【EPリリースまでの道】Spotify公式プレイリストに入れるようになったシンガーソングライターの赤裸々日記6 (Easy Loveインタビュー編)
最新シングルのEasy Love聞いて頂けてるでしょうか?今までリリースしたシングルと少し違うアプローチで制作したので自分の中では意外と苦労した一曲。発売から約10日、ようやく心も落ち着いてきた。
さてさて、キスくらい(Remix)に引き続き、Easy Loveも憧れのPaul J.Falcon氏にMixingしていただきました。
Paul氏といえば、2000年前後からMissy Elliottの重要なエンジニアとして知られ、たくさんのヒット曲に携わってる。そのキャリアは20年以上。Luther VandrossやMaxwellなどの素晴らしいボーカリストを録音、編集し、名曲を作り上げてきた彼にインタビューしてみた。R&Bファンはこのページのyoutubeリンク全曲わかるはず!
●Easy Loveのミックスを始める際、一番初めに行った事はなんですか?
EQとコンプレッサーを使い、初めにリードボーカルのデッサンから始めた。エフェクトを加えつつ、コーラスパートに移り、シンセサイザー(上物)を鳴らしながら、エフェクトの調整、ボーカルのスペースを作っていく。シンセサイザーとのバランスを爆音で聞いて気持ちが良ければ、ドラム、ベースと移っていく。
●Missy Elliottプロデュース作品、Luther Vandross、その他、僕の楽曲を含め、ハーモニー、細かいボリュームなど、特にボーカルは想像を超えた仕上がりに驚きました。何がこの曲にとって重要なのかが毎回明確で鍛錬された耳に感激しています。ボーカルのミキシングに関して何かアドバイスはアドバイスはありますか?
そもそも、ボーカルを正しくブレンド(ミックス)させるのは時間がかかる。ボリュームも大事だが、私の場合EQ,コンプレッサーのセッティングの方が大事だと思っている。時には音の響きをまとめるために、Each Note(一つづつの音)に対して違うEQとコンプレッサーをかけたりする。そして最後にエフェクトをそれぞれのボーカルにかけて仕上げるのだが、これらのエフェクトは脳がステレオを聴き分けるときにとても効果で、脳が反応する技を駆使し壮大なボーカルのレイアーを作りあげる。
●ヒット曲をミックスする際、アナログ機材ととパソコン内のプラグインの割合はどのようになってますか?
プラグイン だけを使ってミックスを行った最初のヒット曲が1999年。もう2021年、ほとんどの作業をパソコン内で行う。アナログ機材を使用する際も一時的なプロセスとして使用し、最後は全てパソコンでまとめる。アナログの質感が必要な際大体の場合Plugin Alliance(特にSSL J9000が気に入ってる)Universal Audio, Sound Toyなどのプラグインで完成させることができる。
●これまで多くの素晴らしい、ミュージシャン、エンジニアを現場で見てきた中で、一番初めに影響を受けた方はだれすか?
Michael BrauerとTony Maserati
プロとして仕事を始める前から、彼らの関わるプロジェクトにはすごく影響を受けていた。突然出会った曲でさえ、大体の場合この二人のミックスならすぐに聴き分ける事ができた。
数年後ラッキーなことに彼らのそばで仕事を始め、時には競合相手としてプロジェクトを任されることもあった。
●今回ギターを弾いてくれた親友の伊藤祥平は Luther Vandrossの大ファン。何かシェアできる思い出話はありますか?
ルーサに関するストーリーといえば、彼は根気強く何度も何度も納得がいくまでボーカルだけじゃなく、プロデューサーとして楽曲に向き合っていた。ルーサの場合パフォーマンスが全て、ボーカルブースを飛び出して、一度外で歌い、みんなの反応を見ながら楽曲を完成させていた。彼は一人でボーカルプロダクションを作り上げる事ができるし、たくさんのアプローチを試し、プリプロを行い、とにかく時間をかけてレコーディングを行った。
From Luther, I learned it's not just about capturing a great performance, it's about creating the greatest performance.
ルーサからは、ただ素晴らしいパフォーマンスを楽曲にするのでは無く、最高のパフォーマンスを作り上げるのが大事だと学んだ。
ウォーーーこうやってyoutubeのリンクを貼りながら、インタビューをまとめて見ると、とんでもない人にお願いできたもんだと今更驚いた。
細かい技術的な話(実際どのようにミックスしたのか)は、ビデオにまとめたいと思う。何か質問してみたい事があればコメント頂けると嬉しいです。
だれに需要があるのかは全く想像できませんが、聞いてみたかった事聞けてよかった。
つづく。