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優しさの連鎖
幼き頃の夏休み。
わたしはさほど裕福ではない家庭に育った。
わたしの育ったその地域では、
毎日早朝のラジオ体操があった。
そこではスタンプカードが用意されていて、
たくさんラジオ体操に参加すると景品が貰えた。
わたしには姉がいるが、姉たちはスタンプカードを所持し、気ままに起きれた時は、ラジオ体操に出かけていた。
その当時、小学生に満たなかった私は、そのスタンプカードもらえなかったので、そのスタンプカードが欲しくてたまらなかった。
私が欲しくて欲しくて泣いていると、
母が厚紙と色鉛筆で見様見真似で、
そのスタンプカードを作った。
わたしはとても嬉しかったが、
そのスタンプカードは姉たちが持っている
きれいに印刷されたものとは、雲泥の違いだった。しかし、当時のわたしは
とにかくそれが嬉しくて、
その手作りのスタンプカードに紐を通し、
首から下げて姉たちよりも多くラジオ体操に出かけていた。
ラジオ体操には、担当のおじさんがいて、
最初こそ、戸惑っていたが、
慣れたらその手作りスタンプカードに
当たり前のようにスタンプを押してくれた。
当然、みんなと同じように、
たくさんラジオ体操に行ったわたしは
景品をもらうことができた。
大人なっても、いまだになぜか残るこの記憶。
母の愛と、おじさんの優しさ、
わたしは、それ無くして今はないと思う。
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![TAICHI YONEHARA](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/16935317/profile_b7c88227d6ea377e9fa73cd8a9a07e7d.png?width=600&crop=1:1,smart)