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『ビーガンの親』に生まれた、『か細い少女』は、やがて自身も親になり、そして、いま、なにを思う? #ヴィーガン
『多様性』。近年、よく聞くようになったキーワードだ。ひとびとは『多様性』を良きもの、すくなくとも、悪くないものとして、扱いはじめている。
しかし、多様性社会、とは名ばかりに、じっさいは、いまこの社会には、さまざまな「真実」がはびこっている。
いろいろなひとが、いろいろな「じぶんだけの真実」を、それぞれ信じて生きている。それを『多様性』と信じている。それが現状だ。
そんななか、ひとつの社会現象になっているのが『ビーガン』だ。かれらは、その信仰心から肉や、生物由来のものを一切たべない。
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ビーガンの彼らは、われわれが、ふだん口にする動物の「ひどい屠殺動画」を布教のフックにする。
そして、「こんなひどいことはやめよう!」「おれたちは動物を殺さなくても、じゅうぶん農作物だけで生きていけるじゃないか!」と言いながら畑を耕したり、
ヴィーガンの人の夢ぶっ壊しちゃうようで悪いけど、
— 生天目ユカリ (@FZ250master) May 25, 2019
俺農家やってるけど畑や田んぼ作ってる時点で原生生物大量虐殺してるからね。自然ぶっ壊さないと野菜って作れないからね。
農業って「手前ぇらの都合など知らんわ、俺が食いたいもん植えるから都合の悪い奴らは●ね!!」ていう職業だからね。
「そうだ、おれたちは『どんな存在も殺さず、傷つけず、ひっそり生きていこう』!」「この時代に動物殺しに加担するやつは、野蛮だ!」、などといきごむ。
畑の野菜を守る為にイノシシとシカだけで年間120万頭が殺されます
さて、もちろん信仰は自由である。UFOをずっと信じてもいいし、陰謀論を信じてもいいし、ただただ信じる分には(つまり、法的に問題のない範囲では)、カルト宗教を信じることも咎められない。
そう考えると、むしろ、ビーガンは平和的で、すばらしい落としどころだとすらおもう。ひとは常に大きななにかと戦っていたい生き物だし、いまは戦うべき大きななにかが失われてしまったから。自身の肉食欲と戦いつづけるのも、欲の発散としてけっこうなことだ。
ビーガンの人は何故だまってやれないのだろう?
— すけちゃん🇺🇸 (@AgingAnarchist) February 19, 2022
→戦う大きな相手が
居たほうがバイブス高まるから
しかし、信仰において根深い問題は「2世の問題」だ。信仰は自由。しかし、子は、つまり、「信仰者のこども」の信仰は、ほんとうに自由なのだろうか?
まだ生後数ヶ月かと思うほど、体がとても小さかったその赤ちゃん。理由は両親の絶対的な菜食主義へのこだわりにあった。
菜食主義とビタミンB12欠乏の問題は広く知られてないんですかね。ビタミンB12を必要な量とるには動物性たんぱく質が必要。これ長期間とらないでいると深刻な貧血になって命に関わる。だからビーガンのヒトは一般的にサプリで補いますよね。それが自然かどうかは知らんけど。
— うさぎ林檎@ししょーPPM💉💉💉 (@usg_ringo) November 12, 2021
すこし極端な事例ではあるけれども、多かれ少なかれ、親から子への教育というものは、子に影響をあたえる。『親ガチャ』なんて言葉が社会をゆるがしているのも考えれば、わかるはなしだろう。
入学式に向かう高校生さんが「ビーガンだから革靴履けない」と言っていました……
— あさひ (@z2yvo5HSCUwXmyf) April 7, 2022
くりかえすように、信仰は自由である。そして、個人的に、ビーガンを否定しているわけではない。
ただ、「親が実践にまでいたっている信仰を、子は『おしつけられる』という構造的な問題」については、考える余地があるだろう。
猫飼っているビーガンの人は猫にも植物性の餌を与えようとしているようですが、猫は肉食獣です。それが嫌なら最初から飼わない方がいいでしょう。
— Emin Yurumazu (エミンユルマズ) (@yurumazu) July 7, 2020
その影響はペットにまで?
さて、一般論はここまでにして。
こんかいは、じっさいに、きょうここに生まれている『生きているデータ』を見ていく。
論じることのできる一般論やデータの集積もたいせつだが、n=1の、生の一次情報に触れることでしか感じられないリアルもある。おれはそれをたいせつにしている。
というわけで、今回は「厳格なビーガンの家庭に生まれ育ってきた、現アラフォー・シングルマザー」におすしを奢られてきた(いいの?)。
その「じっさいの苦悩」をみていこう。これがリアルだ。それぞれが信じる真実がいくら強固であろうとも、これもまた、ひとつの真実だ。
購読者のお前らにも、その分配を。
禁断のおすしをたべながら・・・。
ほかのは #奢ログ から見れるよ
『お前、給食費はらえないんだろ』
じつは、給食、たべたことないんです
ビーガンには、きびしい食事制限がある。
給食というものは、国家資格でもある『管理栄養士』が、科学的に、こどもに必要なエネルギー、栄養素をうまく摂れるようにメニューを設定し、それを提供するものだ。
大人でもむずかしい栄養管理を、たべる量のすくない子供の身体でうまくこなすのは、ただでさえ至難の業だ。給食は、その一役を買っている。
しかし、一般的にビーガンのきびしい食事制限を満たした給食のメニューはほとんどない。
だから、こどもがビーガン食をやることになると、親がつくった弁当をたべることになる。だから、彼女は給食をたべたことがない。
同級生の男子には『お前、給食費はらえないんだろ』と言われ続けた。
お弁当には、いつも米と草と豆と果実だけ
みなが「おなじ釜のめし」をたべている中で、わたしだけ貧相なお弁当をたべている。この光景は、経験に乏しく、身体もか細い栄養失調の少女に目に、心に、どのように写ったのだろうか?想像は、むずかしくない。
皆とおなじように大人への階段をのぼり成熟し、やがて、変化のなくなった日々に退屈した大人にとって、「一定の不自由」は蜜の味で、ときに力強く生きていくためのスパイスになる。
それに、いまいちパッとしない人生を送ってきたひとでも、ただ「食事を制限する」というシンプルなルールに従うだけで、手っ取り早く「精鋭」っぽい自意識をつくりあげられておトクだ。
多くの人生は見下されることに辟易としており、それは「見下す対象」が他にいる状態をつくることで、おわらない治癒がなされる。肉をやめるだけで、肉をたべる人間を見下せるのだから、ハマるひとが多いのもわかる。
けれども、まだ「そんなくだらない世界」をあまりしらないこどもにとっては、ただ「わたしだけ」に、理不尽に覆い被さる不自由だったのではないだろうか。見下されてもケーキがたべたい。こどもってそういうもんだろう。
小学生の頃のおやつは「海苔」と「ナッツ」だけ
健康診断かかったオジさんの晩酌?
激しいビーガン教育
ちいさいころから、屠殺の動画を見せられてきました。それで、わたしの兄弟はすっかり心までビーガンになりましたが、なぜかわたしだけは、ずっとシラフってカンジで...。
信仰にふける両親、それを横目に、ああ、生きるために私は、この『振る舞い』をおぼえる必要があるんだ。そう、静かに悟った、か細い少女。
あの日の少女は、いまや数人の子をもつ、アラフォーのシングルマザーになった。彼女は今、自身の親に、子に、そして自分自身に、なにを考えるのか?
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シラスが綾波レイに見えてきた。
— 八谷和彦 (@hachiya) May 13, 2022
副作用もあったようですが…。ご自愛ください
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【サブスク】ぷろおごマガジン
3分で読める文章を、ほぼ毎日のように書きます。おれにケーキとコーヒーでも奢って話を聞いたと思って。まぁ、1日30円以下だけど...。
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