人材へのパッシブ投資は主流になるか?金融資産への投資理論と人的資産への投資理論の共通点
今日、人材の重要性はますます増しているように思います。いろんな企業が優秀な人材を獲得しようと一生懸命に活動しています。
さて、ところで、採用活動は投資に似ていると思います。
この会社は伸びて利益をもたらすだろ!と思ったら投資する。
同じように、この人材は伸びて利益をもたらすだろ!と思ったら採用する。
全く同じです。
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さて、投資の世界では、パッシブ投資というのが一つの潮流になっているという認識です。
アクティブ投資は、目利き力のあるカリスマトレーダーが、伸びそうな会社をピックアップしてきて、その会社の株で資金を運用します。
一方で、パッシブ投資は、日経平均株価やS&P500のような指数に連動する運用成果を目指す投資手法です。目利き力に頼るのではなく、幅広く分散投資して、市場全体の成長に期待しよう、という戦略だという理解です。
例えば、投資の神様であるバフェットは、自分の目利き力で会社をピックアップし、資金を運用しているので、アクティブ投資の代表例でしょう。
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さて、人材という資産への投資(=採用)は今のところ完全にアクティブ投資型だと思います。
面接官が何人か出てきて、彼らのお眼鏡にかなった人材を採用する。面接官の目利き力に頼っている投資方法です。でも、これには多大なコストがかかっています。ただでさえ忙しい社員に面接のトレーニングを施し、面接の時間を確保してもらい、膨大な数の候補者を何回も面接する。
でも、ここに、パッシブ投資型の採用戦略を取り入れてみたらどうなるでしょう?とりあえず、一定のバーをクリアした人(テストとか、学歴とかになるんでしょうか?)をランダムに採用するんです。
これは、現状とても受け入れられるものではない気がします。採用する側も、採用される側も反対しそうです。採用する側は、「ランダムに採用して良い人材が採れるはずがない!」と言いそうですし、採用される側も「テストの点数とくじ引きで就職活動の結果が決まるなんてたまったもんじゃない!」となりそうです。
でも、一回どこかの会社が実験してみてくれないかなーと思ったりしています。
もし、アクティブ投資型の採用をしても、パッシブ投資型の採用をしても、一定期間経過後の全体としてのパフォーマンスに有意な差がないのであれば、コストがかからない分だけパッシブ投資型の採用の方に分がある、ということになります。(パッシブ運用型のインデックスファンドの手数料が安いのと同じですかね。)
株式投資の世界においてもアクティブ投資、パッシブ投資、どちらがいい結果を生むか議論が分かれる中で、採用に関しても「明らかにアクティブ投資が勝っている!」と言える証拠はないような気がしています。
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