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『物語』の感想

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ジャンルは問わず、触れた「物語」の感想を綴っています。 読んで作品に触れるきっかけになったのならこんなにうれしいことはありません。
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#映画レビュー

だってしょうがないじゃない

だってしょうがないじゃない

坪田義史監督作品『だってしょうがないじゃない』の上映会に漫画家の、つのだ ふむ(@tsunoda_fumm)さんが製作に関わっていた関係のご縁から上映会にお声がけいただき、参加してきました。

映画のあらすじは、映画のサイトに監督の手書きのような温度感のある文章で綴られていたので、そのサイトをスクショしたものを貼ってみた。

※映画のサイトに更に詳しく載っているので、ぜひ見てみてもらいたい。
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心の拠り所

心の拠り所

好きそうなのに、観てないの?
と会った人に立て続けに言われたため、映画「ジョーカー」を観てきた。

この映画はアメリカンコミックのバッドマンの悪役ジョーカーがどのようにして誕生したのかを描いた映画で、主演ホアキン・フェニックスのアーサーという市民が、ジョーカーに変わっていく狂気の演技が話題となっていた。

観てみての感想は、もちろんホアキン・フェニックスの演技がすごいということは間違いなかった。

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己のためと、誰かのため

己のためと、誰かのため

僕はワンピースという漫画を47巻で買うのをやめた。
しかし今ワンピースは最新まで揃っている。

ワンピース展という展覧会が昔六本木で開催された。
ワンピース好きな友人が僕に声をかけてきたが、僕が47巻までしか読んでいないというと、展覧会は61巻までの内容だから行くまでに読めと、本をくれた。

それから毎年誕生日に一年間に出たワンピースをプレゼントしてくれるため、買ってもいないのに揃っている現象が起

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この世界の片隅に

この世界の片隅に

先日『この世界の片隅に』という映画が地上波のテレビで放映されていた。
このときは観なかったが、以前この映画は観たことがあった。

以前観たのは終戦記念日の日に観たので、観てからおよそ1年が経っていて、けれども覚えていることがあるか振り返ってみると一つ強く印象に残ったシーンがあった。

あらすじは、昭和19年(1944年)に広島市江波から呉に18歳で嫁いだ主人公すずが、戦時下の困難の中にあっても工夫

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公共とは?

公共とは?

先日、『ニューヨーク公共図書館』という映画を観てきました。

https://www.iwanami-hall.com/

こちらの図書館の運営資金は、民間の寄付と市の予算で成り立っていて、来年入ってくる資金が今年の運営次第で、どうなっているかわからない状態なので、市と市民のニーズを、社会情勢を読み取って図書館としてどう在るべきかを、常に考え続ける必要性があるが故に、ほんとうに今必要なことを議論や

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ニュー シネマ パラダイス

ニュー シネマ パラダイス

22歳くらいのときに初めて観た「ニューシネマパラダイス」という映画を観なおした。

中年を迎えた映画監督が、映画に魅せられた少年時代の出来事と青年時代の恋愛を回想する物語。感傷と郷愁、映画への愛情が描かれた作品である。

僕が一番驚いたのは田舎の村で村唯一の娯楽だとは言え、赤子を連れたお母さん、はしゃぐ子ども、眠る人、二階席から必ずツバを吐く人、作品のセリフを先に言ってしまう人、などがおり、かつ皆

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未来と今とターミネーター

未来と今とターミネーター

それはあなたが何度試しても変わらないよ。
だって一番の原因は、あなたなのだから。

「ターミネーター」という作品はご存知だと思う。
アーノルド・シュワルツェネッガーの出世作にして、続編である二作目が最高傑作と言われるめずらしいタイプの映画で、自我をもった人工知能スカイネットが、核を作動させ、人類との戦争に挑む。
その人類のリーダー、ジョン・コナーとその母の抹殺に送り込まれるターミネーターとそれを阻

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バック・トゥ・ザ・フューチャー

バック・トゥ・ザ・フューチャー

久しぶりに観た。

エンターテイメントのお手本のような作品で、友情、恋愛、家族、人が生きていく中で大切にしている要素が各所に散りばめられていて、多くの人が、様々な立場の人が、登場人物に共感するし、そもそも若かりし頃は経験も少なく、ああしておけばよかったと悔やむことも多い。
それを変えられるかもよ?
という設定が人々の共感を生まないわけがない。

久しぶりに観て一番感想が変わったのは、過去を変えたこ

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翔んで埼玉

翔んで埼玉

「翔んで埼玉」という映画を観てきました。

まだ公開して数日なので、詳しい内容は書きませんが、感想としては、想像力の力、偉大さを感じました。
今ある社会って実はこうやってできたんじゃない?
で、なんかヒエラルキーやひずみがあるのは、きっとこういう理由で〜、というたった一人の妄想だとも言える物語で、楽しく生きる方法は、現在をどう見るか、だと教えてくれているようにも思います。

そして作中では、人が持

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インターネットがなかった時代の感情

インターネットがなかった時代の感情

「最近の若い者は‥‥‥。」

いわゆるジェネレーションギャップといわれるもので、言われたこともあるし、思ったこともあるとおもう。

古代エジプトの象形文字にもそう彫られていたらしく、人って変わらないなぁ〜というエピソードの1つなのだけど、このジェネレーションギャップがうまれるのは、そのときの社会や社会を保つための決まりや道具が絶えず変わり続けていて、15年も経つと考え方や道具そのものが変わって、そ

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レ・ミゼラブル

レ・ミゼラブル

レ・ミゼラブル

今回から最初にまとめを。
その後、詳しい感想を、にした。

まとめのところを読むだけで、何倍も作品を楽しめるように書いた。

【感想・まとめ】

時間のない方はこちらだけで大丈夫。

レミゼは、原作が時の洗練を受けているだけに、普遍的なテーマがあると思って観ていた。

そのテーマは、『愛とは何か?』

であり、レミゼの答えは、人を許し、寛容で、人の為に生きることが愛であるが、それ

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みんなの学校

みんなの学校

11/4 日本橋映画祭 サイボウズbar

この映画は映画館ではなく、希望者に貸し出しという形でのみ上映、観賞が出来るという映画で、大阪の公立 大空小学校の「すべてのこどもに居場所がある学校をつくりたい」という木村校長を始めとした教職員の方々とそこに通う子ども達、親御さん、地域の方達の関わりと学校、地域、社会の変化を追った作品になっている。

*より詳しいこの映画のサイトの紹介文が短くまとまって

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アバウト・タイム

アバウト・タイム

6/12 Amazon prime

まず大切な前提を書く。
この物語はタイムトラベルものである。

ネタばらしをいきなりするな、と憤ったかもしれないが、タイムトラベルができるという情報はオチでも核心でもない、ただの事実だと観た方はおそらく分かるはず。

タイムトラベルができるとしたら、あなたは人生のどの瞬間に、どのようにその能力を使い、どのようにしたいですか?
というのがこの物語の核にはある。

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くちづけ

くちづけ

5/6 Netfliex
きっかけ 友人のオススメ

物語の感想を書いていてこんなことを書くのは変だが、おもしろい時は「とにかく観てくれ、話しはそれからだ。」と薦めるのが効果的な1つの方法だと思っているがこの映画はそのタイプの映画である。

そしてそう薦めるもう1つの理由は、この映画が、人対人、家族、施設、街、社会、というすべてのコミュニティ単位に課題を投げかけ、あなたはどうですか?と最後に個

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