腐ったみかん


中学生時代、私の家庭における経済状況はほぼ地の底であることをなんとなく察していた。
なので、お小遣いという概念が存在していなかった。
高校生になったらアルバイトをしたいと考えていた。
学校に許可なしで自由にアルバイトができる公立高校に入りたかったが、いかんせん学力が足りてなかった。

案の定高校に落ちて、滑り止めの私立に行くことになると思っていたら、父親が入学金を払っておらず、僕はその時進路が未定であることを知った。

その時点で出願が間に合う高校が、県内で偏差値の底辺を争う私立高校の2次試験か定時制高校しかなかった。
私はどっちも受験して合格し、私立高校を選んだ。
入学生はなんちゃってヤンキーとカードゲームオタクが8割弱を占めていた。
ヤンキーのノリは苦手だし、カードゲームも分からないし馴染めないだろうなぁ、と感じて日々泣いていた。
学内偏差値72とかいう井の中の蛙状態に突入してほんの少しだけチヤホヤされたため、決して楽しいとは言えなかったが、無難な3年間を過ごした。

先述したとおり、別に学校は楽しくなかったので、遊ぶ約束やアルバイトもない時は高校入学のお祝いで買ってもらったガラケーでネットサーフィンをたしなんでいた。
そこで、中高生のユーザーで賑わっている学園チャットというサイトを見つけた。
チャットというシステムは小中学生の頃から好きだったので、私はこのチャットにどっぷりハマった。

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