22年目のタイムカプセル (プロローグ)
社会人1年目。
学生と社会人の狭間で揺れながら、
"大人"になりたてだったころ。
僕が一人旅に魅了されるきっかけとなった
場所があります。
それは、ホーチミン(ベトナム)。
当時の自分の一人旅経験は、中国の1回のみ。
そんなほぼ初心者の自分にとって、
ベトナムという国は、未知の場所。
勇気が必要な大チャレンジでした。
今日は、2月某日の金曜日。
明日からの土日月3連休で、ベトナムに行こうと決めていた。
行きと帰りの飛行機以外、
プランはなにも決めていない。
金曜日の夜。
1週間の仕事をやりきった達成感に包まれながら、
PCを閉じる。
このあとは、先輩たちと飲みにいく。
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…気づいたら、時間はあっという間に過ぎていた。
朝4時。7時間も飲んでいたことになる。
空はまだ真っ暗。
眠い。とにかく眠い。
ホーチミン行きのフライトは9:30。
2時間前には成田に着いている必要があるから、
そろそろ向かわなければ。
先輩方に別れを告げ、
そのまま自宅に帰る。10分でシャワーを浴び、
熱いお湯で無理やり目を覚ます。
リュックに地球の歩き方と本、
Tシャツ・下着1セットだけを突っ込み、
早朝の東京へと、再び繰り出す。
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土曜の朝5時。息が白い。
まだ静かなこの街に、
白い結晶が舞っている。
今日の東京は、久しぶりの大雪になる、らしい。
上野から京成スカイアクセスに乗り込む。
7:30。無事に成田に到着した。
荷物検査、税関をくぐりぬける。
ほろ酔いの気持ちよさと微かな頭痛が交差する中、
英語のアナウンスが聞こえてきた。
「9:30発xxx便は、大雪の影響で遅延が見込まれます。
続報をお待ち下さい。」
そりゃそうか。これだけ雪降ってたらそうだよな。
ロビーの窓越しに、
真っ白になりはじめている滑走路が目に入る。
---30分後。
「xxx便は、11:30発に変更になりました。」
11:30か。お腹すいたしご飯でも食べておこう。
---1時間後。
次のアナウンスが一向に流れてこない。
まだかな。
---1時間後。
「申し訳ありません。
…xxx便は、18:00出発になりました。」
まじですか…!
あと半日もここで待つんですか…!笑
しかもそれまで、空港からは一切出れないとのこと。
どうやら閉じ込められてしまったようだ。
まあいっか。二日酔いで頭も痛い。
ちょっと寝て待とう。
そのまま、昼寝、本、インスタ。
あらゆる時間つぶしを試みる。
それでも時間があまり、
結局Amazonプライムで映画もまるまる1本見てしまった。
朝イチから成田にいたが、
だんだん外も暗くなってきた。
外は雪で真っ白な世界が広がっている。
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---時刻はついに、17時。あと1時間だ。
「申し訳ありません。
xxx便の出発時刻は、明日朝9:00になりました。」
ここまで来ると、逆に楽しくなってくる。笑
どうやら、
・今夜の宿を今から探し、
・明日の朝7時までに、
・またここに戻ってくる、
という、高難易度のミッションが課せられたらしい。
すぐにExpediaで探したが、
成田周辺のホテルはもう全部埋まっている。
今から泊まれるホテルなんてない。
往復3時間かけて都内に出るのも、現実的じゃない。
シャワーも布団もない空港のソファで一夜を明かすのも、辛すぎる。
そんななか、ふと「温泉」の二文字が思い浮かんだ。
そういえば、千葉のど真ん中の蘇我というところに、
深夜利用できる温泉があると誰かに聞いたことがある。
さっそくその温泉に向かい、
成田空港散策で終わった1日の疲れを取ることができた。
たすかった。
そのまま休憩所で仮眠をとった。
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翌朝、日曜日5:00。
全神経を集中させ、
なんとか無事に目を覚ますことができた。
顔を洗い、蘇我の温泉を出る。
7:00。なんとか間に合った。
あと30分遅かったら、
僕の3連休は千葉温泉満喫旅行になっていたことだろう。
待ちに待った飛行機に乗り込む。
ここからは7時間のフライト。
2日間の疲れとあいまって、気づいたら爆睡していた。
飛行機は、一路ベトナムを目指す。(本編につづく↓)
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