エンジニアでよかった〜ニッチな世界で手広い仕事〜
僕がプロフィールにただ『エンジニア』とだけ書いていることに興味を持ってくれた方がいらっしゃるのと、noteの企画で『エンジニアでよかった』というテーマを募集していたのでエンジニアという職業について書きたいと思います。
今の時代にエンジニアと聞くとシステムエンジニアとかITエンジニアを連想される方が多いと思います。
僕も一応『エンジニア』なのですが、だいぶ毛色が違います。
システムエンジニアをヨークシャーテリアとするならば、僕らはパグです。
システムエンジニアをベンツとするならば、僕らはワゴンRです。
システムエンジニアをミスチルとするならば、僕らはデュークエイセスです。
すいません。前置きが長くなりました。
実は僕は『船のエンジニア』なのです。
『マリンエンジニア』とか言ったりもします。
恐らく大半の人がイメージする船乗りとは『航海士』や『船長』であり、馴染みのない人にとっては『船にエンジニアなんているんですね』状態だと思います。
一般的に『船乗り』というと、『航海士』と『機関士』に分かれます。
『船長』は『航海士』の進化系です。
麦わらの一味で言うところの航海士と機関士はナミとフランキーです。ルフィはナミの進化系です。サンジとかチョッパーもいますが一旦置いときます。
あまりに認知度が低いので『お仕事はなにをされているんですか?』
と聞かれてここら辺の説明が面倒な時は
『アパレル関係です』
とか適当なことを言って濁します。
さて、まずはなぜ僕が世間的にも認知度の低い『船のエンジニア』という道を選んだのかという話から。
一言で言ってしまえば『地元ではとても一般的な仕事だから』で終わってしまいます。
僕は超ど田舎の離島で産まれ、その島は成人男性の9割が船乗りでした。詳しくは過去記事を参照してください。
なので地元で『どうして船乗りを志したのか?』などと質問されることは皆無です。
むしろ陸で働く人に『どうして船乗りにならなかったのか?』と質問するほうが自然なのです。
なにを隠そう父も祖父も『船のエンジニア』なのです。
なので皆さんが普通の高校から大学へと進学し、サラリーマンになるように、さも当たり前のように僕は船乗りになったのです。
さてここからご本題です。
『エンジニアでよかったと思うこと』です。
我々船乗りは、一度港から出航してしまうと社会から断絶されます。
だだっ広い太平洋のど真ん中で機械が壊れようがエアコンが壊れようが誰も直しに来てはくれません。
なので我々『船のエンジニア』の守備範囲は往年の宮本慎也くらい広いです。
船のエンジン、エアコン、冷蔵庫、トイレ、電気、なんでも直します。
家で電化製品が調子が悪くなった時も『どれ?ちょっと見せてみな。』と直せてしまう時もあります。
家ではいつも妻の手下のように働く僕ですが、この瞬間だけは少し、いや多大なる優越感を感じます。
僕がほぼ唯一父親の威厳を示せる瞬間であり、エンジニアでよかったと思える瞬間です。
ところでみなさんデュークエイセスって知ってます?