見出し画像

悲しい勘違い

摩天楼ミュージアム (4:13)

詞:及川眠子 曲:工藤崇 編曲:門倉聡
<フジテレビ系「クイズ年の差なんて」エンディング・テーマ>
  C/W スカーレットの約束 (4:27)
  詞:及川眠子 曲:工藤崇 編曲:門倉聡

平成4年3月25日発売。8週チャートイン。最高位4位。

ちょっとハードロック風のアレンジが決っているが、要するによくできた歌謡曲。Winkよりも中森明菜が歌った方がよく似合う、などと思わせてしまった時点でもうだめ。
後知恵の結果論で言うのだが、Wink終末への決定的な第一歩となつた曲。
PVでも初めてバックステージの様子が描写されている。お人形は人間になり、もう二度とオルゴールには戻れなくなってしまった。


ふりむかないで (4:07)

詞:岩谷時子 曲:宮川秦 編曲:門倉聡
<フジテレビ系「なるほど・ザ・ワールド」エンディング・テーマ>
  C/W ロマンスの方舟 (3:53)
  詞・曲:Azel, Marco, Mario 編曲:船山基紀
  日本語詞:及川眠子 原題:Little Russian

ザ・ピーナッツの同名曲(昭和37年)のカヴァー。
平成4年7月22日発売。8週チャートイン。最高位7位。

宮川センセイが書いた昭和歌謡であるから、無造作にカヴァーしてしまったらとんでもないことになるところだが、ギターのモード奏法的な進行が不思議な味付けを添えている。「いかにも歌謡曲」という安定したメロディを、アレンジによって揺さぶり、うまく通俗性を壊しているのである。どうもWinkというのは、こういうちょっと変なことをやると妙にうまく嵌まるのだな。


リアルな夢の条件 (4:37)

詞:及川眠子 曲:Osny Melo 編曲:門倉聡
  C/W 無実のオブジェ (4:30)
  詞・曲:Simon Climie, Holly Knight 編曲:杉山卓夫
  日本語詞:及川眠子 原題:Invincible

平成4年10月21日発売。4週チャートイン。最高位10位。

しかし結局、再びよくできた歌謡曲。これまた中森明菜か工藤静香の方がお似合いで、どうにもWinkの曲じゃない。
PVは歌い踊る二人の姿に、人形と対峙する二人の姿を插入している。なにか、自らの過去のイメージに引きずられつつ、何とかそれを振り捨てようと苦闘する有り様を見せられているみたいで、痛々しい。


永遠のレディードール (4:57)

詞・曲:Dominique Dubois, Jean-Michel Rivat 編曲:船山基紀
日本語詞:及川眠子 原題:Voyage Voyage
  C/W Alone Again (4:39)
  詞・曲:Jamey Jaz, Ren Toppano, Viqui Denman 編曲:門倉聡
  日本語詞:芹沢類 原題:Nothing Means More To Me That You

デザイアレス「夢の旅路」のカヴァー。
平成5年2月17日発売。4週チャートイン。最高位19位。

……と思ったら、フレンチ・ポップに及川眠子の歌詞で、人形風の振り付け。なんでも三年ばかり前から暖めていた曲なんだそうで、ここに来てもう一度黄金のパターンに戻ろうとしたらしい。Winkらしいと言えばこの上もなくWinkらしい曲なのだけれど、残念ながらシングルには向いていない。洗練された曲で、二人の歌声も大変美しいのだが、大ヒットしそうな引掛りが無いのである。結局、もう人形には戻れないことを再確認する仕儀となつてしまつた。


結婚しようね (4:13)

詞:康珍化 作曲・編曲:門倉聡
<フジテレビ系アニメ「ツヨシしっかりしなさい」エンディング・テーマ>
  C/W 幻が叫んでる (4:24)
  詞:及川眠子 曲:鈴木智文 編曲:恵比寿司
  <T&E SOFT「ソード・ワールド SFC」CMソング>

平成5年5月26日発売。5週チャートイン。最高位15位。

ビートルズ「Day Tripper」風の、というよりモータウン風のリフに導かれて始まるロックンロール。
とても楽しい曲だけれど、別にWinkが歌わなきやならんという曲じゃないんだよな。


咲き誇れ愛しさよ (3:30)

詞:大黒摩季 曲:織田哲郎 編曲:葉山たけし
<’93秋 資生堂プルミエCMソング>
  C/W Made In Love (4:41)
  詞:芹沢類 曲:楠瀬誠志郎 編曲:門倉聡

平成5年9月8日発売。12週チャートイン。最高位9位。

化粧品CMとのタイアップで、スタッフはポリスターではなくビーイング。Winkらしさはちょっと脇に置いて、「売れる曲」「受入れられる路線」を狙ったように思われる。リフのアラビア風音階に新味がある以外は、これまたよくできた歌謡曲。とはいえ過去數曲の、日本人作家の曲に比べると、案外Winkの声質に合ってはいる。
CMで使われたサビのメロディーのインパクトは絕大で、久々の(そして最後の)スマッシュ・ヒットになった。そういえばこのころ、全日本プロレス中継で福澤アナ(それとも若林アナだったかな)が「勝ち誇れ雄々しさよ!」とか叫んでいたっけ。
つまらないことながら、出だしのメロディーが「背徳のシナリオ」の出だしによく似ていて、口ずさもうとするとしばしばこんがらがってしまう。


←Wink転換期へWink終末期へ

Wink topへ戻る


いいなと思ったら応援しよう!