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世界ジュニアMD選手権は誕生するのか?
“ジュニア年代でもミックスダブルス世界一を決める大会を開こうとしている”という噂は、以前聞いたことがありましたが、最近どうもその動きが具体化しているようなので、一度関連のありそうな情報をまとめてみました。
ちなみに、このトップ画像にした理由は、2023年世界MD選手権で写真右に映る🇨🇿チェコMD代表のゼリングロヴァ/ハビチョフスキ ペアが、当時2人ともまだ10代だったから。ゼリングロヴァ選手は今年のユース五輪にも出ていたので、第1回世界ジュニアMD選手権が2026年に開催されるなら、そこでの出場資格はありそうです。
25−26シーズンの開催地を募集している世界ジュニアMD選手権
まず、世界ジュニアMD選手権の誕生を一番匂わせているのは、世界カーリング連盟が6月7日にHPに掲載した開催地募集の記事の中で、開催地を探している大会の1つが「2026年の4月か5月に開催される世界ジュニアMD選手権」だったことでした。開催地が無事見つかれば、本当に開催されるのかもしれません。
NJCTミックスダブルス選手権
これまで、“ジュニア世代の世界MD選手権に最も近い存在”だったのは、ノルディック・ジュニア・カーリング・ツアー(NJCT)のミックスダブルス選手権でしょう。2019年に始まり、今年で4回目を迎えましたが、4年間でのべ13カ国の選手が出場しています。大会運営をしているのは、🏴スコットランド出身で今は🇸🇪スウェーデンで活動するJ.ドライバラさん(🇸🇪女子ジュニア代表スキップの父親)です。
上位には4人制の世界ジュニアでも聞き覚えのある名前がちらほらあり、かなり強い選手が集まっているのかと思います。第2回・第3回の優勝ペアには、前回世界ジュニアの優勝スキップで、すでにグランドスラムにも出場した🇨🇭X.シュヴァラー選手の名前があります。前回第4回の🇩🇪ドイツの優勝ペアは、今年の世界ジュニア女子でスキップとしてドイツの次回出場権獲得に貢献した🇩🇪S.メッセンツェール選手と、今年の男子世界選手権で予選通過に貢献した🇩🇪F.メッセンツェール選手のペアでした。
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今年出場した16ペアの内訳は、🇨🇦カナダ2、🇩🇰デンマーク2、🏴スコットランド1、🇨🇭スイス2、🇸🇪スウェーデン2(ここまでが第1回からすべて参加している国)、🇩🇪ドイツ2、🇳🇴ノルウェー2、🇵🇱ポーランド2、🇺🇦ウクライナ1でした。
実は2025年から開催されるのか?
世界ジュニアMD選手権に向けての動きは、他の国にもあります。🇺🇸アメリカでは今年初めてU21ジュニアミックスダブルス選手権が行われることが決定。場所はダルース カーリングクラブで、2024年11月29日〜12月1日の日程で行われます。
元々この期間は、2023年ミックスダブルス世界選手権で優勝した🇺🇸ティーシー/ドロプキン ペアが創設した“CKカップ”というジュニアMDの大会の第2回目が行われる予定でしたが、その大会がそのままジュニアMDのアメリカ選手権になったようです。ただ、1つ気になることが書いてあります。
「優勝チームは、2025年世界ジュニアMD選手権のアメリカ代表となる。」
もしこれが本当なら、2025年にすでに世界ジュニアMD選手権が開催されるということなのでしょうか?世界カーリング連盟からはまだ公表されていないようなので、なんとも言えませんが、大きな会議の後に突如誕生したりするのかもしれません。
アメリカ以外でも、例えば、🇸🇪スウェーデンでは今年の3月にジュニアMD選手権が行われていますし、🏴スコットランドでも今年4月にジュニアMD選手権が行われています。また、🇨🇦カナダでは、州単位でのジュニアMD選手権がいくつかの州で開催されています。
ジュニア世代の日本MD強化委員会推薦ペア
もし2025年から世界ジュニアMD選手権が開かれるとしたら、どうやって日本代表を決めるのでしょう?
今年12月に開かれる日本MDの強化委員会推薦ペアには、ジュニアの出場資格を持っていそうなペアが2つあります。ともに今年のユース五輪に出場した田中・佐藤(田中 萌珈・佐藤 航英)と2年連続で日本MDに出場した敦賀選手擁する札幌国際大学TA(敦賀 心羽子・阿部 悠希)です。前回の日本MDの出場ペアでは、相澤・阿部(相澤 天・阿部 悠人)やチーム松原(松原 理桜・松原 永和)もまだジュニア世代でした。
日本協会の大会予定には、ジュニアMD代表決定戦に該当しそうな大会はまだ掲載されていません。そうなると、例えば、ジュニア世代で日本MD最上位だったペアが出場するというような選び方もありうるのかとは思います。または、7月に行われる強化委員会推薦ペアの合宿がジュニアMD代表候補選びも兼ねているのかもしれません。
松村・谷田が世界MDで銀メダルを獲得し、小穴・青木がさらにMD戦線に加わり、両ペアが世界ランキング1桁に位置するようになった日本のミックスダブルスカーリングです。ジュニア世代でもミックスダブルスをするペアが増えて、ミラノコルティナ五輪にもミックスダブルスで出場するようなことになれば、ますます楽しみが広がりそうですね。