セカンドハーフ通信 第105話 Trust and Respect

Trust and Respect

以前、外資系コンサルティング会社のトップを務める方に社内向けの講演をお願いしたことがある。グローバル社会でのコミュニケーションについて話してもらった。

彼は日本の保険会社に働いた後、MBAを取得し外資系コンサルティング会社へ転職、グローバル部門で活躍し、ついには日本のトップにまでなった人だ。流暢に英語を話す人だが、日本企業にいた時は英語もあまり話せなかったということだ。

今では英語の勉強会までされているので英語の勉強法について話をされるかと思ったが、一番のテーマは人との接し方についてであった。

グローバルに考えれば英語を母国語にしている国は意外と少ない。つまり、皆外国語の英語を使いながらコミュニケーションをする。しかもそれぞれの国の文化が異なる中で何が一番相手を動かすもとになるか、という話をされた。

それは「Trust and Respect」であるという。つまり、相手に対して「Trust and Respect」があると相手も心を開いてくれるし、「Trust and Respect」を得られるように行動すると、相手も協力してくれるということだ。

考えてみればごくまっとうな意見であるが、英語を上手に話すことに意識がいってしまう。また、がんがん意見を主張する外国人に気後れしたり、変に力が入ってしまう。だからグローバルな経験が豊富な人から「Trust and Respect」は世界基準だ、といわれるとほっとするところがある。

彼の話を聞いてからは、努めて人と接するときは自分でも「Trust and Respect」を意識して行動するようにしてきた。

確かに厄介な相手もいないことはないが、相手に合わせる必要はない。自分の流儀としてそのスタンスでやることが大事だ。すると国籍によらず自分を認めてくれる人が現れる。それ大切な仲間でもある。「Trust and Respect」はコミュニケーションの普遍の真理だと思っている。

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