十分に発達したマーケティングは、魔法と見分けがつかない
数日後、取引先との会食を控えているあなた。
お店選びには、絶対に失敗できません。
さて、どのようにしてお店を決めるでしょうか。
これまでに訪れた素敵なお店から選ぶ、百戦錬磨の会食マスターに相談する、グルメサイトの会食特集に目を通す、もしくはインスタグラムで検索する……。おそらく、いずれかのアクションを取るはずです。
人々は商品やサービスを購入する際、ほぼすべてのシーンで「中途半端な相見積もり」を取ります。あらゆる選択肢を比較検討して、ベストな「それ」を選ぶことはしなくても、AとBあるいはBとCを比較して、購入の意思決定を下すのです。
つまり、この「中途半端な相見積もり」を制すれば、自社の商品あるいはサービスを選んでもらえるということになります。僕はこの戦略が、SNS時代のマーケティングの勝ち筋であると信じて疑っていません。
生活者は「中途半端な相見積もり」を取る
以前から、人々は「中途半端な相見積もり」を取っていました。
店頭で高価な商品Aと安価な商品Bを比較したり、井戸端会議的に「アレよかった?」と聞いたりした経験が、みなさんにもあるはずです。
ネットの時代になったことで、「中途半端な相見積もり」の精度は非常に高くなりました。わざわざ店頭に足を運ばずとも、デスクトップリサーチで比較検討が可能になったからです。
スマホがあれば、アプリを開いた瞬間に相見積もりを取ることができます。Amazonのアプリを開けば、商品名を打ち込むだけで、複数の選択肢が自動でレコメンドされますよね。
店頭に足を運んでいるのに、わざわざAmazonや価格.comにアクセスすることだってあります。ECサイトで購入するほうが安かったり、持ち帰るのが面倒だったりするからです。
商品やサービスを実際に購入した生活者の口コミが見られるというのも、「中途半端な相見積もり」の精度を高めたひとつの要因です。「本当に買うべきなのか」「私は広告に騙されていないか」を、仕入れのプロでなくとも判断できるようになりました。
でも、どうして人々は、「完璧な相見積もり」ではなく、「中途半端な相見積もり」を続けるのでしょうか。
できるだけ安く、できるだけ信頼性の高い脱毛サロンに通いたいと思いながらも、東京都内の脱毛サロン全店をエクセルで管理して、比較検討する人はいません。
徹底的に調べさえすれば、落ち度のない購買体験を得られるのにもかかわらず、私たちは徹底的に調べることをしないのです。
理由は簡単で、ネットの時代になったことで相見積もりの精度は上がっても、人々の可処分時間は増えていないからです。
すべての情報を集約して比較検討することは現実的に難しく、結局は経験に頼るか、誰かに相談するか、ネットでリサーチすることになります。
だから、どこまでいっても「人々は中途半端な相見積もりを取る」という事実は変わらないのです。
ブランディングとは「知ってもらうこと」
これまでの話を踏まえると、「中途半端な相見積もり」を制すことが、重要なマーケティング戦略になることが理解いただけたと思います。信頼できる誰かにおすすめされる商品であり、ランキングサイトや口コミサイトで上位に食い込んでいれば、選んでもらえるのです。
じゃあ、どうやってその状態をつくればいいのか。
答えのひとつが、SNSを活用したマーケティングです。
そもそもSNSは、生活者が目的もなく時間を投下する、唯一無二の存在だといえます。
きっとあなたも、「時間が足りない」と可処分時間の少なさに悩むビジネスパーソンでありながら、朝起きた瞬間に、通勤・退勤時間に、夜眠る前に、必ずといっていいほど無目的で見ていますよね。
この「無目的」というのが、非常に重要なポイント。生活者が商品やサービスを「買おう」と思う以前に接点を持てるということは、比較検討される前段階から選択肢に入り込めるということだからです。
箕輪さんが言うように、SNSマーケティングは「購入を考える以前の接点」をつくるために有用な施策なのです。
本日公開され、𝕏 で話題になっていたコンテンツでも、同じような解説がされていました。まったくもって賛同です。
また、比較検討されるにせよ、多くの人は信頼できる誰かに相談をしたうえで購入の意思決定を下します。だから、SNSを活用したインフルエンサーマーケティングには根強い需要があるのです。
さらにいうと、SNSはテキストだけでなく、画像や動画を添付してプロモーションを行うことができます。生活者(未来の顧客)とのタッチポイントを定常的につくれるのはもちろんのこと、感情的訴求も機能的訴求もできる優れものです。
また、リプライ欄に寄せられる反応は、口コミにもなっています。人々が相見積もり取るときの材料がすべて搭載されているといっても過言ではありません。
くわえて、バズらせることもできる。テレビCMを打つのには数千万〜数億円単位のお金がかかっても、SNSなら数百万、場合によっては数万円のコストで大きな話題をつくることも可能です。
SNSマーケティングが持つ破壊力はとうに証明されているので、あえて詳しく説明する必要はないと思いつつ、革命といってもおかしくないレベルです。
バズれば売れる、は幻想である
残念なのは、SNSが強力なソリューションでありすぎるがゆえに、期待が強すぎて勘違いを起こしてしまう事業者が多いということ。「すぐに成果が出る」「バズりさえすれば売れる」と勘違いして、運用だけを代理店に切り出し、「なんだ成果が出ないじゃん」と諦めてしまうケースを山ほど見てきました。
本当に重要なのは、SNSを使うことではなく、「人々がSNSを起点に商品やサービスを購入する」という前提でマーケティング・プロセスを設計し、SNSを運用することです。
SNSが効果的なマーケティング・アクションであることは、空が青いのと同じくらい当たり前のこと。その前提を理解し、マーケティング・プロセスを統合的にデザインしなければ、意味がありません。
SNSマーケティングに対する勘違いが絶えない理由は、事業者が正しい理解をしようとしないだけではありません。代理店が原因になっていることも、往々にしてあります。
SNSをバズらせることと、売上利益を生み出すことは、似ているようで違います。話題になって売れることはあるかもしれませんが、話題になったからといって売れるとは限りません。
それなのに、「SNSをバズらせて利益を上げましょう!」と安易に提案しては、クライアントを裏切る代理店が絶えないのです。
かくいう僕も、数年前はそうした提案をしてしまっていた時期がありました。SNSの価値を過信(誤認)していたのです。
しかし、失敗を経験してSNSを研究し続けたことで、正しい理解を得ることができました。購入までの動線をいかに巧みに描くかが、SNSマーケティングにおいて最も重要なことなのです。
とはいえ、残念ながら、SNSでバズらせる能力と、商品やサービスを生活者に届けるマーケティングの能力を併せ持つマーケターは稀有です。
SNSがバズれば儲かるなら、世のインフルエンサーは全員が億万長者になっているはず。コンサルに入って、クライアントを儲けさせて、最強のマーケターになっていないと説明がつきません。
そこで、いよいよ僕の出番です。
当たり前をやり抜く、という魔法
森泰輝は本日、事業創造スタジオ「MAGI-C」をリリースします。
バズらせるテクニックを始め、SNSマーケティングに深い理解を持つメンバーと、王道にして最強のマーケティングプロセスに精通したメンバーからなる組織を立ち上げ、SNS時代におけるマーケティングの最適解を提供します。
MAGI-Cの価値は、SNSについて深い理解があり、そのうえでマーケティングの全体像を理解しているということ。“バズらせ屋さん”ではなく、SNSにとりわけ強い統合マーケティング企業だということです。
人々が商品やサービスを購入する際、コンバージョンに貢献する接点(アトリビューション)の中心地はSNSです。生活者の可処分時間の使い道の中心地が、SNSだからです。
MAGI-Cは、アトリビューションの中心地であるSNSを自由自在に扱い、そこを起点に売上利益を創出していきます。
売上利益を創出するにあたり、最先端テクノロジーを使うわけでも、誰もが知らないマーケティングノウハウを輸入しているわけでもありません。すでにあるノウハウをつなぎ合わせ、入り口から出口までを統合的にデザインしています。つまり、特別なことはなにもしていません。
しかし、成果を見てみれば、それはまるで魔法のように見えるはずです。
20世紀を代表するSF作家のアーサー・C・クラークは、「十分に発達した科学技術は、魔法と見分けがつかない」という言葉を残しました。
歴史を超えて引き継がれる彼の言葉よろしく、十分に発達したマーケティングは、魔法と見分けがつきません。だから、僕たちの会社の名前は“MAGI-C”です。
サービスをリリースするまで、効果検証的にいくつかの案件を手掛け、実績をつくってきました。代表的な例が、漢方サロン「りんどう」を経営する、妊活の専門家「よし子先生」のプロデュースです。
顧客から絶大な信頼を得ているものの、コロナ禍の影響をダイレクトに受けて倒産寸前だったサロンを、SNSマーケティングを起点にリニューアル。立ち上げから2年で、10億を売り上げる事業へと成長させました。
妊活をする際、第一早期になるのは間違いなく病院です。不妊治療を提供する病院はごまんとあり、漢方サロンである「りんどう」を見つけてもらい、選んでもらうのは簡単なことではありません。
しかし、「りんどう」は選び続けられるサロンとなり、不妊に悩む夫婦を救い続けています。すでにある商品力が強かったのもありますが、倒産寸前からの復活は、当人の言葉を借りれば「魔法」とのことでした。
よし子先生および「りんどう」は、妊活というテーマにおいて圧倒的な認知を獲得しています。
もちろん、SNSだけでなし得た成果ではありません。よし子先生を著者と知り書籍を発売し、Amazonランキングでの上位獲得・多数の高評価を得るなど、生活者が取る「中途半端な相見積もり」の材料を全方位に設置したことで地位を獲得しています。
生活者とのオフラインの接点を強化すべく、出版社の設立にも動き出しています。オフライン・オンラインを問わず、「中途半端な相見積もり」を制す準備は万全です。
僕はSNSの黎明期にインフルエンサープロダクション・VAZを立ち上げ、退任後は「マネタイズ」に主眼を置いて事業づくりに取り組んできました。
MAGI-Cは、マーケティングの全体観を理解しつつ、SNSにマーケティングに精通した自分だからこそ立ち上げられた事業だと思っています。いわば、集大成です。
リリース以前から多数のお引き合いをいただいており、お問い合わせのすべてにお応えできていない状況でありますが、全力で全国の事業者にSNSという魔法を届けていきます。
サービスの詳細やお問い合わせは、以下のページよりお願いいたします。最後まで読んでいただいたみなさん、ありがとうございました!