Bullshit Jobの蔓延する理由 今までのまとめと今後の展開:ミクロ要因、マクロ要因
「Bullshit Job:クソどうでもいい仕事」、について今週1週間記事を書いてきて、反響が大きいことに自分でも少しびっくりしています。
Noteのビュー数も過去最高を更新し、コメントやメッセージなどもチラホラいただきました。(ありがとうございます!反応いただけると大変うれしいです!)
もしかしたら、皆さん同じようなことを考えてたけど、声に出せなかったというのもあるのかなーなんて考えていました。
なのでもう少しこのネタでひっぱろうかなと思っているのですが、ちょっとここまでのまとめと今後の展開についておさらいしておこうと思います。(自分のメモもかねて。。。)
まず、問題意識としてあったのが、「高学歴、高収入、といういわゆる”勝ち組”の人がなぜ、その仕事がなくなっても世の中に対して影響がないような仕事についている傾向にあり、自分の仕事に意味がないと自覚しながらもその仕事を続けているんだろう?」という問いがありました。(一週間前に書いた記事)
これは僕のオリジナルの問いではなく、人類学者のDavid Graeberさんの問いです。ちなみに彼は、「負債論」という本で有名で、貨幣の起源や、負債が社会に対して及ぼす影響について分析した学者さんで、最近の世の中の動きに大きな影響を及ぼしています。
貨幣の起源は商品である(商品貨幣説)というのが常識だったところに疑問を呈し、貨幣の起源は信用証書である(信用貨幣説)と主張し、最近のMMTの議論とかに影響を与えている、という認識です。
MMTに関して書いたこの記事も、この本を参考に書きました。
また、Occupy Wall Street運動の理論的サポートを提供したことでも知られています。
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さて、この問いに対する答えとして最初は4つの仮説を考えつきました。
①失業=悪、仕事がある=善、という認識が強すぎるために、意味のない仕事まで創り出されてしまっているんだよ
②本当は意味のない仕事なんてないのに、仕事が細分化されすぎてしまってるから、みんな仕事に意義を見出せなくなってきてしまってるんだよ
③解雇規制が強すぎるので、会社はサボってる社員ですらも解雇できず、無意味な仕事を創り出し、それを続けることが会社にとっても社員にも合理的になってしまってるんだよ
④経営におけるジェネラリスト重視の姿勢が、素人の意見がまかり通ることにつながってしまい、意味のない仕事が生み出されてしまってるんだよ(こちらはまだ考えがまとまっておらず、書けていません。しばしお待ちを!)
という4つです。
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さて、そんなこんなでいろいろ書いてるうちに、これら個別の要因がBullshit Jobの創出を加速させている一方で、もっとマクロな要因も考えなければいけないかな、と思い始めました。
なぜなら、Bullshit Jobの蔓延は、どうやら先進国共通の出来事みたいだからです。上の4つの仮説一つ一つに対する反証を考えてみました。
①別に失業=悪、という価値観がそこまで強くない国においてもBullshit Jobは蔓延っていそうです。僕が今までいった国では、アメリカとかスペインでしょうか。日本ほど、失業=悪、という雰囲気は感じませんでした。個人的な感想ですが。。。
②細分化されていない仕事にもBullshit Jobは多そうです。何もしていない中間管理職の人とか。
③解雇規制が強くない国でもBullshit Jobはたくさんありそうです。アメリカとか。
④スペシャリストがトップに立つような会社、(例えばアメリカのIT企業とか。GAFAMのうち、GとFとMはエンジニアや技術者が創業者、という認識)にもBullshit Jobはありそうです。
なので、先進国に共通して起きているなんらかの事象がBullshit Jobの蔓延の原因かもしれない、と思ったんです。
僕の仮説は、「富の過剰蓄積と分配の失敗」です。どういうことか。
歴史を振り返ると、富が蓄積しているところにBullshit Jobは生まれやすいと思うんです。例えば、中世の王宮とかでしょうか。
一般市民は餓死しているのに、王宮では酒池肉林が行われている、というような時代があったはずです。その時代、王宮には、例えば王を取り巻いて「Yes」と言う、だけが仕事の人とか、王宮のオペレーションをマネジメントするという名のもと何もしていない中間管理職的な人、とかがいたと思うんです。
これが国レベルで起こり始めてるんじゃないか、というのが仮説です。
明日以降これについて詳しく考えてみたいと思います。
明日に続く
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