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囚人のジレンマのおさらい
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Shafir-Tversky1992の解説の前のおさらいにどうぞ。
以下ではサヴェッジ当然原理Savage's Sure-Thing Principle (STP)を用いた解説をするので、あらかじめこのリンク(末尾に「理解度チェック」付きなので、全問正答できるようになってから再びこのページに戻ってこられたい)を読んでサヴェッジ当然原理を理解しておくこと。ここでは、囚人のジレンマにおける相互非協力というNash均衡が、サヴェッジ当然原理STPの守備範囲内であることを説明する。さらに、STPはLTPに特殊例として含まれる(つまりSTP⊂LTP)ので、
[囚人のジレンマにおける相互非協力Nash均衡 ⊂ STP ⊂ LTP]
という包含関係である。Shafir-Tversky1992でLTPが破れたので、
囚人のジレンマにおける(Shafir-Tversky 1992型の)相互協力(パレート最適)が実現するには、コルモゴロフ確率論の守備範囲外に飛び出さなくてはならない
のである。
(このページの目標:以下の2つの誤りを正しく訂正できるようにすること)
誤1:「囚人のジレンマとは、互いに協力することがどのプレーヤーにとっても(自分にとっても相手にとっても)最適なのに、プレーヤーたちが合理的だと相互非協力に陥ってしまうゲームである」
誤2:「囚人のジレンマにおいては、相手が協力してくれるなら、自分も協力したほうが(自分にとって)得であるのに、相手が非協力してくるかもしれない可能性があるので自分も非協力したほうが(自分にとって)得である」
正1:「囚人のジレンマとは、互いに協力することがどのプレーヤーにとっても(自分にとっても相手にとっても)「最適でない」が社会(=自分と相手の「組み合わせ(自分, 相手)」)にとってパレート最適である。しかしプレーヤーたちが合理的だと相互非協力に陥ってしまうゲームである」
正2:「囚人のジレンマにおいては、相手が協力してくれても、自分は非協力したほうが(自分にとって)得であるし、相手が非協力してくる場合も自分も非協力したほうが(自分にとって)得であるため、相手の出方によらず自分が非協力したほうが(自分にとって)得だとあらかじめわかってしまっている状況である」
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(↓の混合戦略に関する説明の理解度チェック問題
以下の証明で利用する式U(cooperate)=pb+(1-p)dを証明せよ、を付加しました)
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