犬鳴山七宝瀧寺での修行——己を鍛え、心を磨く時間
先日、大阪府泉佐野市にある犬鳴山七宝瀧寺へ修行に行ってきました。
この霊山は、修験道の開祖・**役行者(えんのぎょうじゃ)**が661年に開山し、日本でも最古の修験道霊場の一つとして知られています。
標高649m、夏でも涼しいこの地には48もの滝が流れ、中でも「行者の滝」をはじめとする七つの霊瀑が特に有名です。
修験道の聖地・犬鳴山七宝瀧寺
犬鳴山七宝瀧寺のご本尊は、剣に龍が巻きつく倶利伽羅大龍不動明王。
また、境内には日本一の大きさを誇る青銅製の身代わり不動明王が鎮座し、多くの人々が厄除けや開運を祈願に訪れます。
この霊山の名の由来は、ある義犬の伝説にあります。
猟師を襲おうとした大蛇に気づいた犬が、命をかけて主人を守った——その忠義を讃えた宇多天皇が、この地を「犬鳴山」と命名したと伝えられています。
また、弘法大師空海もこの地で修行を行い、山内の七瀑に七福神を祀ったことから、「七福神・不動の霊瀑」として信仰を集めています。
犬鳴山の修行——山開きと滝行
今回は、元山上ヶ岳峯供養と犬鳴山の山開きに参加しました。
修験道における山開きは、山岳修行の場が正式に開かれる特別な儀式です。
この修行の一環として、行者の滝での滝行も行いました。
過去にも滝行を経験していましたが、今回はこれまでで最も厳しい滝行でした。
神戸で行った滝行の何倍もの冷たさと、水流の激しさ。
全身を突き刺すような水の感覚に耐えながら、己の心と向き合う時間——まさに精神と肉体を極限まで鍛える修行でした。
しかし、修行において大切なのは「耐え抜くこと」ではなく、「己の内側を見つめること」。
冷たさや苦しさを超えた先にあるのは、雑念のない、澄みきった意識。
その瞬間、自分の中に眠っていた何かが目覚めるような感覚を覚えました。
修行を終えて感じたこと
修験道は、単なる修行の場ではなく、「生き方」そのものを問うもの。
今回の体験を通して、「真の強さとは何か」「人としてどう生きるべきか」という問いを改めて突きつけられました。
また、昨年亡くなられた東條仁晢管長猊下にお会いすることは叶いませんでしたが、
この霊場での修行を通じ、管長猊下の教えとその精神に触れることができたように思います。
心よりご冥福をお祈りいたします。
今後の歩み
滝行を終えたからといって、それで終わりではありません。
修行とは、一瞬の出来事ではなく、日々の積み重ね。
この経験に驕ることなく、これからも精進し続けます。
己を鍛え、心を磨き、より良い生き方を追求する——その道を歩み続けることこそが、本当の修行なのだと感じています。
意義ある時間を過ごせたことに感謝し、これからも邁進していきます。
🔥 すべての経験を糧に、さらなる高みへ