【タイ日記】2024年11月15日(金)
この日記は個人的な文章力のアップ、描写のスキルアップのために書いてます。文章の筋トレなので、基本的にオチはなく、ただ日常を切り取って描写しているだけです。フィクション、ノンフィクション混ぜてます。
夕方前まで降った雨で土が剥き出しになっているところは少しぬかるみ、ちょっとでもよそ見すると靴裏が滑る。木の根が地面から浮き出ているところもあるが、灯りが少ないため暗くてよく見えず躓いている人もいる。夜の公園はたくさんの人で賑わっていた。
タイでは11月の満月の夜にロイクラトンというお祭りがある。灯籠を水に浮かべて流すのだ。公園の入り口前には商売人たちが声を張り上げ、自分の灯籠を道ゆく人たちに売ろうとしている。簡素なテーブルには手作りの灯籠が置かれ、人々が歩きながら品定めをしている。
私はただ公園内の湖を目指して歩く。暗闇の先に温かそうな灯りがあると思ったらすぐに湖に浮かぶ沢山の灯籠が目に飛び込んできた。それはまるで天の川のように流れを作っているような感じだった。小さい子から大人までそれぞれ手にしている灯籠に刺さっている蝋燭に火をつけ、静かに水面に浮かべる。灯籠はかすかな水の揺れに反応しながらゆらゆら動くと蝋燭の灯りもゆらゆら揺れる。私はその美しさに何も言えず、ただただ灯りを見つめていた。