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「新しい金融環境に適した資産運用」とは?

世界の金融環境は大きく変化しています。顕著な変化として、近年世界ではインフレが進み、金利が上がりました。投資家はそのような変化に関わらず同じ投資スタイルを続けるべきなのでしょうか?

日本では昨今、誰しもが(専門家であれ、学者であれ、インフルエンサーであれ)「海外株式インデックスへの長期積立投資」の有効性を主張し、それこそが唯一の正解であるかのような印象すら受けます。
しかし金融環境の変化に適応し、資産をより効果的に運用できる可能性もあります。世界が長期にわたる低金利環境から一転して「金利のある世界」に変わったこの新しい環境において、有効な資産運用手段にはどのようなものがあるでしょうか?本記事では、海外のプライベートクレジットへの投資が、その一つの選択肢である理由と背景を説明します。

背景1:「金利のある世界」におけるクレジット投資の有効性


長年にわたる低金利環境においては、安全資産である債券への投資は低い利回りしかもたらしませんでした。しかし金利が上昇したいま、債券、ひいてはクレジット(貸付)への投資は高い利回りを期待できます。クレジット投資の中でも、特にプライベートクレジットは、伝統的な債券よりも魅力的な利回りを期待でき、高い収益を求める投資家にとって有意義な選択肢となります。

背景2:米国の銀行危機の影響


昨今の米国の銀行危機により、銀行は預金の流出や資金調達コストの上昇に見舞われ、貸し出しの余力が細っています。一方で、プライベートクレジットファンドは豊富な資金を背景に、銀行よりも柔軟で迅速な意思決定を行い、顧客ニーズに合わせた貸出しを実現できることが多く、貸付市場において競争力を持つようになりました。結果としてプライベートクレジットファンドは銀行に代わって、優れた相手に有利な条件で貸し出しを行うことができるようになっています。

背景3:「パブリックマーケット」から「プライベートマーケット」へのシフト


世界の資産運用の潮流として、「パブリックマーケット」(公開市場)から「プライベートマーケット」(非公開市場)へのシフトが進んでいます。また従来は機関投資家の専売特許だったプライベートマーケットへは、近年世界では個人投資家にとってもアクセスし易くなっています。プライベートクレジットへの投資も、日本では現状まだまだですが、個人投資家にもチャンスが開かれてきています。


以上のような背景、つまり

①金利上昇によりクレジット投資の魅力が向上している
②米国では銀行危機によりプライベートクレジットファンドの競争力が向上している
③プライベートクレジットファンドは個人にも門戸を開きつつある

という背景から、現在の新しい金融環境においては、株式インデックスへの投資一辺倒でなく、プライベートクレジットファンドへの投資も検討する意義は十分にあると思います。