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スカートで立ち読みは危険!?イケメン盗撮サラリーマンの末路


こんにちは。GメンのTKです。
すっかり寒くなってきて、厚手の服がないと厳しい季節になってきましたね。

今回はそんな冬の時期にも関わらず、盗撮を繰り返していた盗撮犯のお話です。 

その日の現場は、関東にある大型リサイクルショップ。
中古家電やスポーツ用品、服や漫画などが揃う県内でもトップクラスの大型店。
店内が広い分、死角も多く転売目的の高額商品も多く盗まれる保安員泣かせの店だ。

普段の食品スーパーなどでは、19時くらいに仕事が終わるのが普通なのだが、その店舗では店の性質上なのか閉店時間の22時まで勤務することが一般的だった。


不審な行動をするスーツの男


昼間は特に何も起こらず、後半に期待しながら店を歩いてた19時頃。

漫画売り場のコーナーでセーラー服の女子高生2人が楽しそうに漫画を探していた。そして、すぐ横の棚にスーツを着た男が立っていた。年の頃にして20代後半くらいで身長は180センチ程。スラッとした体型でスーツを着こなすその男は、どことなく俳優の鈴木亮平に似ていて、さながら期待の若手社員といった印象だった。

2人組の女子高生と鈴木の距離感は他人同士というには、やけに近く私は
(お兄さんに連れてきてもらったのかな?)
と勝手に想像した。
女子高生のうち1人が鈴木と兄妹で、車でお店に連れてきてもらったのだという読みをした。

特にその時は、それ以上気にすることはなく巡回を続けて更に10分程経った時だろうか。
先程の女子高生2人組がフィギアなどが並んでいるホビーコーナーに移動していた。
何となく、そちらの方を見ていると鈴木もまた女子高生達の向かい側の棚を見ていた。

男から出る違和感の正体

さっきは一度スルーしたが、今回は何か違和感のようなものを感じて立ち止まり3人の様子を注視することにした

違和感の正体はすぐに判明した。
遠からずの距離感で動く2組が、てっきり兄妹や知り合い同士かと思っていたが、先程から一切の会話を交わしていないのだ。

ここで初めて、鈴木と女子高生達は他人同士であると認識できたのだ。
すると1つの疑問が湧いてくる。
(なんで鈴木と女子高生の距離がこんなに近いんだ?)
そう思うや否や、鈴木の右手が慌ただしく動き始めた。

犯行の瞬間

おもむろにポケットからスマートフォンを取り出した鈴木は周囲を警戒しながら、女子高生達の後ろを通り過ぎた。
その時だった。
女子高生のスカートの中に持っていたスマートフォンを差し入れたのだった。

しかし、自分より背の低い女の子のスカートにスマートフォンを差し入れる為に、その長身が邪魔だった鈴木は膝をクネっと曲げて女子高生の後ろを通り過ぎた。
まるで芸人のGO皆川のようだった。
膝を曲げて盗撮をする様子はバレバレという他なかった。

やるならもっと上手くやれ。いや?そもそもやっちゃダメだろ。ていうか、なんでスーツ?

色々な感情が心を駆け巡ったし、鈴木のあからさまな犯行に何度も心でツッコミをいれた。

しかし、そんなこととはつゆ知らず、鈴木改めGo皆川は2往復3往復と女子高生の後ろを、スカートにスマートフォンを差し入れる瞬間だけクネっと膝を曲げながら通り過ぎていったのだった。

盗撮犯の呆れた言い分


3回ほど盗撮の現認が出来たので、いよいよ鈴木に声掛けをする。
その頃、鈴木は自分が撮った写真を確認してるのだろう。
自分のスマホの画面を眺めながらニヤニヤしていた。

コソコソと鈴木の後ろに回り込み、スマートフォンを持っている手をガッと捕まえた。
「警備だ。お前さっきから何やってんだ?」
びっくりした顔の鈴木は
「なんだよ?なんのことだよ?」
と強がっていた。

「そのスマホに写ってるもののことで話があるから事務所まで一緒に来て。」
というと
「何も写ってなかったらどうすんだ?あ?」
と更に強がる鈴木。

「あのなぁ、最初からこっちは見てるんだよ。それに中身消してたとしても、後から復元出来るから無駄だからな。」

すると観念したのか、鈴木は何も言わなくなった。しかし、その体にはどこか力が入っていて隙あらば逃げてやろうという雰囲気が伝わってくる。

たまたま近くに一部始終を見ていた客の男性がいたので私はその男性に
「すいません、誰か店員を呼んできて頂けませんか?」
と頼み男の腰付近を掴み店員が来るのを待った。

すると、男性に連れられた店員がやってきたがそこに来たのは身長150センチほどの10代後半くらいの女性の店員だった。
その店員を見た瞬間、鈴木は今だと思ったのか、私の手を強引に振り解き走り出した。

「おい、待て!」
私は叫びながら逃げる鈴木を追いかけた。
ちなみに、待てと言っても逃走犯が待った試しはなく、言うだけ無駄ということに気付いたのはしばらく経ってからだった。

慌てていたのか前の棚ににぶつかった鈴木は、盛大にずっこけ私は彼をそのまま店内で捕捉した。
騒ぎを聞きつけた他の男性店員もやってきて、みんなで鈴木を事務所まで連れて行った。

被害者の女子高生も別の部屋に連れて行き事情を説明すると、お互い顔を見合わせながら驚いて苦笑いしていた。

しばらくすると、所轄の警察官が数名現れ鈴木に事情聴取がされる。
後々、警察官から聞いた話によると今回の盗撮は失敗だったそうだ。
つまり、鈴木は上手く中を撮れていなかったのである。
失敗した盗撮で捕まる鈴木はつくづくマヌケだなと思った。


事務所の椅子でうなだれる鈴木の元に、身元引き受け人の母親がやってきた。
それは、気まずいという言葉では言い表せない空間だった。
成人した息子がまさか盗撮で捕まるなんて思いもしなかっただろう。
涙ながらに大きな息子を叱責する母親の姿が罪の重さを物語っていた。

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