漫画を描くのは爆弾を作る気分。
先日、友人のまるちゃんや天真くんと話していて、ブス界の事で改めて感動したことがあったので、長い文章になりますが自分の人生の軸になっていく事なのでここに書いておきます。
結論から言うと、「僕が描き始めた漫画の中の出来事が、作品を飛び出して現実の僕に返ってきた」という話です。
ブス界へようこそ 【無料】
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これより下は、多少長くても話が気になる方だけ読んでみてください。
僕は今、ブス界をタダで読んで貰える形で世に出し始めて、少しずつ多くの方に読んで貰えるようになりました。
そしてその中の数十名の方が毎月有料購読してくださってます。
まだまだ毎月合計1万円2万円の世界ですが、一冊漫画を買える金額を毎月の1〜2話の為に購読してもらえているのはとてもありがたいです。
で、ここからの話は分からない人には分からない世界なのでそれ前提で聞いて欲しいのですが、
僕は、恥ずかしながらお金への執着があまりありません。でも貧乏だったので、「お金はなくてはならない、お金がなければ自由になれない、お金がなければ何もできない、」という恐怖心は人並みか、それより多く感じながら生きてきました。
ただそれでも、五百円で1人の人に楽しんでもらうより(僕の漫画が月500円課金で読めるので)、
タダで1万人の人に楽しまれた方が段違いのやりがいを感じます。(極端すぎてごめん)
その理由は簡単で、金銭的な見返りよりも、僕は人や世の中の反応を求めて動いている人間だからです。子どもの頃から特にそこで飢えていたと思う。
その結果として、僕は漫画という手段を選んだ。セリフや間、テンポ、コマのコントロール、デザイン、読後感、話を読ませるための全ての引き付け等々。
それら正解のない全てを使って、人からの反応をもらって自分を心から楽しませる。生活の大半をそこに費やしてしまう程の楽しさを知って、その独特の快楽をひたすら覚えていった。多分、それが僕だろうと思います。
漫画を描くことは爆弾を作る気分に似ていると思う。僕の漫画は日記ではない。自分のために書いて隠したり、振り返るためのものではない。
人がいる場所に突如として落とし込んで、衝撃を放ち、作られたものをぶっ壊し、今ある世界に自由と解放を作り出す。
僕はそれを求めて漫画を選んで描いているんだと思います。
すみません、要は僕の創作の根源はお金じゃないという前提で、これからの話を聞いて欲しいです。
最近、僕の漫画を読んでくださった方が毎月千円や五千円を毎月支援してくれています。
僕が設けている課金システムには、今流行のリターンなどは一切ありません。ただ待てば読めるものをお金を払って読んでもらうだけ。
その中でも最高額を支援してくださっている方と、僕の友達のまるちゃん(幻冬舎の編集者箕輪厚介さんのトゥクトゥクのドライバーをやっている爽やかなイケメン)が、僕のいないところで実はあって話したことがあるよとまるちゃんが教えてくれました。
まるちゃんが言うには、「この人はここで終わっちゃダメな人だから支援してるんだ」と熱く語ってた。でもめちゃくちゃお金持ちだからってわけじゃないと思うで。すごいよな。と。
それを聞いた瞬間、うまく言えないけど、頭が真っ白になりました。
多分この感情は僕にしか分からない。自分でも日々溜め込んで気付かないような細かい感情が一気に出たような。僕という当事者にしか分からない、言葉にしたくない種類の気持ち。
唯一似たものがあるとすれば、「ブス界」。
ブス界という、与えられることのない奪い合いが大前提の世界。
そこで主人公の敵だった万ちゃんが自分の為に闘ってくれる主人公に共感して「食え。これはお前が奪ったんじゃない。私がお前にくれてやるんだ。お前は強い。この世界の頂点にたどり着く。何があっても幸せになってくれ。」といって自分の片腕を主人公に食わせて与える、自分が描いた漫画の一番熱いシーン、それに凄く近い気持ち、感情の意味、みたいなものを感じました。
作者の僕だからこそ、まだ公開してない世界の設定も含めて、このシーンにどれだけの意味があるか僕自身が一番よくわかっている。
ちゃんと読んでくれてる人は分かるんだけど、ブス界の資源は共感によって質や価値が大きく化けます。
僕はそれと一緒だと思った。僕が貰ってる五百円千円や五千円は、ただのお金じゃない。全然違う。
僕はタダで読んでもらっても、ツイートや感想、レビューやコメントの反応があるだけで死ぬほど嬉しい。だって昔からそれが欲しくてやってるから。
でもそこにお金を払ってくれる人の意味を考えた。
「この人はここで終わっちゃダメだから」の意味を考えた。
友達が漫画を読んでくれないのなんて当然。むしろ読んでくれてる友達がいることにびっくりしてしまう、それが僕の中では当たり前。
Twitterでフォローフォロワーの関係でも作品を読んでもらえないのなんて当然で当たり前。いいねやRTだってタダなのに、漫画家にとってSNSでの作品の拡散がどれ程重要かを漫画家に向けて説いてるハズの漫画に携わる業界の人ですら、そこまで目立って拡散しない。でもアイツが悪いとか、そういうのはどこにもない。これが当然で当たり前。僕らはそういう世界にずっといる。不幸だとは思わない。実力不足はこちらだし、僕も他者に対して同じ事をきっとしてる。当事者になった瞬間だけ痛みと違和感を感じている、ただそれだけのこと。
その中で、見返りなしで課金して貰っていることの意味を考えた。お金だと思えば、電話料金とか光熱費で消えてしまう、そんな金額。とても生活できるお金ではない。
でもこれは僕にとってお金じゃないんよね。絶対に。
僕が受け取ってるこのお金の意味は、お金としての「生きるには足りない金額」としての意味とはビックリするぐらいに違うんよ。
僕はこれに本当に感動した。何者でもない僕が、読者の人が、主人公が万ちゃんから期待とすがるような熱量や感情を受け取って、少しずつチカラと自信をつけて、貰ったものを何百倍何千倍にもして還してく。
敵や仲間、世界と接触して、どんどん自分にできる形で大きく還していくんよね。世界を大きく変えて、最初に自分を応援してくれた存在たちすらも大きくする。それが僕が描いてる、描いていく、ブス界へようこそという漫画です。
なんか今回改めて、作品の中のことが現実の自分の身に還ってきた事によって大きく気づかされたのでした。
なんだろう、ひたすら言葉にしてみたけど、どこまでリアルに伝わるかわかんない。あとは想像で補ってください。笑
読んでくれてる方、コメント感想シェアしてくれる方、そしてなにより支援してくださってる方、本当にありがとうございます。
毎月支援できる人ばかりじゃないのはよく分かっているので、コメントだったり、いいねだったり、口コミでも、何度も読み返して貰ったりとかでもなんでも構いません。僕としてはなんらかの形で反応を受け取れることがただただ嬉しいです。
ブス界の描くゴールに、僕の行動や結果もついて行けるよう、これから大きく地道にやっていきます。
では。
ブス界へようこそ
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