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When Does HARKing Hurt? Identifying When Different Types of Undisclosed Post Hoc Hypothesizing Harm Scientific Progress (Rubin, 2017)の紹介

HARKing(hypothesizing after the results are known)が科学の進歩を害するのはどんな場合かに関する、Rubin, 2017 Review of General Psychology, 21, 308-320の紹介です。

要約
HARKingとは、研究者が自分たちの研究結果をチェックして、その後に、その結果に基づいて仮説たちを付け加えたり、取り除いたりしたにも関わらず、この過程を研究報告において知らせ(acknowledge)ない際におきる(Kerr, 1998)。この論文では、3つのタイプのHARKingについて論じる:(1)その研究で得られた結果(current results)を用いて事後的な(post hoc)仮説たちを生成(construct)し、それらの仮説たちをあたかも事前の(a priori)仮説たちであるかのように報告すること、(2)仮説たちを事後的な(a post hoc)文献検索で探し出して、事前の(a priori)仮説たちであるかのように報告する、(3)その研究で得られた結果(current results)で支持されなかった事前の(a priori)仮説を研究報告しないこと。 これらの3つのタイプのHARKingは科学にとって有害であり、再現性の危機の可能性のある原因であるとしばしば特徴づけられている。この論文では、科学哲学からの洞察によってより解像度の高い(nuanced)観点を示す。特に、3タイプそれぞれがどんな条件下で科学にとってもっとも有害だったり、もっとも有害でなかったりするかを特定する。また、それぞれのタイプのHARKingに関する倫理についても述べる。

HRRKingが反証可能性を排除してしまうことのたとえ話:
狙撃手が壁の標的に向かって銃を撃ったけど外れてしまいました。その狙撃手は壁に向かって歩いてもともとの(initial)標的を消して、次の新しい(second)標的を自分の弾痕の周りに描いて、自分があたかも腕の良い狙撃手のようにみせかけようとしました。
ここでは、狙撃手=研究者、弾痕=エビデンス(証拠)、もともの標的=排除された事前の(a priori)仮説、次の新しい標的=post hocな仮説、と対応しています。

CHARKing(pure HARKing)とは、(先行研究たちではなく)その研究によって知られた結果に基づいて(on the basis of the known results)仮説をたて、それによる帰結として、結果がそのここで展開された仮説にとって新規ではないものになってしまうことです。



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