理性
フレッシュマンセミナーと名を称したその行事の目的はよく分からないが、おそらく新入生同士の親睦を深めようとかそういうことなのではないかと思う。
1日目は、3年生の学生リーダーが我々を引率し、横浜の施設を数箇所巡って、2日目の朝に1年生147名の前で横浜の施設についてプレゼンテーションするといったものだ。そこそこいいホテルのダブルの部屋に泊まり、プレゼンテーションの総評などへ経て解散という流れだった。
黄色いコートの女の子は横浜から大学へと通っている。
『ほとんど地元だから新鮮味は無いけどみんなとお泊まり出来るのは楽しい!行事が終わったら彼氏も連れてきて横浜を案内してあげるよ!』と言っていた。
「え?あなたの彼氏、なんかおしっこ飲ませようとしてくるとか言ってなかった?」という率直な感想が出てきた。
先述した彼氏の愚痴というのは、もっぱらデートDVまがいの被害を受けているということだった。
また、そういった類のツイートもしばしば目にするようにもなる。
恋愛経験値がマサラタウンのポッポ並の私は、本当に彼女に同情したし自分ならそんなことしないのにな、と感じた。
デニーズで愚痴を聞いている時の図
そういった段階を経て、下校中に「↵」部のリュックサックの持ち手を彼女が持ち、私が引っ張っていくような行動をすることが一度あった。
「彼氏いるのにいいのかな、でもそれくらいだったらいいのか?意識しすぎなのか?」と恋愛経験値がマサラタウンのコラッタ並の私は嬉しくもありつつ葛藤していた。
そして、フレッシュマンセミナー当日を迎えた。
夕方まで横浜を散策し、ホテルの一室に集まり、翌日のプレゼンテーションに備えた。
夕食を済ませると、9人グループの誰かの部屋にグループの皆が集まり、各々ふざけあって動画を回したり、楽しい時間を過ごした。次第に皆のテンションが最高潮になり、無論私のテンションもバイブスブチアゲAge♂となった。
純さんと○○ちゃんは一足お先に別室に行った。私は空気を読んで、「お疲れ様デーース」と見送った。
「私と一緒に寝たいやつ来い!もう寝る!!」だったかなんだったか暴走した童貞のようなことを言い放ち、ベットに大の字になると男の子も女の子もそのノリに少しだけ付き合ってくれた。
男の子には「うわーお前可愛いなあ!!」と風呂上がりの髪をクシャクシャっとしてやると、『俺にそんな趣味はねえ!』と私のそばから離れていく、といったようなノリだった。
時間が経つにつれ、メンバーはぽつぽつと自分の部屋に戻っていき、この空間に居るのは、すでに爆睡してる部屋の主と私を含めて4,5人になった。
楽しいけど私も眠くなってきたな、と思っていたら 、黄色いコートの女の子が近づいてきて大の字になっている私の腕に頭を乗せてきた。
つづく
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