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秘密情報の具体例
お客様と新規取引を開始する際に、お客様だけでなく自社からも秘密情報を開示する可能性がある場合には、双方が秘密保持義務を負う形のNDAを締結する必要があります。
しかし、営業部門に配属されて間もない方は、自社の秘密情報の重要性に対する認識が低く、自社のみが秘密保持義務を負う形のNDAで契約締結を進めようとしてしまうケースも見受けられます。
そこで本記事では、「どのような情報を秘密情報として保護する必要があるのか」について、簡単にまとめてみたいと思います。
1.製品の製造技術・ノウハウ
特に製造業の場合には、製品を製造するための技術やノウハウが重要です。これらの情報を適切に保護しないと、情報が流出して他社から類似製品が販売されたり、お客様自身で内製化されたりするおそれがあります。
製品の仕様書、設計図、製造技術(トラブル例:高性能鋼板の製造技術、半導体技術)
研究データ
ソフトウェアのソースコード
2.製品・サービスの販売情報
不動産業や金融業などの顧客が限定されている業界では、顧客リストの価値が非常に高いです。また、卸売・小売業においては、仕入先リストや仕入価格が競合他社に渡ってしまうと、仕入先との取引を競合他社に奪われてしまうおそれがあります。
顧客リスト
仕入先リスト、仕入価格、生産コスト
販売計画、販売データ(トラブル例:売上データ)
3.オペレーションの情報
サービス業においては、業務体制や接客マニュアルなどの情報も重要です。もしも他社に渡ってしまうと、類似サービスを開始されたり、業務効率化によるコスト削減を実現されたりするおれがあります。
サービス提供の手順や方法を定めたマニュアル
社内の教育プログラム
まとめ
自社の秘密情報が他社に渡ってしまうと、自社で費やした莫大な開発費用と時間が無駄になったり、自社の顧客を他社に奪われたりすることにつながります。
情報管理の重要性を改めて認識して、不必要な情報を外部に出さない、取引先に開示する場合には相手方に秘密保持義務を課す、といった対策を徹底するようにしましょう。
参考文献
TMI総合法律事務所編『Q&A営業秘密をめぐる実務論点 第1版』(中央経済社, 2016)
経済産業省「秘密情報の保護ハンドブック~企業価値向上に向けて~」(閲覧日:2022.8.30)
独立行政法人工業所有権情報・研修館「解説:会社の秘密を守るには(第3回)」(閲覧日:2022.8.30)