P-3ファミリー
P-3は、アメリカ合衆国の航空機メーカー、ロッキード社(現・ロッキード・マーティン社)が、自社のターボプロップ式旅客機「L-188 エレクトラ」を開発したターボプロップ式の航空機。
愛称は「Orion」 国境警備隊の他、気象観測や消防機など非軍事用などにも転用され20以上の国で運用されているベストセラー機である。
海上自衛隊が運用しているP-3
日本でも哨戒機(P-3C)・電子戦データ収集機(EP-3)・画像データ収集機(OP-3C)・電子戦訓練支援機(UP-3D)・試験評価機(UP-3C)として運用・配備されている。
また哨戒機であるP-3Cの中でもアップデートII.5(初期生産型)及びアップデートIII(後期生産型)と運用されている。
意外と間違えられやすい3機種
例えばEP-3やOP-3C・UP-3DなんかはMADブームが無く似た位置にレドームがある。
この3機種は岩国基地にしか配備されていないため他基地から配属された隊員らもよく間違える。
各機の紹介の前に
P-3はP-2Jの後継機として昭和53年~平成9年までの間、98機を製造、製造期間中または製造終了後も搭載電子機器等の近代化にし現在も哨戒任務の第一線で活躍中。この製造技術を元にEP-3 5機、UP-3C×1機、UP-3D×3機の開発・製造を行い、P-3C 5機をOP-3Cに改修した。
以降簡単に紹介🛩️
P-3C
P-3Cは洋上を監視し、日本領海に近づこうとする不明潜水艦の探知、分析、機雷や爆弾を使った攻撃を行なう。 投下式ソノブイによる潜水艦の探知のほか、搭載した空対艦ミサイルや魚雷、対潜爆弾などを必要な状況ならば投射する攻撃手段も持っている。
配備されているのは第1航空隊(鹿屋基地)第2航空隊(八戸基地)第3航空隊(厚木基地)第5航空隊(那覇基地)第51航空隊(厚木基地)第203教育航空隊(下総基地)の5つの基地。
ちなみに能登半島沖不審船事案の際、実際にP-3Cが実動(実際)で爆雷による威嚇を行った。
UP-3C
UP-3CはP-3Cをベースに改修された機体で、各種装備の評価・試験を行うための航空機。対潜装備を撤去して試験評価用の装備を搭載している。この機体は日本に1機しかないが、厚木基地周辺では時々目にすることができる。
EP-3
UP-2Jの後継機として配備されている電子戦データ収集機。電子戦データ収集装置を搭載し、長時間の滞空が可能。現在5機が運用されており、第81航空隊第811飛行隊(岩国基地)に配備されている。
そのためこの機体は岩国でしか見ることが出来ないが、定期修理や任務によって各基地でも見れる機会がある。
OP-3C
画像データ収集機(画像情報偵察機)。P-3Cを5機改造、MADブームを降ろし胴体前部下面にレドームが増設されている。センサーとして、SLAR(側方画像監視レーダー)またはLOROP(長距離監視センサー)を装備。撮影したデータは機内で編集し、衛星通信で地上や艦船に伝送する事ができる。
この機体も第81航空隊第811飛行隊(岩国基地)にしか配備されていないがEP-3と同じく他基地でも見れる機会がある。
UP-3D
UP-3Dは、艦艇の対空射撃の標的の曳航や、電子戦環境下での訓練のための電波妨害を行い、艦艇部隊が本格的な訓練を行えるよう必要な支援を行う。
そのため機体の武装ラックには曳航標的、もしくはチャフ散布装置を搭載する。
この機体は第81航空隊第812飛行隊(岩国基地)所属でそこでしか見れないが、EP-3やOP-3Cと同じく他基地でも見れる機会がある。
最後に
いかがだったでしょうか?
哨戒機の他に訓練支援機や試験評価機、電子戦データ収集機や画像データ収集機と用途は違うもののベースがP-3Cなのでややこしい感じではあります。
ちなみに、EP-3、OP-3C、UP-3Dの簡単な見分け方としてそれぞれの機体E、O、Uを機体のレドームに当てはめてみてください。
そうすると写真のように見分けが出来ます。