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【タイ日記】2024年11月17日(日)
この日記は個人的な文章力のアップ、描写のスキルアップのために書いてます。文章の筋トレなので、基本的にオチはなく、ただ日常を切り取って描写しているだけです。フィクション、ノンフィクション混ぜてます。
ワット・ポーへ向かう電車の中はそれほど混んではいなかったが全員が座れるほどの余裕もなかった。私が入口付近で立っていると、停車した駅から入ってきた中年女性が横に立ち、ポールを左手で握った。彼女の手首辺りに何かあり、最初はアザかと思う。しかしすぐにタトゥーだと気がついた。
彼女の白く滑らかな肌に浮かぶ濃い青色で彫られていたのは犬だった。毛が長くあちらこちらに跳ね、つぶらな目に小さな舌を出している。ヨークシャーテリアのようだ。手首あたりで犬は常に笑いかけている。
きっと彼女が飼っていたのだろう。そしてとても愛していたことが分かる。左手首の内側ならいつでも目につく。生前もいつも一緒にいたに違いない。そのタトゥーからは彼女と飼い犬の愛が感じられた。
彼女たちはこの先もずっと一緒に生きていくのだろう。