花粉症は過小評価されすぎている
いい感じにポカってきた。春の訪れはまた、風からも感じられる。さるに、花粉の時分。
陽気な陽だまりに誘われ、何かしらんとお外に繰り出せば、顔からありとあらゆる液体が滲み出る。
危うく溺れるところであった。
鼻水が止まらない、くしゃみが出る。
字面で見ればなんと可愛らしい症状か。
木々やお花たちからの、春の訪れを告げる少しいじわるなお手紙のようにさえ感じられる。
実際、ささやかなものだと思っている。熱が出て行動不能に陥るわけでもないし、何より死ぬようなもんじゃない。けれど、けれどね。だからこそタチが悪いとも思うの。
私も相当な花粉症に悩まされるクシャミストだからこそわかる。
その症状というのは、決して何をするのもままならないというほどのものではないし、まして会社や学校を休むようなものでもないのだ。
だからこそタチが悪い。何度でも言いたい。
鼻水が出る。くしゃみが止まらない。また鼻水が出る。目がかゆい。および鼻水が出る。肌もかゆい。かつ鼻水が出る。扁桃腺が腫れる。けれど鼻水が出る。咳だって出る。そして鼻水が出る。鼻が詰まって息苦しい。にもかかわらず鼻水が出る。俯けば通りよく水が滴る。故に鼻水が出る。頭が痛いな。いわんや鼻水が出る。
どこまでも鼻垂らしてるだけ。どこまで行っても顔面汚してるだけ。詰まるところそれだけ。
仕事も勉強もできるっちゃできる。でも、それだけ。集中なんかできるわけない。いいパフォーマンスなんか発揮できるわけない。普通でいられるわけがない。
そもそも鼻からずっと水出してるやつが社会にいていいのかとさえ、思えるようになった。だいぶ妖怪の類いに近いと思う。そんなやつまともではない。あるいは、まともであることの、なんとくだらないことか。
だから、仕事休みたいよね。切に。
あまり花粉症をみくびらないでほしい。
決して生命を脅かすようなものではないけれど、死ぬほど生きづらくなるくらいにはしんどい。花粉症単体で死んだ人がいないのが不思議なんだけど。
私が前例になってやろうか。多分この状態でマラソンとか走ったら溺れ死ぬと思うし。
でもおそらく、それで死んでも花粉のせいじゃなくて馬鹿だから死んだんだって思われて終わりなんだろうな。
鼻をサイボーグ化したい。花粉に負けないチタン合金の鼻。それからさ、鼻からウォーターカッターくらいエグい水圧の水を出してさ、みんなを驚かせたいんだ。鼻からポンプ車くらいの水量出してさ、火事とかからみんなを守りたいんだ。
意味わかんないこと書いてるけれど、それもこれも、たぶんきっと、花粉のせい。