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米国で個人によるプライベートアセットへの投資を可能にする「Interval Fund」という仕組み
昨今、プライベートアセットの運用商品が機関投資家だけでなく個人富裕層にも広がる動きが活発化しています。今朝の日経の記事でも、大手プライベートアセット投資ファンドのアレスが東京に拠点を開設し、日本での投資も含め活動を本格化するとの報道がありました。
プライベートアセットの魅力
プライベートアセットは、伝統的な資産に比べて相場変動の影響を受けにくく、高いリターンが期待できる点が魅力です。プライベートエクイティやプライベートクレジット、不動産などに投資することで、ポートフォリオの分散効果を高め、リスクリターンを向上させることができます。機関投資家はかなりの割合をプライベートアセットに投資していますが、個人投資家にもその魅力が広がっています。
課題と解決策
しかしながら、プライベートアセットには直ぐに現金化できないという課題があります。ファンドが投資しているアセットがすぐに売れるわけではないため、投資家の解約に対応することが難しいのです。特に個人投資家は長期間にわたり解約が一切できない投資を受け入れにくいことが多く、この問題を解消するための仕組みが米国には存在します。それが「Interval Fund(インターバルファンド)」と呼ばれるスキームです。
Interval Fundの概要
Interval Fundは、米国投資信託法の下で運用される特定のタイプの投資信託で、流動性の低いプライベートアセットに投資しつつ、定期的な解約機会を提供することを目的としています。以下に、その主な特徴とメリットを紹介します。
定期的な解約機会:
Interval Fundは、通常四半期ごとや半年ごとに一定の割合で解約機会を提供します。これにより、投資家は完全な流動性を犠牲にすることなく、定期的に資金を引き出すことが可能です。解約資金の準備:
ファンドは定期的な解約に備え、一定の資金を流動性資産として準備します。現金や流動性の高い資産の現金化で間に合わない場合は、ファンドとしてお金を借りることもあります。これにより、決まったタイミングでの解約請求に対応できるようにしています。適正な解約価格:
プライベートアセットには上場株のような公開価格がないため、投資家が解約する際の価格の妥当性は極めて重要です。Interval Fundの解約価格は、ファンドの純資産価値(NAV)に基づいて計算されます。SEC(証券取引委員会)がいくつかの規制を設けており、公正で透明性のある価格設定が求められています。
まとめ
プライベートアセットへの投資は、その高いリターンポテンシャルと相場変動に対する耐性から、個人富裕層の間でも注目を集めています。しかし、流動性の低さという課題を解決するためには、Interval Fundのような仕組みが重要です。このようなファンドは、定期的な解約機会と適正な解約価格を提供することで、投資家のニーズに応えています。日本でもこのような運用商品が普及し、より多くの投資家がプライベートアセットにアクセスできるようになることが期待されます。