Mn大飛散
これは私が研究室でやってしまった事故である。怪我人がいなかったことはラッキーだが、なかなか恐怖だった。
事故の詳細
キッカケは私が過マンガン酸カリウムを用いた酸化溶液を作ろうとしたことだった。
この酸化溶液では、過マンガン酸カリウム、硫酸、純水を混ぜて作る。
本来なら以下の手順で作る。
純水で過マンガン酸カリウムを溶解する
多くの純水で硫酸を薄める
少しずつ過マンガン酸カリウム溶液に希硫酸を入れる
しかし私は過マンガン酸カリウムをサンプル瓶に入れて、そこに硫酸を直接加えた。そして純水を加えた。
その結果、過マンガン酸カリウムが「ボンっ」と音を立てて飛び散った。
ドラフトの中でガラス戸をギリギリまで閉めて作業していたため、マンガンの飛散はドラフト内で収まり怪我はなかった。
が、ドラフト内は過マンガン酸カリウム結晶だらけとなり、ドラフト内の復旧に4時間くらい掃除することになった。
事故の原因
硫酸は水と反応することで多量の熱を発生する。そのために水を加えることで温度が上昇し、一気に沸騰することがある。突沸すると思っている以上に噴き上げるために危険である。
実際に硫酸を扱ったことがある方なら、少量の硫酸でも多量の水に少しずつ加えていった記憶があるだろう。
だから水に対して硫酸を加えることがあっても、硫酸に対して水を加えることはない。
昼食後で眠く、また疲れもあって注意散漫になったタイミングでの事故であった。無傷であることが不幸中の幸いだった。
しかし想像以上に怖かった。もし少しでもガラス戸が開いていたら、過マンガン酸カリウムと硫酸を直接肌で触れる可能性もあった。
実験の際には、当たり前なことであっても順番に注意しましょう。