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若者にできる社会の変え方
結構前になるが(業界にとっては?)びっくりなニュースが流れ込んできた。
商事含め数社が開発中のベトナムの火力発電所建設案件に対して、大学生が声をあげ、賛同した経営者らが三菱商事に質問状を送ったのだ。
僕ら世代(という言い方はあまりしたくないが)からすると環境を意識して、「火力発電してていいの?」と疑問を持つことはショッキングでもなんでもないんだが、結構ざわついている印象を受ける。
一方で僕自身、今までの経過・利害関係者・ベトナムの人が受ける利益を考えると、ちょっとやりすぎな質問状では、対応する広報部の人かわいそうと思ったりもした。(浅い自分を殴りたい)
…と、ここまで書いて放ってたら、この前びっくりなニュースが入ってきた。
弥太郎さん、まじですかい。
もちろんこの質問状と、石炭火力発電案件からの撤退は、直接関わっているとは言い切れない。
多分2050年までの政府のカーボンフリー政策や、ESG投資という言葉が飛び交うようになったことの方が大きい気はする。
が、「何か関係あったら面白くない?」ということで、いつもの再現性を持たせるにはどうするか、を考えるコーナーです。
バカでかい企業を動かすにはどうしたらいいか、めちゃちゃ当たり前のことを考察してみたのでメモ程度に残しておく。
業界で感じた変化
まず質問状が出る付近で、各商社3Qの決算発表もあったので、僕が感じた変化を書いてみる。
①投資家サイドからの質問の変化
投資家サイドからの質問に変化が見られている(と思う)。
持続可能なのか、環境への負担は、等々いわゆる''環境''を意識した質問が多くなった気がする。「たかが質問でしょ?」と思うかもしれないが、株式会社にとって投資家への説明ほど重く受け止められる事項はない。デカイ。
②風当たりを気にした各社の方針の変化
どこもそうかもしれないが、世間の風潮だったり、投資の時流には敏感であり、またレピュテーションリスクに対してとても敏感。(いわゆる大企業病?特に商社はそう。)
世間が環境問題に目を向けるほど、企業も敏感にならざるを得ないのだ。
と、いうわけでSNSの発展も合間って学生の質問状にも、真摯に答えないといけない状況になってきている。「不毛地帯」の時代なら破られて不要テレックスと一緒に捨てられただろう。
が、もう一つ大事なポイントがあると思っている。
実名の効力と具体性
今回大きなポイントは、「どこの誰が何に対してどのポイントが懸念か」が、はっきりわかっていることだ。
SNSでの企業への批判なんかザラにある。数ある石炭火力発電所のなかで、企業もプロジェクト名も何を聞きたいのかも明らかにした上で、実名で質問状を出されたら、企業もこれに答えない訳にはいかない。
社会を変える方法
そろそろまとめよう。
つまるところ社会を変える方法として、一つ考えられる手段は「声をあげる」ことだ。ただし条件が二つある。
①問題点を具体的にする。(プロジェクト、会社名、問題点等々を明らかにする。)
上述の通り、そこまで言われたら企業も放置できない、という書き方で声をあげる。
なんとなく「日本のおじさん社会が」「日本のジェンダーギャップってひどいよね」とぼやくのではなく、全部突き詰める。(つくづくインプットが大切だなあ...。)
今回の例でいくと、
②自分も実名を出す。
(彼女が着てると、チーター(?)も環境の被害受けてるように見えてくるよね。)
企業にアカウンタビリティが発生する社会である以上、「誰に回答するのか」を明確にする必要がある。
他方実名を出すことにはかなりのリスクが伴う。中国の李文亮医師や、香港の黄之鋒さんなど最たる例かもしれない。(国違うからリスクの大きさも違うかもしれんが。)
そう考えると、実名を出すというリスクを背負って、ここまでやってのけた9名は本当にすごい…。
ド当たり前のことを備忘録的に書いてみました。
この前振り返りのメンバーと話していて、森さんの件で、(ジェンダーギャップ)【おかしいと思うこと】にどこか達観している自分がいるよね、という話になった。僕自身も前より丸くなりすぎたな、、、と思った。
が、諦めることなんかなく、「声をあげること自体に意味がある」と実感できた出来事であった。
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