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豪華なリハーサル〜第13週振り返り&第14週プレビュー

パンコンチネンタル選手権(PCCC)が続く中、一般のツアー大会も着々と進行している訳ですが、PCCCが終わるとすぐに、グランドスラム第2戦「カナディアン・オープン」が始まり、その後、欧州選手権(11月16日〜23日)、第3戦「ナショナル」と間を空けずに続いていきます。五輪シーズンの前の年度は重要な大会が途切れませんが、今週からは五輪&パラリンピック出場に直結する大会も始まり、五輪に向けての動きがいっそう加速します。先週のプレビューはこちらから。


第13週振り返り

第13週の日本の各チームの試合結果

優勝はやっぱりうれしいよね:🇯🇵松村/谷田

今週は「Norther Credit Union MDオープン」(SFM:1.5)に出場した🇯🇵松村/谷田ですが、見事に優勝。プレーオフでは、カナダのMD代表決定戦の予選にもエントリーしているペアと次々と対戦し、試合終盤まで接戦となった試合もありましたが、最後まで勝ち切りました。

大会での優勝は、昨年のMDスーパーシリーズ第1戦(@シャーウッド・パーク)以来かと思います。SFMが6.0だったその時と比べれば、確かに今回の大会のレベルは低いかもしれません。ただ、それは外から見る人の考え方なのかとも思います。選手は、目の前の試合に必死で勝とうとするだけなのでしょう。そして、大会の最後を勝って終われるのは、1ペアだけです(3位決定戦があれば、また違いますが…)。SNSに投稿された2人のうれしそうな様子を見ると、久しぶりの優勝を心から喜んでいるようでした

私の知る限りでは、今週は大会に出場せず、来週のMDスーパーシリーズ第3戦に出場するようです。優勝という結果が1つ出て、それを次につなげていきたいところでしょう。

強いチームには勝てたけれど:🇯🇵SC軽井沢クラブ&🇯🇵ロコ・ドラーゴ

🇯🇵SC軽井沢クラブと🇯🇵ロコ・ドラーゴは、「Nufloors ペンティクトン カーリング クラシック」(SFM:6.0)に出場しました。カナダの上位チームが多く参加した大会ですが、🇯🇵SC軽井沢クラブは、最終的に優勝した世界ランキング5位の🇨🇦ジェイコブスに勝ち、🇯🇵ロコ・ドラーゴも🇨🇦カラザースや🇨🇦クーイーに勝つなど、強いチームに互角以上の戦いを見せた…のですが、他のチームを相手に負けがかさみ、ともに2勝3敗で予選を終えます。そして、2勝のチームで唯一🇯🇵SC軽井沢クラブだけがプレーオフに滑り込むことに成功しますが、その初戦で敗退となりました。🇯🇵SC軽井沢クラブの方は、接戦を落とす試合が続き、🇯🇵ロコ・ドラーゴの方は、序盤からリードを許して逆転できないままの試合が多かったようです。

この大会を配信で見て、勝手な見方かもしれませんが、栁澤選手と前田(拓)選手という若いフォーススキップが、何か壁にぶつかっているのかな、という感じを受けてしまいました。少し前の話にはなりますが、男子世界選手権で7位に入った時の栁澤選手の方が、今よりも相手から見た怖さがあった気はします。前田(拓)選手も、ここまで長いカナダ遠征は初めてとはいえ、6大会中予選通過は2大会止まりで、それもベスト8で負けています。“大人のカーリング選手”になるために、階段を登っている途中って、こういう時期もあるんですかね?どんな名選手にもそういう期間はありそうですけど、カナダに遠征して、いろいろな人と出会うことが、単にパフォーマンスを向上させるだけではなく、物事の考え方を深める機会にもなってほしいという気はしました。

その他の大会

第13週の気になった大会の結果一覧
  • 「Nufloor ペンティクトン クラシック」は、🇨🇦ジェイコブスが新チームになって初めての優勝。このチームも“次の五輪に出るためのチーム”だと考えると、そろそろ結果が欲しかったところでしょう。

  • 「欧州選手権スイス代表決定戦」では、昨季代表の女子の🇨🇭ティリンツォーニと男子の🇨🇭Y.シュヴァラーがそれぞれ代表に決定。去年は決定戦なしで決まっていたことを考えると、決定戦が開かれたこと自体が成果とも言えます。特に女子の🇨🇭X.シュヴァラーは、今回4連敗でしたが、ジュニア卒業1年目で、チャンスは何回もありそうだし、今後の伸びしろにも期待が集まります。

  • 「グランプリ ベルン インター」では、そのスイスの🇨🇭フースリが今季2勝目。3人での試合だったようですが、ランキングも今季開始時の23位から10位まで浮上。遅くとも来年は代表争いに食い込んでくるはず。さらにその下の世代の🇨🇭イセリが準優勝で、スイス男子の層がスコットランド並みに厚くなってきた印象。

  • 「マーテンズヴィル インターナショナル」では、こちらも今季好調の🇨🇦スカーリクが優勝。グランドスラム出場チームが決まるタイミングにランキングを上げきれずにいる印象ですが、日本選手権との日程の兼ね合いで日本勢の出場が減りそうな1月の「マスターズ」には、高い確率で出場できそうです。

第14週プレビュー

1週間早めのプチ・グランドスラム:日本から男女6チームが出場

今週、一番大きな大会というと、🇨🇦エドモントンで開催される「サヴィル・グランプリ」(SFM:女子7.0、男子3.0)になるでしょう。グランドスラム第2戦の会場はアルバータ州ニスキューですが、そこはエドモントン空港に隣接した地域。前乗りして調整するには、立地として最適な大会と言えるでしょう。

それもあって、グランドスラムに参加する女子16チームのうち、11チームがこの大会にも参加しており、おのずと大会のレベルが上がっています。5〜6チームずつ4組に分かれるので、各組にグランドスラム出場チームがほぼ3チームずついる計算になります。予選通過はおそらく各組2位までとなるため、どのチームにとっても簡単ではないでしょう。グランドスラム本番も豪華ですが、そのリハーサルも豪華になったという感じです。

日本からも、グランドスラムに出場する🇯🇵ロコ・ソラーレ、🇯🇵北海道銀行、🇯🇵フォルティウス、🇯🇵中部電力の4チームが、女子の部に出場します。カナダ遠征開始直後に🇯🇵北海道銀行が優勝したのと同じ会場なので、相性の良さが出るでしょうか。🇯🇵フォルティウスvs🇰🇷キム・ウンジョン、🇯🇵ロコ・ソラーレvs🇯🇵中部電力、🇸🇪ヴラノーvs🇨🇦スターメイなど、来週のグランドスラムでも対戦が決まっている試合もあります。ポイントが欲しいチームにとっても、今週と来週と2回チャンスがあることになりますが…どちらも予選通過は大変です。

男子の大会も開かれ、🇯🇵TM軽井沢と🇯🇵ロコ・ドラーゴが出場します。こちらには、グランドスラム出場チームが1チームのみですが、地元アルバータ州やアメリカの有力チームも出場しています。個人的な期待としては、最低でも予選は通過してほしいなぁ…。

ついに始まるカナダMD五輪トライアル予選会

カナダのMD五輪代表決定が2025年1月という早い時期になると発表された時には、カーリング界を驚かせたと思うのですが、その決定戦(MD五輪トライアル)に向けた3つの予選会の初戦が行われます。会場は西部・中東部・中西部と違う地域で行われるのですが、今回は西部のブリティッシュコロンビア州アボッツフォード。参加ペアも西寄りの地域のペアが多いですが、3回しかない予選会ということもあり、中東部のオンタリオ州などからも参加しています。予選会以外では、昨年のカナダMD選手権の上位ペアなど5組にはすでに出場権が与えられており、加えて、12月9日時点での国内MDランキングで8組のペアに出場権が与えられます。

参加ペアは25組で、その中には、現時点ですでにMD五輪トライアルの出場権を持っている3組も含まれています。予選はトリプルノックアウト方式で行われます。そして、出場権を持たないペアのうち、最上位になったペア1組が、MD五輪トライアルへの出場権を獲得します。22分の1ですから、なかなか狭き門ですね。

スイス・カップ・バーゼル

欧州では🇨🇭バーゼルで男子の「スイス・カップ・バーゼル」が開催されます。来週のグランドスラム第2戦に出場するチームは少ないですが、欧州選手権がまもなく始まることもあり、AまたはBディビジョンに出場する代表チームがいくつも参加しています

デニッシュ・オープン

ノルディック・ツアーとしては、先週🇸🇪スンドビュベリで大会が行われましたが、今週は🇩🇰コペンハーゲンで男女の大会が開催されます。こちらの参加チームにも、特に女子の方で、欧州各国の代表チームの名前が散見されます。欧州選手権に向けて、各チームが調整しているのがわかります。

世界車いすカーリングB選手権

車いすカーリングのB選手権が、11月3日から🇫🇮ロホヤで始まります。日本代表は、車いすカーリング日本選手権で優勝したKiT CURLING CLUBの4選手に、Safilva北海道の髙橋選手が加わったチームです。次のパラリンピックに出場するには、この大会で3位以内に入って、3月に🏴󠁧󠁢󠁳󠁣󠁴󠁿スティーブンストンで開かれる世界車いすカーリング選手権に出場して、そこでポイントを獲得する必要があります。この第一関門をぜひ突破してほしいですね。

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