウクレレにかかるテンションが強い為、材質によってはネックが歪んだりする可能性があります。初心者向けの安価なウクレレにこの弦を使う時は注意が必要ですよ。でもフロロカーボンという響きが何だかカッコいい(^^)
こちらの写真はORCASのフロロカーボン弦（ブラックタイプ）です。商品としてはLight、Medium、Hardの種類があり、音質や弾きやすさを選ぶ事ができます。口コミの評判も良いみたいですよ。
■ナイルガット弦
羊の腸から作られたガット弦の様な響きを人工的に作ったのが、このナイルガット弦です。ガット弦の様な響きでありながら、伸びにくく温度変化にも強いという特徴があり、良い音質を安定的に出せるというのが魅力。
写真はAquilaのナイルガット弦。通常のナイルガットではなく、スーパーナイルガット（SUPER NYLGUT）という更に上を目指したモノとなっています。でも、Aquilaの製品は弦のゲージ（太さ）が表記されていないので、買ったウクレレにこの弦が張られている場合は、他の弦に交換する際に注意が必要です。ちなみに今、私が使っているAria AU-2というウクレレには最初この弦が張られていました。
ウクレレの材質と弦の種類について
ウクレレに使われる木の材質によって、どの弦を使った方が良いというのも存在します。特にフロロカーボンの様なテンションが高い弦を使用する時は注意が必要ですよ。以下に材質別オススメ弦をご紹介します。
・スプルース材 → フロロカーボン弦がオススメ
ひのきの一種であるスプルース材は、湿気に強くキラキラとした綺羅びやかで硬い音質が特徴です。
・マホガニー材 → ナイルガット弦がオススメ
センダン科マホガニー属の木であるマホガニーは、柔らかい材質なので甘く暖かみがあり一般受けする音質です。音のヌケも良く初心者向けのウクレレによく使われる材料です。
・ローズウッド材 → フロロカーボン弦がオススメ
非常に硬い材質でギターのネックによく使われます。音の伸びが良く、きらびやかな音質です。
・コア材 → ナイロン弦がオススメ
ハワイの木材で非常に歯切れの良い硬い音質が特徴。特にハワイアンコアと呼ばれる材料は通常のコア材よりも音質が良く値段も高価になります。
・マンゴー材 → ナイロン弦がオススメ
非常にデリケートな木材で、湿気に弱く湿度管理に気をつけないと割れてしまう可能性を秘めています。音質は歯切れが良く甘い感じです。
・カウリパイン材（アガチス） → フロロカーボン弦がオススメ
コア材やスプルース材は資源として年々減ってきている傾向にあり、それに代替する材料として近年カウリパインが注目されています。こちらは優しく柔らかく甘い音質が特徴。木目はストレートでシンプルな印象ですので、クセの無い外観のウクレレとなります。
弦を交換する際の注意点
弦を交換する前に必ず確認して頂きたいのは、現在お使いのウクレレに張ってある弦のゲージ（弦の太さ）です。次に買う弦が現在張ってある弦よりも太すぎたりすると問題が発生してしまいます。
以下の写真はナット（白い棒の様なところ）の部分を写したものですが、ナットには溝が彫ってあり弦がそこへハマる構造になっています。太い弦だとナットに彫られた溝に弦が入らず困った事になるという訳です。
もし、どうしても使いたい弦がお持ちのウクレレに合わない場合は、楽器屋さんでナットやブリッジの加工をして弦が張れる様にもしてくれます。ですので、くれぐれもナットの溝等を自分で加工しようと思わないで下さいね。0.01mm単位の繊細な作業なので素人には厳しい作業です。餅は餅屋に任せましょう。
以上、弦の種類や相性の良い材質、そして注意点等をご紹介させて頂きました。ウクレレの弦はだいたい千円前後くらいで購入できるので、色々な弦を試し自分好みの音色を探す旅に出てみては・・・如何でしょうか？