音楽で飯を食うこと
「音楽で飯を食う」ってどうゆうことかな、ってふと考えてみる。
20代の自分は、ギタリストとして毎日ライブやレコーディングをして、そのギャラで家族を養い、適度に遊んで、みたいなことがそれだと思ってたかもしれない。なんだったら、年齢を重ねた分だけうまくなり、仲間も増え、仕事の単価も上がり...みたいな。
けれど、時代は目まぐるしくかわり、30代もラストイヤーになり、置かれている環境も変わった。
(そもそもどんどん若い人も出てきて、常に成長し続けないとあっという間に使えなくなるこの業界のまぁ残酷なこと。)
今の自分の生活をみてみると、イメージ通りの部分もあるけど、むしろ思ってもみなかった形が多くて、これが音楽で飯を食うということか、と気づいたことも多々あり、それを昔の自分に教えるのは難しいので、自分への戒めとともに、せめて今悩んでいる周りの仲間や、これからの若いミュージシャンに伝えられたら、なんていう余計なお世話の気持ちでこの記事を書いている。
今、世界的な感染症も含め、あらゆる状況が変化していて、従来のミュージシャンの稼ぎ方だけをイメージしても、多分、というか絶対生き残れないことは間違いない。(一握りのトッププレイヤーを除いて)
もしかしたら、僕らくらいの年代よりよっぽど若い人たちの方が柔軟で、時代に対応した活動ができていて、流行りのアレンジ、多様化するアーティストの形、見せ方などについていけない人はどんどん脱落していくんじゃないか?そんな不安がよぎることも正直ある。
けれど、僕は「音楽の仕事は絶対なくならない」と確信している。
僕自身のことで言えば、「ギターを弾く」というスキルだけでは、正直な話仕事の量は完全に減っている。これは一時的なものかもしれないし、コロナが落ち着けば多少は元のペースに戻る気もしているけど、相変わらず忙しい人は忙しそうだし、こればっかりは自分の実力と認めざるを得ないだろう。
ただ、僕は大変ラッキーなことに実は収入自体はそんなに変わっていない。
ライブが減った分できた時間で作った人脈、BGM制作などで学んだ宅録やアレンジの知識、YouTubeレベルではあるけど動画編集など、細かくやりつつなんだかんだ誰かに必要とされ、忙しく動いている。
何を言いたいのか。
別に自慢したいわけではないです。
(そもそも自慢できるような収入ではない。汗)
僕らの世代のミュージシャンは、待っていれば仕事の話が来る、なんていう時代はとっくに終わっていて、どこに仕事があって、どんな風に仕事を作っていくか、を全員が考えないといけないということに気づくべきだ、ということ。
自分の何が仕事になって、どこからそのお金が出てくるのか、ということをそれぞれが一生懸命考えて、行動することが大事だと思う。
また、直接的に“演奏する”ということだけを音楽の仕事と捉えず、そこから派生した人脈や仕事というのも元を辿れば音楽の仕事だと考えるのも面白い。
僕の場合は、ミュージシャンとして知り合った仲間から動画編集の相談を受けたり、プレイヤーとして出演していたラウンジのブッキングを担当するようになったり、幼稚園で知り合ったパパ友と音楽の話で盛り上がり結果的に一緒に事業をやるようになったり、そうゆうことだ。
今や「楽器が弾ける」なんていうのは全く特別なスキルでも資格でもなく、それを何のために、誰のために使うのか、そのことによって誰が得をするのか。
そんなことを僕は今まで以上に意識して、覚悟を決めてこれからも音楽で飯を食って行く所存です。